最初のソアラを超える喜びは、まだない

中日ドラゴンズ、東北楽天ゴールデンイーグルスなどで長く活躍し、通算403本塁打。本塁打王に2度輝いた山﨑武司さんには、もうひとつの顔がある。野球界でも知られる、大のクルマ好きだ。フェラーリやランボルギーニを乗り継ぎ、野球引退後は自らレースにも参戦。それでも、クルマに夢中になったきっかけを尋ねると、話は幼い頃に戻った。

「お袋の買い物についていくと、毎回トミカを買ってくれたんです。それが欲しくて、いつも一緒に行っていましたね」。小学生になるとスーパーカーブームに夢中になり、ショッピングセンターの駐車場で開かれたイベントへ。憧れのカウンタックの助手席に乗ったとき、「大人になったら絶対に買う」と心に決めたという。プロ野球選手になって、いつか憧れのクルマを手に入れる。そんな夢も、少年時代から抱いていた。

プロ入り後、18歳で最初に買った愛車はトヨタ・ソアラの2.0GTツインターボ。寮にはクルマを持ち込めず、実家に置いていたが、手に入れたときのうれしさは今も鮮明だそう。

「納車されて一番うれしかったのは、最初のソアラ。あれ以上の喜びはないですね」

その後、数々のスーパーカーを所有してきた山﨑さんが、迷わず挙げた一台。クルマへの思いは、値段や性能だけでは測れないことが伝わってくる。

FJを見て「可愛い」。だから自分らしく仕上げたい

今回撮影したのは、そんな山﨑さんが現在所有する1台であるトヨタ・ランドクルーザーFJ。スーパーカーのイメージが強いだけに少し意外にも思えるが、これまでもランクルシリーズ(300系、70系)に乗り、小さなクルマにも親しんできた。FJを見たときには「可愛いな」と感じ、短くまとまったボディにも惹かれたそうだ。実は娘さんにも乗ってほしいと選んだ一台だという。

ただし、家族のためのクルマでも、ノーマルのままにはしておけない。「僕、ノーマルで乗るのが嫌なんですよ。人と違うことがしたいし、自分の個性を出したい」。これまで所有してきたクルマも、ほとんど何かしら手を加えてきたという。仕上がりを想像したら、実際に試さずにはいられない。思った通りにならなければ、また手を入れる。その繰り返しまで含めて、カスタムを楽しんでいる。

FJの足元に選んだのは、ウェッズアドベンチャーのMUD VANCE 08。サイズは18×8.5J、カラーはマットブロンズ。山﨑さんがウェッズのWebサイトを見て、自ら気に入ったデザインを選んだ。「色も気に入ってるんです。ゴールドっぽくて、ちょっとざらざらした感じがいいなと思って」。似たデザインの候補も見比べたうえで、現在履いている一本に決めたそうだ。

撮影したFJのボディは、淡いブルー系。山﨑さんも装着前は色の組み合わせがどう見えるか気になっていたというが、実際に履かせると「思いのほかマッチングが良かった」。マットブロンズのホイールが、個性的なボディカラーとFJの力強い造形をつないでいる。ホイール、そしてタイヤのサイズは純正と同じ18インチ。それでも足元を替えるだけで、クルマ全体の表情はしっかり変わった。

今後は足まわりにも少し興味があるようだが、現在のバランスにも満足している。「車高を上げても1インチくらい。もう、あれでいいと思います」。大きく姿を変えることだけがカスタムではない。自分が気になる部分を、自分の納得できる位置へ整えていく。その感覚が山﨑さんらしい。

ウェッズとの縁も、クルマとレースが結んだ

ウェッズとのつながりは、レーシングドライバーの脇阪寿一さんとの交流がきっかけだった。山﨑さん自身も野球引退後にモータースポーツへ取り組んでおり、以前からWedsSportの活動を知っていた。脇阪さんを通じて、デザインやサイズを豊富に揃えるウェッズを紹介してもらったという。

「一番は人とのつながりを大事にしたい」。そう話す一方、ホイール選びにはレースを経験した人ならではの視点もある。走りを追求するスポーツカーでは、ホイールの軽さや強さが大切。山﨑さんもレースを始めてから、バネ下の重さが走りに与える影響を強く意識するようになった。「カッコよくても重かったら、クルマの性能に影響しますからね」。信頼できるものを履きたいという思いがある。

そのうえでFJには、愛車の姿を見て「これがいい」と思えるMUD VANCE 08を選んだ。性能を見る目も、見た目への直感も、クルマを楽しむうえでは欠かせない。18歳でソアラを手に入れたときから続く「自分の好きな一台に乗りたい」という気持ちは、今も変わっていないようだ。

そして、その情熱が注がれたもう一台が、今回FJと一緒に撮影したスーパーワン。コンパクトな電気自動車を山﨑さんはどう楽しみ、どんなホイールを選んだのか。次回はスーパーワンに迫る。

ゴツゴツとしたブロックパターンが、FJの足元にオフロードらしい力強さをアピールするグラントレック R/Tタイヤ。サイドウォールのホワイトレターもアクセントとなり、マットブロンズのホイールをいっそう引き立てている。

PHOTO:浦野浩之