GMSV S1

グランドツーリング志向のスーパースポーツ

ゴードン・マレー・スペシャルビークルズが開発した「GMSV S1」のエクステリア。
ゴードン・マレー・スペシャルビークルズは「S1 LM」をベースに、グランドツーリング志向の「S1」を開発した。

ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズ(GMSV)は、モントレー・カーウィーク期間中に開催された「ザ・クエイル」において新型スーパースポーツ「S1」を世界初公開した。S1は「S1 LM」をグランドツーリング志向へと発展させたモデルであり、「Driving Perfection(ドライビング・パーフェクション)」というゴードン・マレーの哲学を体現している。

S1は、S1 LMのプラットフォームを発展させ、コスワース製4.2リッターV型12気筒自然吸気エンジンと、6速MTを組み合わせた。シャシーはダウンフォースを追求するのではなく、メカニカルグリップを重視するよう最適化されており、独自のドライビング体験を提供する。

改良されたサスペンションは、ゴードン・マレーの哲学を維持しながら、長距離走行における快適性と洗練性を高めた。ゴードン・マレー・グループ(GMG)のグループ・エグゼクティブ・チェアマンを務めるゴードン・マレーは、S1について次のように説明を加えた。

「S1では、S1 LMから尖った空力デバイスを取り除いたとき、このデザインがどれほどの美しさと純粋さが存在するのかを示したいと考えました。S1 LMと同じ強烈さ、レスポンス、エンジニアリングの完全性を備えながら、異なる目的に合わせてチューニングされています」

「ロサンゼルスからモントレーまで海岸沿いを快適に走ることができますし、それでいて道路が開けたときには、変速するたびに、コーナーをひとつ曲がるたびに、自然吸気V12サウンドを存分に楽しめるクルマです。希少性が高くアナログで、ドライバーを徹底的に中心に据えたクルマでありながら、よりエレガントでより洗練され、長距離でも使いやすいクルマに仕上げられています」

コスワース製V12自然吸気ユニットを搭載

ゴードン・マレー・スペシャルビークルズが開発した「GMSV S1」のコスワース製4.2リッターV型12気筒自然吸気エンジン。
リヤミッドには、最高出力690PSを発揮するコスワース製4.2リッターV型12気筒自然吸気エンジンを搭載する。

GMSV S1は、S1 LMが備えていた大型固定式リヤウイング、フロントスプリッター、深く張り出したサイドスカートをオミット。すべてのボディパネルが新たに設計された。その結果、往年のスポーツカーを思わせるクラシカルなプロポーションとよりクリーンなシルエットを実現した。

新開発のアクティブリヤエアロシステムはボディワークに一体化され、高速走行時の安定性やブレーキング時の要求に応じて作動。極端なダウンフォースを追求するのではなく、メカニカルグリップ、バランス、そして公道における安心感へと重点を置いてセットアップされた。

S1のリヤミッドには、専用設計されたコスワース製4.2リッターV型12気筒自然吸気エンジンを搭載する。最高出力は690PS、最高回転数は1万2100rpm。S1 LMのエンジンと同じ系譜に属する4.2リッターV12エンジンは、鋭いレスポンスを発揮し、ゴードン・マレー車のエンジンに求められるサウンド、ダイレクトなレスポンスを維持している。

低慣性かつ高回転型のこのエンジンには、シリコンカーバイドコーティングを施した軽量ピストン、チタン製バルブ、チタン製コンロッド、ドライサンプ潤滑システムなど、レーシングカーにも用いられる仕様のコンポーネントを採用した。長距離ツーリングでの扱いやすさを考慮し、S1ではより幅広いトルクバンドを確保。2500rpmという低い回転数から最大トルクの80%を発生し、7000rpmで約500Nmを発揮する。

6速MTは、新開発のギヤボックスケーブルの取りまわしによって、ライフルのボルトを操作するような精密なシフトフィールを実現。ドライバーとマシンを物理的につなぐ感覚は、S1においても重要な要素となっている。

