JAGUAR TYPE 01
最大1030PS、0–100km/h加速は3.2秒

「ジャガー Type 01」はJLRがジャガーブランドを電気自動車専業として展開する戦略を具現したモデルである。Type 01の基盤となるのは、ジャガー専用のEVアーキテクチャー「JEA(Jaguar Electric Architecture)」で、850Vの電気システムと、使用可能容量118kWhのバッテリーを採用する。最高出力1030PS、最大トルク1365Nmで0–100km/h加速3.2秒を実現する。同社は「技術、出力、空力性能のすべてにおいて、歴代ジャガーの最高水準に達する」と主張している。
1充電当たりの航続距離は、米国EPA基準で最大400マイル(約640km)を見込む。ただし、これは認証取得前のメーカー推定値であり、実際の航続距離は運転の仕方や気象条件、積載量、装着するホイール、バッテリーの状態などによって変わる。また、120km/h巡行では、最大320マイル(約515km)を見込んでいる。
350kWのDC急速充電を利用した場合、最短13分で200マイル(約320km)分の走行可能距離を追加できるとしている。充電時間はバッテリーの経年劣化や温度、充電開始時の残量、使用する充電設備などによって異なるが、長距離移動の途中で必要となる充電時間の短縮も図った。
英国3拠点で車両と主要部品を生産

Type 01は英国で設計・開発され、生産は英国中部、バーミンガム近郊のソリハル(Solihull)にあるJLRの拠点で行う。電動ドライブユニット(EDU)とバッテリーパックはウルヴァーハンプトン(Wolverhampton)、ボディーパネルのプレス成型は英国北西部、リヴァプール近郊のヘイルウッド(Halewood)で行われる計画だ。英国中部のミッドランズ地方から北西部まで、複数の拠点が新型ジャガーの生産を担う。生産ラインの整備はすでに進んでおり、2027年に生産を開始する予定である。
JLRは、5年間で150億〜180億ポンドを投じる計画を2024年に発表。それ以降、次世代モデルの設計・開発・生産に115億ポンドを投資し、その大部分を英国で支出したという。Type 01の生産準備も、こうした国内の開発・製造基盤への投資の一環となる。
EV生産に向け、1万人の従業員を再教育

次世代車両の生産に向けた取り組みは、設備だけでなく人材育成にも及ぶ。ソリハルでは約9000人の従業員がEV生産のための再教育を受け、ウェストミッドランズにあるその他の拠点でも1500人が研修を受けたという。
JLRは、ジャガーの生産が英国の自動車サプライチェーンに属する数千の企業を支えるとしている。JLRによると、ウェストミッドランズでは、同社のサプライヤーネットワーク全体が約6万人の雇用を支えている。今回の投資は、英国の産業基盤の長期的な維持にもつながる取り組みといえる。
JLR全体では多様なパワートレインを維持

Type 01の発表は、JLRが2021年に示したジャガーの戦略において大きな節目となる。レンジローバー、ディフェンダー、ディスカバリーと並ぶブランドの中で、ジャガーは電気自動車に特化し、独自の高級車セグメントへの展開を担う。
一方、JLR全体ではエンジン搭載モデル、ハイブリッド車、バッテリーEVを組み合わせ、顧客や市場の需要に対応する方針だ。ブランドごとに異なる顧客層を開拓すること、パワートレインの選択肢を柔軟に保つこと、北米を重点成長市場とすることを柱に、今後5年間で2桁成長を目指すとしている。
Type 01は2027年初めに受注を開始し、同年中に英国で生産を始める予定だ。電動GTとしての性能と、13万ポンドからという価格設定を掲げ、ジャガーの新たな市場開拓を担うことになる。
