RANGE ROVER EVOQUE
「フリーランダー2」から一転、都会的なSUVに

初代「レンジローバー イヴォーク」は、「フリーランダー2」のプラットフォームをベースとしたとは思えないほど斬新なエクステリアを持っている。あくまで個人的感想に過ぎないが、筆者にとっては、SUV/クロスオーバー系モデルでは「いすゞ ビークロス」以来の衝撃を受けた。2016年9月にはコンバーチブルまで追加されている。なお、3ドアモデルとコンバーチブルモデルは初代のみで、2代目は5ドアのみになっている。

登場後、何度かイヴォークの反響について正規販売店で取材をする機会を得たが、これまで一度もランドローバー、レンジローバーの店舗を訪れたことがない人も来店するようになったという説明が印象的だった。初代は全長4355×1900×1635mmと(ややワイドだが)コンパクトサイズなので初めての輸入車として選ばれることもあったようだ。
初代は流通量が減少気味だが、価格はこなれている

そんな初代も2012年3月発売なので、デビューからすでに14年以上が経過している。2026年9月末時点の中古車流通量は、100〜130台程度で推移している。平均価格(相場)は、170万〜180万円前後とかなり値頃感も強い。年式別では2013年式が最も多く、2014〜2018年式まではほぼ均等に流通している。走行距離別では、5万〜7万kmがトップで7万〜9万km、3万〜4万kmと続いている。初代でも3〜4万km程度の物件もそれなりに探せるだろう。
初期型の狙い目のグレード

イヴォークらしくデザインを重視するのなら狙い目は、「Dynamic」、「HSE Dynamic(2015年9月のマイナーチェンジを機にHSE Dynamicに変更)」だ。初代のコンセプトカーそのままの先進的な世界観を最も色濃く表現している最上位スポーティグレード。専用のエアロ系ボディとエキゾーストを備えた外観をはじめ、スポーティで豪華なバケット風シート、磁性流体ダンパーを使った「MagneRide(マグネライド)」による走りも享受できる。

コスパ重視なら中古車流通量が多い、初期型の「Pure」を狙ってもいいだろう。クーペライクのシルエットは同グレードでも存分に堪能でき、120万〜150万円程度でも手に入る。パノラマルーフ(オプション装着車はのぞく)、アダプティブダンパーなど、壊れると高額な装備も比較的少ない。
注意点は初期型(2015年式くらいまで)の9速ATで、変速ショックや制御エラーなどが報告されている。ECUアップデートなどで改善している例もあるようだが要注意だろう。また、磁性流体ダンパー「MagneRide」のトラブルは高額修理に直結するだけに状態の把握は不可欠だ。そのほかエンジン冷却系、オイル漏れ、電装系やインテリアのベタつきなどの定番もあり得る。
2代目の進化のポイント

安心して乗りたいのなら当然ながら2019年6月に発売された2代目だ。鋭さを増したものの、デザイン面では間違いなくキープコンセプト。ただしプラットフォームは電動化も見据えた「PTA(プレミアム・トランスバース・アーキテクチャ)」に刷新され、ボディサイズは全長4380×全幅1905×全高1650mmと初代よりもやや大きくなっている。

パワートレインは、初代末期に投入された自社開発エンジン「INGENIUM(インジニウム)」の2.0リッター直列4気筒のガソリンターボ、ディーゼルターボを軸に、48VマイルドハイブリッドやPHEVが投入されている。後期には1.5リッター直列3気筒ガソリンターボにリヤモーターを組み合わせたPHEVを追加している。インジニウムのガソリンは、200PS/249PS/300PS(MHEV)、ディーゼルエンジンも150PS/180PS/240PSとかなり多彩だ。

装備面では、「テレインレスポンス2」の標準化をはじめ、デュアルタッチスクリーンの「Touch Pro Duo」、フルデジタルメーター、デジタルミラーである「ClearSight リヤビューミラー」、ボンネットが透けて見える「ClearSight グラウンドビュー(シースルー・ボンネット)」など、一気に先進性を増している。
2代目の中古車流通量と平均価格帯

2026年9月末現在、中古車流通量は240〜260台程度。平均価格(相場)は、500万〜510万円程度で推移している。年式別で最も多いのは2025年式で、600万円超で低走行距離の物件が大半を占めている。平均価格を押し上げているのは、こうした低走行距離車、登録未使用車などだ。なお2025年3月発売時の新車価格帯は、661万〜916万円、2026年1月時点は、699万〜799万円だった。
一方で、2019年式、2020年式の初期型で400万円以下の個体も多く、初期型と後期型(低走行距離物件)の二極化という傾向にある。

もしも400万円前後で狙うなら、大本命は初期型の「R-Dynamic SE(ディーゼルD180/ガソリンP250)」だ。初代「Dynamic」の系譜を受け継ぐグレードは、流通量が多く、専用フロントバンパーやフロントバンパーの銅色(ブロンズ/グラファイト)アクセントや専用エアインテーク、ダーク仕上げのエンブレム・グリルが装着され、ノーマル系よりも圧倒的にワイド&スポーティな存在感を放っている。
現行型の高年式を狙う手も

逆に、満足度を十全に満たすべく、2023〜2025年式の後期モデルを狙うなら、完成形といえる「R-Dynamic HSE」を狙いたい。価格帯のボリュームゾーンは、520万〜600万円前後になるが、「SE」以下の標準レザーシートとは質感が異なり、しなやかで上質な「ウィンザーレザー」を用意。
14ウェイ電動調整機能も備わり、長距離運転でも疲れを誘いにくい。「Meridianサラウンドサウンドシステム」など音響面でも妥協はない。電子制御可変ダンパーの「アダプティブ・ダイナミクス」や先述した「ClearSight」系装備も用意されている。価格はそれなりに張るが、先述したように走行距離が少ない個体が大半。ほかのSUVやクロスオーバーモデルとはひと味違った内外装を重視し、個性も主張するのなら、今こそ面白い選択肢といえるかもしれない。

