お便り1 ウインカー代わりに「いつも手信号」はOKなの?

投稿者:京都府/海苔鐵カブラ

おおっ、これはなかなかパンチのある質問だね。「ウインカーの代わりに手信号」。響きだけなら昭和の街角、ビンテージバイク、革ジャン、夕焼け……みたいでちょっとカッコ良い気もする。でも、現代の公道で「俺はウインカーなんて使わないぜ。合図はこの左腕一本!」なんてやり続けたら、かなりクセ強めなのである。

まず手信号とは何か。教習所で習った記憶がある人もいると思うけど、右左折、進路変更、Uターン、徐行、停止などの意思を、腕の動きで周囲に知らせる合図のことだ。下のイラストにもあるように、左折または左への進路変更、右折または右への進路変更、Uターン、徐行・停止といった合図があり、知識として覚えておいて損はない。古い自転車や、一部のビンテージバイクの世界では、なんとなく雰囲気もある。

ただし、教習所で習った記憶はあっても、実際に使う機会は少ない手信号。知識としては大事だが、ウインカー代わりに常用するものではない。

なぜかというと、現在のバイクには基本的にウインカーやブレーキランプが装備されているので、わざわざ常に手信号で走る必要はない。つまり常用するものではないんだ。とくにクラッチ操作が必要なマニュアル車で、右左折や進路変更のたびに片手を離すのは、普通に考えて危ないよね。スクーターやカブ系ならまだ動作としてはできそうに見えるけど、それでも片手運転だし「ウインカーを出せばいいじゃないか!」という話なのである。

では、手信号はどんな場面で使うものなのか。警視庁交通相談に聞いてみると「常に手信号、というのはダメですね。手信号は原則として、ウインカーやブレーキランプが走行中などに点灯しなくなった際、緊急回避的に使うものです。常に手信号ということなら道路運送車両法における整備不良とみなされ、違反となります」とのこと。

そもそもウインカーやブレーキランプが点かない状態なら整備不良になるし、点くのに使わず、片手運転気味に手信号を続けて周囲を混乱させれば、安全運転義務違反に問われる可能性もある。つまり「手信号を出しているからセーフ!」ではなく、「なぜウインカーを使わないの?」という見方をされるわけだ。

反則金も甘く見ない方がいい。ウインカーやブレーキランプなど灯火類の整備不良は、違反点数1点。反則金は二輪車6000円、原付5000円。さらに安全運転義務違反となれば違反点数2点で、反則金は二輪車7000円、原付6000円となる。手信号だけでクールに走っているつもりが、ぜんぜんクールじゃない結果になるかもしれない。

もちろん、手信号そのものを知らなくていいわけではない。万が一、ウインカーが壊れたときや、周囲に自分の意思を伝えたい緊急時には役立つ知識だ。ただし基本は、ウインカー、ブレーキランプ、テールランプなどの灯火類をきちんと点検して、正常に作動する状態で走ること。手信号は“常用テク”ではなく“非常用の知識”と覚えておきたい。昭和スタイルに憧れるのは自由だけど、公道ではちゃんと光るものを光らせて、安全にカッコよく走りましょう。

まとめ

●「整備不良」として、違反になる可能性アリ!

※この記事は月刊モトチャンプ2021年12月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】