人気の要素を入れ込んで今の時代に丁度良い定番に

2025年6月に約10年ぶりのフルモデルチェンジを受けて7代目となったムーヴ。本来は23年に登場する予定だったが、ダイハツの認証不正問題の影響で2年遅れての登場となった。
エクステリア




ダイハツにとってムーヴは基幹モデルと言えるほど大切な存在だが、近年ではスーパーハイトワゴンに押されて、ハイトワゴンの人気は下降気味。それを受けて7代目ではリヤドアをヒンジ式からスライド式にあらためた。ムーヴキャンバスで成功を収め、さらには軽自動車全体のスライドドア比率が約6割という現状をみれば当然の決断だろう。ムーヴは4代目から取り入れたワンモーションフォルムがデザインのアイデンティティとなっており、フロントウインドウとAピラーの角度は寝かせ気味。その結果、ルーフは必然的に低くなるが、それとスライドドアの組み合わせを成立させるのは難しかったと言う。開口部を広くとって乗降性を良くするために、Aピラーにサブピラーを付けることで折り合いをつけたそうだ。
乗降性


ドライバーズシートに腰掛けてみるとフロントウインドウが寝ているために垂直方向の視界が開けていて開放感がある。ヒップポイントは基本的に低めだが、ハイトアジャスターで高めにしても上方の信号が見えにくいなどの問題は生じない。従来のノーマルとカスタムのふたつのバリエーション構成は廃止され、ターボの「RS」と、NAの「G」、「X」、「L」という4グレード展開となったのもトピックスだ。ギラギラとした顔つきのブームが去ったのがカスタム廃止の理由で、強面過ぎず可愛過ぎずの、今どきのちょうどいいデザインに落ち着いている。
インストルメントパネル

エンジンはNAとターボを設定。もちろん後者の方がパワフルだが前者でも満足度は高い。新たに採用されたDNGAプラットフォームが軽量設計なことが効いているのだろう。スーパーハイトワゴンのタントは、NAだと物足りないがムーヴならばバランスがいいのだ。これなら高速道路でももどかしい思いをすることは少ないだろう。とはいえ、ターボに乗ればそれはれで魅力的だ。トルクが太くなり、さらに幅広い変速比をもつD-CVTの恩恵もあって、アップダウンの多いワインディングロードでも軽快に走ることができる。
乗降性


シャシーは快適な乗り心地としっかりとした安定性が見事にバランスしている。従来のムーヴは街乗り専用に割り切ったソフトな乗り心地で、高速域やコーナリング性能はあまり重要視していない印象があったが、それがあらためられたのだ。DMGAの効果は大きく、快適な乗り心地はそのままに、操縦安定性が向上している。サスペンションのストローク感が豊かでしなやかに動いていることが実感できる。さらに、比較的に低めのヒップポイントによって乗員がロールやピッチングの影響を受けにくいことによって動的質感が高く感じられるのもポイント。長時間走っても疲れは少ないだろう。
うれしい装備






フルモデルチェンジ発表 25年6月5日
月間販売台数 7942台(25年6月~11月平均)
WLTCモード燃費 22.6km/ℓ ※NAのFF車

ラゲッジルーム


スライドドアの採用が最大のトピックスである新型ムーヴだが、ドライバーズカーとしての進化も確か。新たな軽自動車のスタンダードになる可能性を感じさせるモデルだ。


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