お便り カブはサンダルで運転してもいいよね?

投稿者:神奈川県/相模湾の風

たしかにいるよね?「それ、危なくない?」ってライダー。東南アジアではサンダルでシフトチェンジしながらウイリーまでしちゃってる若者を見るけれど、ここは日本だしと思いながら「バイクは自由だ!ケガも自分持ちの自己責任」と言う気持ちも分からなくもない。カブなどのシーソーペダル採用車やスクーターって、つい気軽に乗りたくなる。シフトペダルをかき上げる必要がないぶん、「サンダルでも平気なんじゃ?」と思ってしまう人もいるはずだ。でもこの手の話、感覚で判断するとちょっと危ないそうだ。

そこで警視庁交通相談に聞いてみた。「バイクやクルマに関わらず、運転時の履物について、道交法には明確に書かれていません。しかし、各都道府県の公安委員会の規則に禁止事項として書かれていることが多いです。たとえば東京都では東京都道路交通規則で定められています」。

つまりポイントは、道路交通法にサンダル禁止とストレートに書いてあるわけではないけれど、都道府県ごとの規則でアウトになるケースがあるということ。ここがまず大事だ。

たとえば東京都道路交通規則では、こんなふうに定められている。

東京都道路交通規則 第8条2項
木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと。
この条文を見ると、木製サンダルや下駄のような、明らかに操作の妨げになりそうな履物はNGだと分かる。ただ、ここで気になるのは「じゃあビーチサンダルはどうなんだ?」というところ。これもそのまま聞いてみると――「東京では、ビーチサンダルや最近見かけるクロックス的なものを履いて運転しているからといって、取り締まることはないですね。ただ一般的に考えて、ビーチサンダルのようにかかとの固定されていない履物での運転は、ずれたり脱げたりして安全とは言えません。ですから事故などの際に安全運転義務違反が問われることがあります」。

なるほど、東京では“履いているだけで即アウト”とは限らない。でも、だからといって安心はできないのである。履物がずれた、脱げた、ブレーキ操作が遅れた――そんな状況になれば、今度は安全運転義務違反の話になってくる。その根拠になるのが、道路交通法第70条だ。

道路交通法第七十条(安全運転の義務)
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
要するに、サンダル履きそのものよりも、その履物で“確実に操作できるかどうか”が重要というわけだ。しかも、実際にはビーチサンダルや脱げやすい履物は、操作面だけでなく転倒時や事故時のケガも大きくなりやすい。足先や甲がむき出しになるので、ちょっとしたことでもダメージが出やすいんだ。

結論としてはこう。都道府県によってルールの書き方や運用は異なる。ただし、少なくとも「カブやスクーターならサンダルでOK」とは言い切れないし、操作に支障が出れば安全運転義務違反に問われる可能性もある。だったら最初から、かかとが固定されて、ズレにくく、足をしっかり守れる履物を選ぶのがいちばん確実だ。

気軽に乗れるバイクほど、つい気軽な格好で出かけたくなる。でも、そういう時こそ油断しやすい。当たり前の話に見えるかもしれないけれど、その“当たり前”を意識しているかどうかで、いざという時の差はかなり大きい。サンダル運転、やっぱりおすすめはしないぞ、というのが今回の結論だ。

まとめ

●都道府県で異なる。
●安全運転義務違反になることも!

※この記事は月刊モトチャンプ2021年12月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】