McLaren Priceless Lounge and Paddock Club
別世界での観戦体験へ

近年のF1ブームには驚かされるばかりである。きっかけはネットフリックスで配信されたドキュメンタリー番組『Formula1:栄光のグランプリ』と聞くが、ともあれこれまでサーキットに足を踏み入れたこともなさそうな、キラキラした若者たちが大挙して鈴鹿サーキットを訪れているのを見ると、50代男性は1980〜90年代のセナ・プロ時代を思い出してしまう。
縁あって今年の鈴鹿サーキットで開催されるF1日本グランプリを堪能することになった。これまでも、「練習走行だけ」とか「予選だけ」とか「サポートレースだけ」とか、取材でF1を訪れる機会はあったが、今回はなんとマクラーレン・パドッククラブの体験取材だ。今年の入場者数は31.5万人を数える凄まじい混雑だったが、それとは別世界での観戦体験である。
セレブが闊歩する社交場

パドッククラブとは、ピット上のホスピタリティラウンジでビュッフェを楽しんだり、ワインをくるくるしながら観戦するというものである。聞けば3日間のクラブチケットはヤリスクロスのいいグレードが買えるくらいの金額で、F1に参戦するチームは大概スポンサーや熱狂的なファンを招くためにこういったホスピタリティを用意しているという。実際ピット上の2階通路はセレブが闊歩する社交場と化していた。
金曜から日曜の決勝まで、可能な限りクラブ内をウロウロしたが、予選や練習走行の合間にピット見学ツアーが行われたり、昨年のチャンピオン、ランド・ノリス選手がラウンジを訪れたりと、至れり尽くせりの度合いが凄まじい。F1ドライバーとの距離感の近さに怯んだりもしたが、これなら金額はいくらでも、というファンが訪れても不思議ではないだろう。ラウンジにも若者が多く、世界はどんな風に回っているのか色々妄想が膨らんでしまった。
プライスレスの世界

正直に言えば、併催されるサポートレースの取材もあり、初めてのパドッククラブ体験を心底楽しめたとは言えないが、それでも世界最高峰のモータースポーツのホスピタリティの頂点を謳うだけのことはある。宝くじに当たったらぜひ再訪したい。
レースで優勝したのは、ポールポジションからスタートしたメルセデスのキミ・アントネッリ選手。なんと19歳だそうで、ここでも世代交代は確実に進んでいると実感したパドッククラブ体験取材であった。
REPORT/吉岡卓朗(YOSHIOKA Takuro)
PHOTO/McLaren Automotive
MAGAZINE/GENROQ 2026年6月号
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