見た目だけでは終わらせない!

風洞実験で導き出すRZ34エアロの理想形

東京オートサロン2027に向け、KUHL JAPANが進めている「オール日産プロジェクト」。メインブースに並ぶ約10台を日産車で統一するという大規模な計画で、中でも中心的な存在となるのが、マイナーチェンジ後のRZ34フェアレディZだ。

今回のRZ34では、R35GT-RやRZ34の開発を指揮してきた日産自動車ブランドアンバサダーの田村宏志さんがエアロ開発を監修。田村さんの知見と、エアロのデザイン性を重視するKUHL JAPAN代表・片岡孝裕さんの意見を融合させながら、新たなスタイルを作り上げていく。

当然ながら、田村さんが監修する以上、スタイリングだけではなく、空力特性も田村さんが考える方向性を実現できなければNG。そこで今回は、ムーンクラフトが所有するムービングベルト式の風洞設備へRZ34の1/5スケールモデルを持ち込み、その空力特性を徹底検証することになった。

そもそも田村さんがストリートカーに求める空力特性とは、「高速域でリヤが浮き上がらず、アクセルをオフにしてもスピンしないクルマ」。一般ユーザーが安心して走るために大切な部分であり、絶対的な速さを追求するレーシングドライバーがサーキットで求める空力特性とは、少し異なる方向性になるという。

今回の風洞テストに向け、KUHLでは自社エアロ工場で1/5スケールのRZ34ベースモデルをケミカルウッドから削り出して製作。ボディ底面も可能な限り実車に忠実な形状とし、マフラーの取り回しはもちろん、エアロを固定するビスの位置まで製品版と同様に再現するという徹底ぶりだ。

さらに、新作エアロについては3Dプリンターを使って精密に製作。これらを脱着しながら仕様を変更し、フロントとリヤに掛かる荷重、そして空気抵抗を計測することで、それぞれのエアロパーツが空力特性にどのような変化をもたらすのかを探っていった。

使用したムービングベルト式風洞では、地面を模したベルトを回転させ、それに合わせてタイヤも回転させながらモデルへ風を当てる。今回想定した速度域は約100km/h。タイヤの回転による空気抵抗や走行風の乱れまで再現できるのが大きな特徴だ。

テストしたステージ1は、フロントアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、リヤアンダースポイラー、リヤセンターディフューザー、リヤダックテールウイングを装着した仕様。ステージ2では、そこへ2重で装着するリヤスーパーローマウントダックテールウイングを追加し、ステージ3では、さらにカナードとオーバーフェンダーを装着する。

実際のテストでは、この3仕様だけでなく、ステージ2にカナードのみを追加した仕様など、さまざまな組み合わせを用意。モデルを風洞設備から取り外してエアロを交換し、再び計測するという作業を朝から夕方まで繰り返した。

その結果、KUHLエアロ未装着の状態に対し、ステージ1、さらにステージ2へとステップアップするにつれて、アップフォースは減少する方向へ変化。ステージ2ではフロントにわずかなアップフォースが残るものの、リヤにはわずかながらダウンフォースが発生し、田村さんが理想とする空力特性に近い傾向を示した。

しかも、その状態で空気抵抗はノーマルとほぼ変わらないという結果に。田村さんからも「かなり理想に近いよ!」というお墨付きを得ることができた。

一方、オーバーフェンダーとカナードまで装着したステージ3では、フロントにもダウンフォースが発生したものの、空気抵抗はやや増加。これはオーバーフェンダーによって前面投影面積が増えた影響によるものだ。

ただし、ステージ3は、太いタイヤを限界まで外側へセットしてコーナリングスピードを稼ぎたいユーザーや、迫力あるスタイリングを重視したいユーザーに向けた仕様。そうしたキャラクターを考えれば、現状のデザインでも十分な空力性能を備えていると判断された。

ちなみに、オーバーフェンダー前後に装着される垂直な板状のパーツもカナードとして機能する。走行風が後方で渦を作らないように整流することで、この形状でもダウンフォースを発生させるという。デザイン段階から田村さんが空力的にNGとなるポイントを片岡さんへ徹底して指摘してきたことも、今回、狙い通りの結果につながったようだ。

こうしてKUHLらしい大胆なデザインを保ちながら、風洞実験によって空力性能まで確認された、マイナーチェンジ後RZ34用の新作エアロ。田村さんからも空力面でOKが出たことで、東京オートサロン2027での完成車披露に向けて、「オール日産プロジェクト」は大きく一歩前進したのだ。

●問い合わせ:クールジャパン TEL:052-693-9893

「日産ブランドアンバサダーとKUHLがタッグを結成!?」東京オートサロンで披露する日産カスタムの新境地に迫る

東京オートサロン2027に向け、約10台の日産車を一堂に集める「オール日産プロジェクト」を始動したKUHL。その目玉となるRZ34フェアレディZと新型エルグランドのエアロ開発に、“ミスターGT-R”こと田村宏志氏が加わった。KUHL流のデザインと本格的な空力技術を融合させる狙いを、片岡孝裕代表とのスペシャル対談から紐解いていく。

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https://kuhl-japan.com/