「まずはディーゼル」新型パジェロは2.4L+8速ATで復活
三菱自動車が2026年9月2日、新型「パジェロ」を世界初公開した。日本では2019年に生産を終了して以来、7年ぶりの復活となる。

新型の姿や基本スペックはすでに大きな話題となっているが、今回発表されたモデルだけで新生パジェロの全貌を判断するのは、まだ早い。
今回明らかになったパワートレーンは2.4L直列4気筒クリーンディーゼルだが、入手した情報によると、2028年にも電動化パワートレーンを搭載した新たなモデルが追加される可能性がある。
さらに三菱自身が「パジェロシリーズ」の展開を明言している。つまり、7年ぶりの復活は、新たなパジェロ戦略の“第一章”にすぎない可能性があるのだ。

まず、新型パジェロの基本性能を確認しておきたい。
ボディサイズは全長4920mm×全幅1925mm×全高1910mm、ホイールベース2870mm。高剛性ラダーフレームを採用し、フロントにダブルウィッシュボーン、リヤに新開発の5リンク式リジッドサスペンションを組み合わせる。
4WDシステムには「スーパーセレクト4WD-II(SS4-II)」を採用し、新たに車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載。最低地上高は230mmを確保するなど、本格クロスカントリーSUVとしての性能を追求した。
エンジンは、ワイドレンジのシングルVGターボを備えた2.4L直列4気筒クリーンディーゼル。最大トルク480Nmを発揮し、新開発の8速ATを組み合わせる。
新型パジェロは“第一章” 三菱が明言する「パジェロシリーズ」
だが、新型パジェロのパワートレーン展開は、このディーゼルだけでは終わらない可能性がある。
そのタイミングとして浮上しているのが2028年だ。入手した情報では、モデルラインアップを拡充する形で、電動化モデルが追加される可能性がある。
HEV、PHEVの両方が候補となるが、三菱のこれまでの電動化戦略を踏まえると、PHEVも有力な選択肢のひとつとなる。
三菱は「アウトランダーPHEV」で長年にわたってPHEVと電動4WD技術を磨いてきた。現在のアウトランダーPHEVでも前後独立モーターとS-AWCを組み合わせ、モーターによる緻密な駆動力制御を走行性能へ生かしている。
そして、三菱が2026年5月に発表した中長期ビジョンにも、その方向性を裏付ける材料がある。
三菱は2026~2031年度に13モデルを投入し、そのうちHEVとPHEVをそれぞれ5モデル展開する計画を示している。さらにPHEV/HEV専用エンジンを自社開発し、その電動化技術を「フレームモデルを含む全モデル」に展開していく方針も明らかにした。
ラダーフレームを採用する新型パジェロも、当然その対象となり得る。
仮にパジェロにPHEVが設定されれば、ディーゼルとは大きく異なるキャラクターを持つモデルとなる。モーターならではの大トルクとレスポンス、緻密な駆動力制御は、本格クロスカントリーSUVとの親和性も高い。
そして、新型パジェロの今後を考えるうえでもうひとつ重要なのが「シリーズ化」だ。
三菱は新型パジェロを「これからの三菱自動車ブランドを象徴する新世代のフラッグシップモデル」と位置付けている。
岸浦恵介社長兼COOも世界初公開に際し、新型パジェロについて「この後に続く『パジェロ』シリーズをはじめ、すべての三菱車を牽引していくフラッグシップモデル」と説明した。
これは単なる将来予想ではない。三菱が2026年5月に発表した中長期ビジョンでも、新型パジェロを投入したうえで「シリーズとして展開する」方針が明記されている。
新型パジェロはタイで生産され、2026年度中に日本とオーストラリアにも投入。その後、2027年度以降にASEAN、中南米、中東など世界約100カ国へ順次展開される計画だ。
7年ぶりの復活はゴールではなく、新たなパジェロ戦略のスタート地点だ。2028年にも加わる可能性がある電動化モデル、そして三菱自身が明言する「パジェロシリーズ」への展開。新型パジェロを起点に、三菱のSUV戦略は大きく動き始めている。





