お便り 乾燥重量、車両重量、車両総重量って何が違うの?

投稿者:静岡県/DJカブラ

おっ、いいところを突いてきますねえ。バイクのカタログを見ていると「乾燥重量」「車両重量」「装備重量」「車両総重量」なんて言葉が出てくるけど、これをスパッと説明できる人は意外と少ないかもしれない。なんとなく軽いとか重いとかは分かるけど、「じゃあ何が入っていて、何が入っていないの?」と聞かれると、ちょっと迷うよね。

まず「乾燥重量」。これはざっくり言えば、ガソリンやエンジンオイル、冷却水などが入っていない状態の重量。乾燥という言葉どおり、水っけや油っけを抜いたイメージで、車両がそのまま走れる状態ではない。輸入車、旧車のスペックで見かけることがあるけれど、現在の国産車カタログでは、基本的に「車両重量」や「装備重量」で表記されることが多い。ちなみに昔は、カタログ値を軽くするためフォークオイルやバッテリー液まで抜いていた、なんてウワサを聞いたことがあります。

では「車両重量」と「装備重量」はどう違うのか。ここは、同じ意味として考えて差し支えない。満タンのガソリン、規定量のエンジンオイル、冷却水、ブレーキフルード、フォークオイル、バッテリーなどを入れ、バイクが走れる状態になったときの重量だ。つまり、ライダーが乗る前の“バイク単体としていちばん現実に近い重さ”と考えると分かりやすい。

ここで注意したいのは、「乾燥重量」と「車両重量」では数字がかなり変わること。たとえばガソリンだけでも10L入れば約7.5kg、さらにオイルや冷却水、バッテリーなどが加わる。水冷エンジン搭載車なら冷却水の分もあるので、「乾燥重量」と「車両重量」の差は大きくなりやすい。誌面本文にあるように、1996年式のCB400 SUPER FOURバージョンSでは、「乾燥重量」174kgに対して「車両重量」194kgと、20kgも差がある。数字だけ見て「こっちの方が軽い!」と思っても、乾燥重量同士なのか、車両重量同士なのかを揃えて比べないと、けっこう勘違いしやすいんだ。

そして車両総重量。これは車両重量に、乗車定員分の乗員重量などを加えたもの。一般的な整理では、乗員ひとりあたり55kgで計算するので、2人乗りのバイクなら車両重量に110kgを足した数値がひとつの目安になる。つまり車両総重量は、バイク単体の重さではなく、「人が乗った状態まで含めた重さ」なのです。

カタログを読むときにまず見るべきは、現在の国産車なら基本的に車両重量。これは走れる状態の重さなので、取り回しや押し引き、駐車場での扱いやすさをイメージしやすい。一方で、輸入車や旧車、海外向け資料などでは乾燥重量が出ている場合もある。その数字だけで現行国産車の車両重量と比べると、実際より軽く見えてしまうことがあるので注意したい。

カタログの数字は同じ「kg」でも、見ている条件が違うとまるで印象が変わる。中古車や輸入車、旧車のスペックを比べるときは、その重量が「乾燥重量」なのか「車両重量」なのか、まずそこを確認しておきたいね。

まとめ

●乾燥重量は油脂類ナシ
●車両重量はガスもオイルも満タン

●車両総重量はライダー込み!

※この記事は月刊モトチャンプ2021年8月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】