スマートキーだけでは始動できない! 豪州で「第2のイモビライザー
トヨタ・ランドクルーザーを狙った盗難が深刻な問題となるなか、トヨタがオーストラリアで新たな盗難対策を導入した。

現地でランドクルーザー300と、現地名「ランドクルーザー・プラド250」を対象に発売されたのが、トヨタ純正アクセサリーの「セカンダリー・イモビライザー」である。

これは車両に標準装備されるイモビライザーとは別に、もうひとつの始動認証を追加するものだ。通常のスマートキーだけでなく、専用の「イモビライザー・フォブ」が車内の検知範囲になければ、エンジンを始動できない。
つまり、スマートキーの認証を何らかの方法で突破されても、別系統の認証が残る。トヨタ・オーストラリアはこれを多要素認証システムと説明しており、標準イモビライザーにもう一段の防御を加える仕組みだ。
豪州での価格は取付費込みで1735豪ドル(=約19万4100円)。販売店で後付けできる純正アクセサリーとして設定されている。
年間825件、5年連続ワースト1! ランクル盗難は日本でも深刻
そして、ランドクルーザーの盗難問題は日本でも深刻である。
日本損害保険協会がまとめた2025年の車両本体盗難に関する調査では、ランドクルーザーの保険金支払い件数は825件。2024年の688件からさらに増え、5年連続で車名別1位となった。
しかも、2025年の車両本体盗難に占める構成比は30.0%。同協会の保険金支払いデータでは、およそ3台に1台がランドクルーザーだったことになる。なお、この統計の「ランドクルーザー」にはプラドも含まれている。
では、日本のランドクルーザーにも豪州のような「二重」の盗難対策はあるのか。
実はトヨタは国内でも、純正用品として「セキュリティシステム プレミアム」を設定している。
中心となるのが「セカンドイモビライザー」だ。
標準のスマートキーとは別に専用の「セキュリティキー」を持たせ、両方が揃わなければエンジンを始動できない「2重イモビライザー構造」を採用。システム本体を取り外したり、配線を元に戻したりしただけでは始動できないよう設計されている。
さらに、ドアにも別の認証を加える「ダブルロック」を採用。測距システムを搭載したセキュリティキーが車両付近になければドアを解錠できない仕組みで、不正な車内侵入を抑止する。
独立したバッテリーを内蔵する「セルフパワーサイレン」も備える。ドアの不正解錠やエンジン始動操作だけでなく、補機バッテリーやサイレン本体が取り外された場合にも警報を作動させる。
想定する盗難手口も幅広い。トヨタはリレーアタック、CANインベーダー、キーコピー、通称「ゲームボーイ」、こじ開けなどを挙げている。
価格は14万8500円から。取付費を含まないメーカー希望小売価格で、車種やグレードによって価格や作業時間は異なる。
盗難対策は「ひとつの認証に頼らない」時代へ
さらにT-Connectには、スマートフォンアプリ「My TOYOTA+」から車両の始動を禁止する「マイカー始動ロック」も用意されている。スマートキーだけではエンジンを始動できない状態にすることで、リレーアタックやCANインベーダー、キーコピーなどに対するセキュリティを高める機能だ。
ただし、ここには注意点がある。トヨタは現在、ランドクルーザー300/250のT-Connect(25)について、一部車両でマイカー始動ロックが正常に作動しない事象が確認されたとして、サービスの提供を停止している。
また、こうした対策を重ねても、盗難を完全に防げるわけではない。トヨタ自身も「セキュリティシステム プレミアム」について、盗難防止を保証するものではないとしている。
豪州では新たなセカンダリー・イモビライザーを投入し、日本でもセカンドイモビライザーを含む純正システムを用意するトヨタ。名称やシステムこそ異なるが、「ひとつの認証だけに頼らない」という考え方は共通している。
年間825件、車両本体盗難の30%をランドクルーザーが占める日本。人気車だからこそ、購入後の盗難対策も無視できない問題になっている。