乗りやすさを重視したセッティング

ゴードン・マレー・スペシャルビークルズが開発した「GMSV S1」のエクステリア。
足まわりはS1 LMからキャリーオーバーされながらも、より乗りやすさを重視し、車高は10mm引き上げられた。

同じ車幅、トレッド、軽量サスペンションアーキテクチャー、ワイドタイヤはS1 LMからキャリーオーバー。車高は10mm高められ、ダンパーもよりしなやかに作動するよう再調整された。これにより、ステアリングの正確性、俊敏性、路面からのフィードバックを維持しながら、乗り心地を向上させている。

軽量化へのこだわりも、S1の基本理念として受け継がれている。超軽量カーボンファイバー製ボディパネル、軽量サスペンションコンポーネント、重量削減に対するゴードン・マレーの徹底したこだわりによって、S1はより豪華なインテリアトリム、高性能なサウンドシステム、追加の遮音・吸音処理を施しているにもかかわらず、車両重量はT.50を下まわることが目標に掲げられた。

S1には専用設計のフロント/テールライトを採用しており、デイタイム・ランニング・ライト(DRL)はライトクラスターに一体化。これにより、S1 LMとは異なるヘッドライトシグネチャーを実現した。S1 LMでは、ランニングライトがヘッドライトの下に配置された細いブレード状のデザインとなっている。

さらに独自設計のハイビーム用補助ライトをフロントノーズのエアインテーク内の低い位置に配置。これは、ゴードン・マレーが1992年にデザインしたモナコ・ショーカーから着想を得ており、低い位置にライトが備えられている。また、軽量ホイールもモナコ・ショーカーをオマージュしている。

Aピラーに取り付けられた特徴的なドアミラーを採用。ここに目立たない形でリヤビューカメラシステムが組み込まれた。エンジンベイはV12エンジンそのものを主役として見せるデザインを採用。磨き上げられたインコネル製エキゾーストと、24カラットのゴールドメッキを施したヒートシールドが、美しいエンジンルームをアピールする。

快適性が向上した3シーターレイアウト

ゴードン・マレー・スペシャルビークルズが開発した「GMSV S1」のコクピット。
コクピットもS1 LMをベースに、長距離走行でもリラックスできるようにアップデートされた。

コクピットは、ゴードン・マレー独自のセンタードライビングポジションと低いスカットル高を維持。S1 LMのコックピットをより洗練し、ラグジュアリーな方向へと発展させた。

ラグジュアリーレザー、専用ファブリック、仕立ての良いトリム、長距離ツーリングに適した快適性の高いシート、強化された遮音・吸音処理、改良型インフォテインメントスクリーン、専用設計の軽量オーディオシステムを採用。これらにより、3シーターキャビンは長距離走行により適した仕様へとアップデートされた。

ドライバーは、切り替え式パワーステアリングにより、自分好みにステアリングフィールを調整可能。リラックスしたクルージングではアシストを効かせ、ワインディングなどのダイナミックな道路では、よりダイレクトでフィルターの少ないステアリングフィールを選択できる。

S1 LMに採用されていた、レーシングカーをイメージしたレクサン製「チケットウインドウ」に代わり、新たにドロップダウン式ディヘドラルドアを導入した。ドア開口部をより大きく確保することで、乗り降りを容易にしており、S1が日常的な使いやすさを重視するモデルへと方向転換したことをアピールする。

「ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズ S1」を動画でチェック!

「GMSV S1 LM シャシーナンバー1」が、F1ラスベガスGP開催期間中に行われるチャリティオークションに出品される。

「推定落札価格30億円超?」世界限定5台のスーパースポーツ「GMSV S1 LM」がオークションに【動画】

ゴードン・マレー・グループ(GMG)が新たに立ち上げた「ゴードン・マレー・スペシャルビークルズ(Gordon Murray Special Vehicles)」は、2025年のF1ラスベガス・グランプリ期間中に開催される、RMサザビーズのオークションに「GMSV S1 LM」のシャシーナンバー1を出品する。推定落札価格は、2000万ドル(約30億円)を超えると見られている。