お便り ゼブラゾーンの上は走ると違反なの?

投稿者:兵庫県/尼の白カブ

交差点の手前や右折レーン付近でよく見かける、白い縞模様を白い枠線で囲んだ道路標示。一般的にはゼブラゾーンと呼ばれることが多いけれど、正式には導流帯と呼ばれるものだ。

導流帯は、車両が安全かつ円滑に走行できるよう、進むべき流れを分かりやすく誘導するために設けられている。つまり「ここを走れ!」という場所ではなく、「こっちの流れで走ると分かりやすいよ」と案内しているような道路標示なのである。

今回の質問は、このゼブラゾーンの上を走っていいのか、というもの。たしかに、渋滞している直進レーンから右折レーンに入りたいときなど、ゼブラゾーンをショートカットしたくなる場面はある。果たして違反に問われるのかどうか。いつものように警視庁交通相談に聞いてみました。

答えを先に言うと、ゼブラゾーンは道路交通法第17条で定められる「立入禁止部分」や「安全地帯」ではないため、走行しただけでただちに違反になるわけではない。ここ、意外と勘違いしている人が多いポイントだと思う。

ただし、だからといって「じゃあガンガン走ってOK!」という話ではない。導流帯はあくまで車両を誘導するための標示であって、走行する前提の場所ではないからだ。とくにバイクの場合、クルマ以上に注意したい理由がある。それが、白線の滑りやすさだ。最近はガラス粉末を混ぜた塗料を使うなど、滑りにくくする工夫も進んでいるが、古い塗装のままの場所では、雨の日に縞模様の上が滑りやすくなることがある。バイクは二輪でバランスを取って走る乗り物。右折レーンに入ろうとして車体を少し傾けたタイミングでズルッといけば、転倒の原因にもなりかねない。さらに、ゼブラゾーン周辺ではクルマの動きにも注意が必要だ。たとえば、ゼブラゾーンを直進して右折レーンへ入ろうとする車両と、ゼブラゾーンに沿って正規の流れで右折レーンへ入る車両が交差するような形になることがある。朝の通勤渋滞時など、一車身でも前に進もうとして視野が狭くなっていると、周囲の動きが見えにくくなりがちだ。

つまり、ゼブラゾーンを直進していく場合は、ゼブラゾーンに沿って右折レーンへ入ってくる車両に要注意。逆に、ゼブラゾーンに沿って走る場合でも、後ろからゼブラゾーン上を直進してくる車両がいないか、きちんと確認しておきたい。

ここで大事なのは、法律上の「違反かどうか」と、実際に「安全かどうか」は別の話だということ。違反ではないからといって、いつでも走って良いわけではない。ゼブラゾーンは道路の流れを整理するための標示で、周囲の車両も「基本的にはその上を走らないもの」と見ていることが多い。そこをバイクがスッと抜けてくると、クルマ側から見落とされる可能性もある。

まとめると、ゼブラゾーンの上を走っただけで違反になるわけではない。ただし、走行する前提の場所ではなく、雨の日は白線が滑りやすいこともあるし、右折レーン付近ではクルマ同士・バイクとの動きが重なって事故につながることもある。だからこそ、積極的に走るのはオススメしない。

違反ではない。でも、安全のためにはできるだけ避ける。これがゼブラゾーンとの正しい付き合い方だ。どうしても通る場合は、速度を落とし、車体を寝かせすぎず、周囲の車両の動きまでしっかり見ておきたい。

まとめ

●違反ではないが、走行するときは注意しよう!

※この記事は月刊モトチャンプ2022年2月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】