解約が必要なのは自賠責と任意の両方
バイクに関する保険には、すべての自動車(二輪・原付含む)について加入する義務のある「自賠責保険」、自賠責保険でカバーできない範囲を補償する任意加入の「任意保険」があるのはご存じの通り。そして、バイクを手放す場合には、どちらも解約手続きが必要となる。
解約手続きは、いずれも契約した保険会社で行うが、自賠責保険では、加入するときの手続きをバイクの購入店などに依頼することが一般的。そのため、車両のオーナーが保険会社を知らないこともあるが、保険会社名は自賠責保険証明書に記載されているので、簡単に確認できる。

「自賠責保険」の解約手順と必要書類
自賠責保険と任意保険は、それぞれで解約の手続きが必要だ。まずは自賠責保険の場合。バイクショップなどが保険会社の代理店となっていることもあるが、解約手続きは代理店ではできないため、保険会社で直接行うことになる。
また、最近は、「One-JIBAIサイト」という自賠責保険の契約から解除まで手続きできる専用WEBサイトを利用することも可能。対応する保険会社であれば、公式WEBサイトからOne-JIBAIサイトへアクセスできるようになっている。

なお、解約に必要な書類は、保険会社によって異なる場合があるため、具体的には、保険会社に問い合わせる必要がある。参考までに、必要な書類の例を以下に紹介しよう。
【自賠責保険の解約に必要な書類の例】
・自賠責保険(共済)証明書
・バイクを廃車したことを証明する書類(自動車検査証返納証明書や軽自動車届出済証返納証明書など)
・本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
・解約払戻金の振込先となる銀行口座番号
ほかにも、250cc以下のバイクでは、保険標章となるステッカー(ナンバープレートに貼っているもの)が必要となる場合もある。ちなみに、上記にある解約払戻金とは、解約によって返金される保険料の一部のこと。詳細は後述するが、たとえば、2年分や3年分の保険料を一括で先払いしていた場合、残っている保険期間分の保険料が帰っているケースもある。

手続き方法は、同じく保険会社によって違うケースがあるので、同じく詳細は、契約している保険会社のWEBサイトや問合わせ窓口などで確認して欲しい。なお、最近は、前述のOne-JIBAIサイトを使える場合、スマートフォンに必要書類を撮影して手続きすることも可能。書類を送るなどの手間が省けて、とっても便利になっている。
任意保険の解約方法は?
一方、任意保険についても、解約する際の手続き方法や必要書類は、契約中の保険会社によって異なる。電話するだけでOKな会社から、WEBサイト上の受付フォームから必要事項を入力するケースなど多種多様だ。
ちなみに、任意保険では、自賠責保険と異なり、保険代理店で解約手続きを行える場合もある。行きつけのバイクショップなどが保険代理店となっていれば、解約手続きもやってもらえる場合もあるため、一度聞いてみるといいだろう。
保険料の返金はある? 解約返戻金の仕組み
自賠責保険と任意保険は、いずれも解約した日から満期日までの保険料について、返金を受けられる可能性がある。
【自賠責保険の場合】1か月単位で計算
自賠責保険の保険料は、基本的に1か月単位で設定されている。だが、実際に支払う場合は、たとえば車検のない250cc以下のバイクなら24か月分(2年分)など、車検付きバイクでは37か月分(3年+1か月分)や25か月分(2年+2か月分)など、年単位の保険料を契約時に一括で支払うことも多いといえる。そして、そういったケースでは、解約時点で保険期間が1か月以上残っていれば、前述の通り、保険会社から「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」を受けることができる。
解約返戻金(保険会社によっては「解約払戻金」ともいう)の金額は、解約日から満期日までの残り期間により変わってくる。ただし、前述の通り、自賠責保険は1か月単位での計算となる。そのため、未経過期間(解約日から満期日までの期間)が1か月を切っている場合には、解約返戻金は生じないので注意しよう。
また、返金額は、居住地によっても違ってくる。たとえば、バイクを本州・北海道本島・四国本島・九州本島で使用していた場合と、沖縄本島で使用していた場合では金額が異なるのだ。具体的に、自分の愛車の解約返戻金はいくらか事前に知りたい場合は、契約している保険会社へ問合わせることをおすすめする。
【任意保険の場合】一般的には「短期料率」を用いて計算
任意保険の場合、返金額の算出方法は契約している保険会社によって異なる。一般的には、年払いで保険料を支払った場合、「短期料率(短期率)」を用いて解約返戻金(または解約払戻金)を算出する。
なお、短期料率は、月単位で設定されており、保険会社によっても数値は変わるが、たとえば、保険開始から1か月までなら短期料率は25%、2か月までなら25%、6か月までなら70%といった感じで設定されている。
そして、解約返戻金の算出は以下の計算式を用いることが一般的だ。
解約返戻金=年間保険料×(1-既に経過した期間に対応する短期料率)
上記例では、仮に年間保険料が3万円で、契約開始から6か月までで解約した場合は
3万円×(1-70%)=9000円
となり、9000円が保険会社から戻ってくることになる。
なお、これらはあくまで例で、先に述べた通り、返金額の算出方法は保険会社によって異なる。短期料率を使う場合も、設定の料率が会社により異なるケースもある。そのため、この点に関しても、具体的には契約している保険会社に確認するのが一番だ。
将来再び乗るなら「中断証明書」の取得を!
任意保険の場合、ほかにも等級に関する注意点もある。
等級とは、事故歴に応じて保険料の割引や割増を定める制度のこと。任意保険に初めて加入する場合は、原則として6等級からスタートし、1年間無事故であれば1等級上がり7等級へ。また、逆に、事故を起こして保険金が支払われた場合、等級が下がる。等級が上がるほど割引率が高くなり、20等級で最大の割引率となることが一般的だ。
こうした等級について、任意保険を途中解約してしまうと、将来的に再びバイクに乗る場合、任意保険は原則としてもう一度6等級からスタートとなってしまう。ただし、「中断」という制度を使うことで、解約前の等級を引き継げるという手があるのだ。
これは、任意保険の解約時にあわせ、「中断証明書」の発行手続きを行うことで可能となる。たとえば、解約時点で15等級の人であれば、中断証明書を持っていれば最長10年間は15等級をキープできるのだ。

