ポルシェは、使用済み高電圧バッテリーから回収したリチウム、ニッケル、コバルト、マンガンを100%再生原料として使用した正極活物質を製造し、それを使った電池セルを試作。現在、そのセルを実使用環境で試験しているという。ドイツのリサイクル企業cylibなどのパートナー企業と協力して進められている。

「リチウムやコバルトなどのリサイクル原料のみで作られたバッテリーセルにより、重要な技術的マイルストーンを達成しました。このイノベーションは、常に進歩、品質、資源効率の最適化を目指しながら、循環型経済の原則と原材料の回復力の両方を推進する上で重要な一歩となります」と、ポルシェの調達担当役員であるヨアヒム・シャルナグル氏は述べている。
「cylibは、使用済みバッテリーから回収された原材料まで、バッテリーのリサイクルループを完成させます」と、cylibの共同CEO兼共同創設者であるリリアン・シュヴィッチ博士は述べている。「ポルシェとのパイロットプロジェクトは、当社のアプローチが実際に実現可能であることを示しています。ポルシェのバッテリーは最初の寿命を終えた後、貴重な原材料を回収し、ポルシェ車用の新しい高性能バッテリーに再利用できる可能性があります」

注目すべきは「ブラックマスから金属を回収した」だけではなく、回収→材料化→正極活物質→新しい電池セルという閉ループに一歩踏み込んだこと。しかも、2026年5月からドイツ国内のポルシェセンターで回収した廃HVバッテリーを実際に水系プロセスを使用したリサイクルプロセスへ投入。回収された原料は2028年から新しい電池セル生産に利用可能になる予定だ。
