使い込んだ車体の“ヤレ”をカスタムの武器に

使い込まれたスーパーカブ70をベースに、ラット塗装やステンシルで独自の世界観を演出。エンジンはノーマルのまま、その年季もスタイルの一部として生かしている。

あまり多くのパーツを追加せず、ポイントを押さえたカスタムによって大胆なイメージチェンジを果たしたスーパーカブ70。ベース車が持っていた使い込まれた雰囲気を消してしまうのではなく、それをカスタムの個性として生かしているのが最大の特徴だ。

エンジンはノーマルのまま。年季を感じさせるエンジン周りも含めて車体全体のイメージを作り込み、ボディには程良く汚れ感を表現したラット塗装を施している。さらにサイドボディへステンシルを加えるなど、ミリタリー感を高めるディテールも投入。単純に古びて見せるのではなく、狙って作り込まれた“ヤレ感”がこのカブの持ち味となっている。

一方、前後の純正リムやヘッドライトなどにはマットブラックを採用。淡いボディカラーとブラックのパーツを組み合わせることで全体を引き締め、ラットスタイルながら散漫に見せないカラーバランスもポイントだ。

定番加工を組み合わせてスクランブラーらしい姿へ

車体側で大きく手が加えられているのは、サブフレームの追加とリヤフェンダーのカット。どちらもカブカスタムでは知られた手法だが、この車両ではミリタリー&スクランブラーという明確な方向性に合わせて取り入れられている。

フロントにはベーツタイプのヘッドライトを装着し、こちらもマットブラックで統一。さらに実用性を考えてLEDアシストランプを追加している。見た目だけに振り切るのではなく、通勤にも使用する車両として必要な機能を残しているところも面白い。

リヤフェンダーはすべて取り払うのではなく、実用性を残した長さでカット。カットしたことで間延びして見える部分には、100均で手に入れた化粧プレートを利用してアクセントを追加し、さらにペイントを施して車体へなじませた。高価な専用品に頼らず、アイデアと手間で完成度を高めている。

絶版アップマフラーからレザーバッグまで世界観を統一

スクランブラーらしい雰囲気を強く印象づけるのが、車体右側を駆け上がるSP武川製のアップマフラー。取材時点ですでに絶版となっていたアイテムで、車体のラフな雰囲気とも好相性だ。リヤショックにはYSS製を装着し、乗り心地にも配慮している。

フロントキャリアにはレザーバッグをセット。ここでも新品をそのまま装着するのではなく、あえてダメージ加工を施して車体のヤレた雰囲気とコーディネートしている。ボディだけを古びた姿にするのではなく、後から加えたパーツまで同じ世界観に合わせているからこそ、全体に統一感が生まれているのだ。

派手な高額パーツを大量投入するのではなく、塗装や加工、身近な素材を駆使して自分のイメージへ近づけていく。使い込まれたスーパーカブ70だからこその味を生かした、アイデア勝負のミリタリースクランブラーだ。

撮影したのはこのEVENT!

「奈良カブミーティングVol.11」
■日時:2021年11月14日(日)
■開催地:唐子・鑓遺跡史跡公園(奈良県)

こちらの車両は日本一参加者が集うカブイベント「奈良カブミーティング」で撮影されたもの。詳細はこちらのSNS(奈良カブ)をチェック!


【モトチャンプ】