この制度を使えば、再度バイクに乗る場合、6等級からのスタートとならないため、保険料の割引率が大きくなり負担を抑えられる可能性も高い。なお、この制度は、バイクを手放す場合だけでなく、例えば転勤・留学などで海外に長期滞在するなどの理由で任意保険を解約する場合にも使うことが可能だ。
ただし中断証明書を発行できる期間に、制限がある場合もある。たとえば、解約日または満期日から13か月以内でないと申請できないといった感じだ。これも保険会社によって違ってくるので、詳しくは同じく契約している保険会社に確認しよう。
ともあれ、一旦はバイクに乗らなくなるが、10年以内にもう一度バイクに乗る可能性があるのであれば、念のため中断証明書を取っておくことも検討した方がいいのは確かだ。
保険会社の乗り換える際は満期日がおすすめ
バイクを手放すわけではなく、「加入している任意保険の会社だけを途中で変更したい」という場合にも注意点がある。
任意保険の等級は、1年間無事故で契約を継続することで翌年に1等級上がる仕組みだ。しかし、年度の途中で解約して別の保険会社へ乗り換えると、新しい契約の開始日から改めて1年間経過しなければ等級が上がらないことになっている。
【例(2026年6月1日契約開始の場合)】
満期(翌2027年6月1日)まで継続すれば15等級から16等級へ上がるはずが、途中の2027年3月1日に解約して他社へ切り替えると、乗り換えた日から1年間(2028年3月1日まで)15等級のままとなってしまう。
途中解約による乗り換えは結果的に割引を受けるタイミングが遅れ、保険料面で損をする可能性がある。そのため、現在の契約が「満期日」を迎えるタイミングで切り替える方がおすすめだ。
自賠責保険は11月から値上げ!
ちなみに、自賠責保険の保険料は、2026年11月1日から全車種平均6.2%の値上げとなる。約13年ぶりの引き上げだ。バイクの場合、新保険料の例は以下の通りだ(いずれも離島や沖縄を除く)。
【小型二輪(250cc超)】
12か月(1年)契約:7730円(+720円)
24か月(2年)契約:9640円(+880円)
36か月(3年)契約:1万1510円(+1020円)
【軽二輪(125cc超〜250cc以下)】
12か月(1年)契約:7800円(+700円)
24か月(2年)契約:9780円(+860円)
36か月(3年)契約:1万1700円(+990円)
【原動機付自転車(125cc以下)】
12か月(1年)契約:7700円(+820円)
24か月(2年)契約:9630円(+1070円)
36か月(3年)契約:1万1480円(+1310円)
【特定小型原付(電動キックボードなど)】
12か月(1年)契約:7430円(+780円)
24か月(2年)契約:9040円(+1000円)
36か月(3年)契約:1万610円(+1210円)
( )内は改定前の現行保険料からの引き上げ額。とくに、小型二輪(250cc超)の場合、新車で購入した際に加入する3年契約が1020円の増加。値上げ幅が比較的大きくなっている。また、原付(125cc以下)や特定小型原付でも、2年契約や3年契約の増加幅が1000円を超えており、こちらも大きめの値上げ幅となっている。
いずれにしろ、自賠責保険については、保険料が上がることは間違いない。もし売却などで自賠責保険を一度解約し、再び別のバイクを乗るために再契約する場合、10月中と11月に入ってからでは保険料が変わるため、注意が必要となる。

このように、意外と細かい点まで注意したいのがバイク保険の解約だ。とくに任意保険では、解約する際の等級などにも気を配らないと、思わぬ損を招くケースもある。十分に気をつけよう!

