Q. 朝晩が涼しくなってきたけど、タイヤの空気圧はそのままで大丈夫?
投稿者:愛知県/バイク通勤は財布にも心にも優しいさん
結論から言うと、季節の変わり目には一度チェックしておくべし。タイヤの中の空気は温度によって圧力が変化するので、気温が下がれば内圧も下がる方向に動く。さらにタイヤは正常でも少しずつ空気が抜けていくから、「夏に合わせたからまだ大丈夫」と思っていると、秋には意外と数字が変わっていることがあるんだ。
どのくらい変わるのかというと、一般的な目安では外気温が約5.6℃下がるとタイヤ空気圧は約6.9kPa下がるとされている。単純計算なら、気温25℃のとき250kPaだったタイヤが、15℃まで下がれば約238kPa前後になるイメージだ。
しかも、それだけではない。タイヤメーカーのブリヂストンによると、モーターサイクル用タイヤは静止状態でも1か月に10〜20kPa程度、内圧が下がる可能性があるという。つまり夏から秋へ気温が下がり、その間しばらく点検していなければ、気温変化+自然な内圧低下が重なっている可能性もあるわけだ。
「なんとなくハンドルが重い」「押し歩きが重い」と感じたとき(徐々にだから感じずらいけど)、原因がすべて空気圧とは限らないが、まずチェックしてみる価値は十分にある。
何kPa入れる? 基準はタイヤじゃなく“車体指定値”
では、何kPaまで入れればいいのか。ここで基準になるのはタイヤ側面の数値ではなく、メーカーが指定している空気圧だ。
多くのバイクでは、車体に貼られたデカールや取扱説明書で指定値を確認できる。ミッション車ならスイングアーム周辺、スクーターならシート下などに表示されていることが多い。

ミッション車ではスイングアーム周辺に指定空気圧のデカールが貼られていることが多い。まずは自分のバイクの指定値を確認しておきたい。画像はヤマハ・ブロンコ。

スクーターではシート下に表示されていることも多い。1名乗車と2名乗車で指定値が異なる車種もあるので、数字まで確認を。画像はヤマハ・BW’S125。
ちなみに、最近の車両表示ではkPa表記が一般的だけど、古いエアゲージや車両ではkgf/cm²表記も見かける。目安として100kPa≒1.0kgf/cm²、150kPa≒1.5kgf/cm²、200kPa≒2.0kgf/cm²と覚えておけば十分(厳密には1kgf/cm²=約98.1kPa)。筆者が長年愛用しているエアゲージもkgf/cm²表示なので、車体側のkPa表記を見ながら換算して使っている。
そして見落としたくないのが、1名乗車と2名乗車で指定空気圧が変わること。タンデムはもちろん、荷物を多く積んでツーリングへ行く人も、出発前に指定値を確認しておきたい。
空気圧は“走る前”に測る。だから自分用ゲージがあると便利
空気圧は“冷間時”に測るのが基本。冷間時とは、タイヤが走行による熱を持っていない状態のこと。目安としては、走る前、または走行後なら十分に時間を置いてタイヤが冷えた状態だ。走行するとタイヤが発熱し、中の空気も温まって内圧が上がるため、そのまま測ると本来の指定値と比較しにくくなるからだ。
つまり、ガソリンスタンドまで何kmも走ってから測るより、出発前に自宅でチェックできれば分かりやすい。そこで筆者が使っているのが、このエアゲージだ。

筆者が30年以上愛用しているエアゲージ。自宅でサッと測れるので、出発前の冷間時チェックにも便利。使い慣れた道具が1本あると、点検のハードルもグッと下がる。とはいえ古くて不安なので、ときどき他のエアゲージとの計測値の違いを確認している(いまのところ使えています)。
高価なものじゃなくても、「自分のゲージ」をひとつ持っておくメリットは大きい。空気圧を確認するたびにショップへ行く必要がないし、同じゲージを継続して使えば、「前回より減っている」といった変化にも気付きやすい。
そして、短期間で何度も指定値を下回るなら、「秋だから」で片付けないこと。エアバルブの劣化やリムのサビや変形などによって、空気が漏れる可能性だってある。空気の減り方がおかしいなら他の要因も疑いたい。
1本持っておくなら、こんな小型エアゲージが使いやすいかも


デイトナ 小型エアゲージ(首振り)
「自分用のエアゲージが欲しい」という人に参考になるのが、デイトナの「小型エアゲージ・首振り(2750円)」。商品番号64045で、測定範囲は0〜400kPa。メーターパネルはφ50とコンパクトで、工具箱の中でもかさばりにくく、ツーリング時にも収納しやすい。注目したいのが“首振り”タイプであること。バイクはホイール形状やブレーキディスク、スポークなどによってエアバルブへゲージを当てにくいことがあるので、こうした角度調整できるタイプは使いやすい。また、測定後に針がその位置で止まるため、バルブから外してから数値を確認できる。リリースバルブも備えているので、入れすぎた空気を微調整するときにも便利。
エアゲージを買ったから速くなるわけじゃない。でも、工具箱に1本あるだけで空気圧を見る回数は確実に増やしやすい。タイヤは路面と接している数少ないパーツだけに、こういう地味な道具ほど持っていて損はないんです。
POINT
・気温が下がればタイヤの内圧も下がる方向に変化する
・測定はタイヤが冷えている状態が基本
・短期間で何度も減るならパンクやバルブ、リムなども確認する
※指定空気圧や点検方法は車種・タイヤによって異なります。車体表示、取扱説明書、タイヤメーカーの案内を確認してください。
【モトチャンプ編集部】
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