Q:ボルトやマフラーに赤いサビが出ていました。磨けば落ちそうにも見えるけど、このまま乗って大丈夫? サビって出たらもう手遅れ?
宮城県/サビ発見でテンション下降さん
結論から言えば、表面に出たばかりの軽い赤サビなら、見つけた時点で即終了という話ではない。サビは金属が酸素と水分に触れて酸化することで発生し、放置すれば進行する。いっぽう、初期段階なら清掃や適切な処置で落とせるケースも多い。
ただし、ここでやりがちなのが「サビなら全部ゴシゴシ磨けば良いでしょ!」という作戦。実はこれ、場所によっては逆効果になる。
赤サビを見つけたら、まず「どこに出たか」を見る!
同じ赤サビでも、ボルト、メッキ部分、塗装面、チェーン、マフラーでは話が違う。例えば、鉄の素地が露出しているボルトやステーなどに軽く浮いた表面サビなら、サビ取り剤やブラシで除去できる場合がある。
ただし要注意なのが、メッキや塗装、アルミなど表面処理されたパーツ。サビ取り剤の中には、塗装面やメッキ面、アルミには使用できないものもある。

画像:メッキのハンドルバーに細かな点サビを発見。見た目が気になるからと粗いペーパーで強く磨くと、表面処理まで傷めることがあるので慎重に。
つまり「赤いものを見つけた→サビ取り剤を塗る!」ではダメ。まず「鉄の地肌なのか?」「塗装されているのか?」「メッキなのか?」「アルミなのか?」を確認するのが先だ。
さらにブラシで削る場合も同じ。軽いサビならナイロンブラシなどで落とせることもあるが、強く擦りすぎれば塗装やメッキまで傷める可能性がある。要するにサビ取りは、力技より“素材を見極める”ほうが大事なのだ。
今はサビ取り剤やメッキ対応クリーナー、防錆ケミカルなど便利なヤツもいろいろある。素材に合ったものを選べば、無理に削らずキレイにできる場合もあるので、こうしたケミカルを頼るのも全然アリだ。

画像:スポーク全体に赤サビが発生。見た目のインパクトは大きいが、まずは表面だけなのか、腐食が深く進んでいるのかを確認したい。
フロントフォークの点サビは「見た目だけ」で済まないことも
ここは別枠で考えたい。フロントフォークのインナーチューブや、リヤショックのロッドなど、サスペンションが摺動する部分に出たサビだ。
こうした部分はメッキ処理されていて比較的サビに強いものの、雨天走行や屋外保管が続けばサビが発生する可能性はある。水分をしっかり拭き取り、適切な防錆処理をしておくことで、サビの発生を抑えやすくなる。
ここで怖いのは、表面がザラザラしたままフォークがストロークすること。サビによって表面が荒れていると、オイルシールを傷める原因になる可能性がある。だから「ちょっと茶色いだけだから良いか」と放置するより、早い段階で状態を確認したい。
ただし、インナーチューブを粗い耐水ペーパーやワイヤーブラシで勢い良く磨くのはおすすめしない。表面処理を傷めれば、かえってサビが出やすくなる可能性があるからだ。サビが深く、爪が引っ掛かるような状態なら、自分でひたすら磨くよりショップで確認してもらうほうが安心だ。
サビ取りより大事なのは「その後」だったりする
うまくサビが落ちると、それだけで満足してしまう。でも本当は、そのあとが大切だ。
サビを落として金属表面が露出した状態は、再びサビが出やすい。水分を残さずしっかり乾燥させ、防錆剤や適切な潤滑剤、ワックスなどで保護することが再発防止につながる。
とくに雨の中を走った後や洗車後は、チェーンや金属部分に水分が残りやすい。清掃後に注油せず放置すればサビが発生しやすくなる。だから「サビを落とした=終了」ではなく、落とす→水分を残さない→保護する、まででワンセットと考えたい。
サビは放っておけば深く進む。でも、ポツッと出た初期の赤サビなら「もうダメだ……」と落ち込む必要もない。むしろ洗車中に見つけたならラッキー。「あ、ここサビ始めてるじゃん」と気づいた時点で手を入れてあげれば、愛車を長くキレイに保つきっかけになる。
サビ取りって、古くなったバイクを仕方なく直す作業というより、愛車の変化を見つけて付き合っていくメンテナンスのひとつなんですよね。
【モトチャンプ編集部】