スマホひとつで走りを自在にアレンジ!

進化を続けるチューニングモジュール

2008年にドイツで開発され、欧州車を中心に世界で50万台以上の販売実績を誇るレースチップ社の「チューニングモジュール」。ターボエンジン搭載車をターゲットとした高性能サブコンで、2025年11月からはOS技研が日本総代理店となり、国内での展開を本格化させている。

チューニングモジュールは、対象車種や機能の違いに応じて「S」「RS」「GTS5(ブラック含む)」の3モデルをラインナップ。大まかにはSが軽自動車、RSが普通車、GTS5がスポーツカーや高級車向けという位置付けだ。なお、最上位モデルのGTS5とGTS5ブラックは基本的な性能・機能は共通で、装着車両に応じて制御用のピン数が異なる。

いずれも純正ECUと各種センサーのハーネス間に、車種専用ハーネスを介してカプラーオン接続することで、ブーストアップを実現する。さらに、チューニングモジュール本体を接続するカプラーに専用アダプターを装着すれば、純正状態へ完全に復帰できるのも特徴だ。

「各種センサーからの信号を変換して純正ECUに送り込むのがチューニングモジュールです。フラッシュロムの書き替えとは根本的に異なり、純正ECUによる閾値内での制御に依存しています。燃調や点火時期、可変バルタイなどは、ブースト圧の上昇に伴うO2フィードバックによって最適化されます。これによってパワーやトルクの向上はもちろん、ダイレクトなアクセルレスポンスや中間域からの心地良い加速感など、ノーマルとの違いをハッキリと体感していただけると思います」と担当の岩﨑さん。

適合車種であれば、パソコンを介してチューニングモジュール本体に専用データをインストールする。一方、専用データが用意されていない車種の場合は、まず純正ECUからノーマルデータを吸い出してドイツのレースチップ本社へ送付。そこで書き替えられたデータを本体へインストールするという流れだ。

こうしたチューニングパーツは、とかく「パワーやトルクがどれだけ向上するのか」という点に注目が集まりがち。しかし、中速域のトルクが向上することで、燃費にも好影響を与えるという。実際、FL5で行った実走テストでは、燃費が1km/L向上する結果も得られている。

また、レースチップ社では購入後のメンテナンスをはじめ、データの書き替えやファームウェアのアップデートなどにも対応。充実したアフターケア体制が整えられている点も、ユーザーにとって心強いところだ。

さらに、「RS」と「GTS5」のスマホアプリ対応モデルなら、スマートフォンからドライブモードの切り替えや各モードの微調整、ウォームアップタイマーなどの機能を利用できる。

無料アプリをダウンロードして本体とBluetooth接続すれば、「レース」「スポーツ」「エコ」の3種類からドライブモードを選択可能。それぞれのモードでは、ファインマッピングによる細かな調整も行える。また、エンジンが動作温度に達したときだけ作動する、2~5分間のウォームアップタイマーも備えている。

一方、SやRSのスマホアプリ非対応モデルでは、本体に備えられたダイヤルから5~7種類のファインマッピングを選択する方式となる。

一部車種を除き、チューニングモジュール本体はエンジンルーム内に設置されるため、設定を変更するにはクルマを止め、ボンネットを開けて操作しなければならない。その点、車内から手軽に操作できるスマホアプリ対応モデルは使い勝手に優れる。今後の機能追加にも期待でき、発展性の高さも魅力と言えるだろう。

実際、OS技研では、日常的な荷物の運搬や全国各地で開催されるイベントへの出動など、同社の活動を支える仕事グルマ兼デモカー兼パーツ開発車両の200系ハイエースにも、最上位モデルのGTS5を装着している。

前席直下にエンジンを搭載するハイエースでは、チューニングモジュール本体を室内に設置。専用ハーネスを介してブースト圧やカム角、さらにコモンレール式ディーゼルエンジンの燃圧信号を取得して制御を行うなど、スポーツモデル以外でもその効果を確認している。

岩﨑さんは、「スポーツカーだけでなく、そもそもパワー感が乏しい軽自動車や、大人数で乗ると走りに不満を感じやすいミニバンのオーナーにも、ぜひチューニングモジュールを使っていただきたいと思います」と語る。

ドイツ生まれの製品ということもあり、売れ筋はメルセデス・ベンツやBMW、アウディなどの欧州車だという。一方で、ガソリン/ディーゼル直噴ターボ車やPHEVを含め、国産車への対応も着々と拡大中だ。

また、電子制御スロットル採用車に対応したスロットルコントローラー「XLR5」も用意されている。アクセルセンサーのコネクターに割り込ませるだけで装着でき、スマートフォン専用アプリまたは専用コントローラーから3つのモードを切り替えられるほか、それぞれ7段階の微調整も可能だ。

もちろん、チューニングモジュールとの連動にも対応。パワーとトルクに加えてアクセルレスポンスの向上も実現できる。また、エンジンが始動してもスロットルが開かないように設定すれば、簡易的な車両盗難防止機能として活用することもできる。

ただし、使用にあたって注意したいポイントもある。

「チューニングモジュールのコンセプトは“純正プラス”。そのため、吸排気系を含めてノーマルエンジンでの使用を前提にしています。例えば、むき出しタイプのエアクリーナーなどは相性が悪いため、ご注意ください」と岩﨑さん。

あくまで純正状態をベースに、エンジンが持つポテンシャルを引き出す。それがレースチップの基本的な考え方だ。

仕向地ごとの気候や燃料まで考慮し、エンジンごとに最適なセッティングが施されるチューニングモジュール。カプラーオンによる手軽な装着で、愛車のエンジンが秘めたパフォーマンスを引き出せるのが大きな魅力だ。パワーやトルクだけでなく、アクセルレスポンスや中間域の加速感まで変化するその実力を、ぜひ愛車で体感してみてほしい。

●取材協力:オーエス技研 岡山県岡山市中区沖元464 TEL:086-201-0352(レースチップジャパン)

「ミッションを守るために“あえて滑らせる”」新発想の強化クラッチをOS技研が開発中!

オーエス技研がAE86向けに開発を進めている新作クラッチが注目を集めている。150mmという超小径メタルディスクを採用したツインプレート構成とし、メカチューン4A-Gの限界域となる約200psに対応。さらに単なる強化にとどまらず、ミッション保護まで視野に入れた設計が盛り込まれているのが特徴だ。

【関連リンク】
オーエス技研
https://osgiken.co.jp/