使い切れるパワーが面白い!

AW11で戦い続ける理由

E80系カローラの横置きパワートレインや足回りを流用し、国産車初の量産リヤミッドシップ車として1984年に登場した初代MR2、AW11/10。主力モデルは4A-G搭載(AW11)のG/Gリミテッドで、1986年のマイナーチェンジではスーパーチャージャー仕様の4A-GZを載せたモデルも追加された。今回の取材車両がそれだ。

オーナーの武政さんはTE27でダートラ競技を始め、AE86に乗り替えるとジムカーナに転向。その後、AW11→SW20(Ⅱ型とⅢ型)→ZN6を乗り継ぎ、7年前に再びAW11へと“原点回帰”を果たした。

いわく、「中古車屋に並んでいた…というか放置されてて、部品取りにされてるような状態だったんです。それを引き上げ、スペックDでフルレストアしてもらったんですよ」。

車検が取れる状態に仕上がるまで丸3ヵ月。「費用も結構かかりました。ZN6を売ったお金では足りなかったくらいですからね」と武政さんが苦笑する。

これまでトヨタの後輪駆動車でダートラやジムカーナを戦ってきた武政さんが、かつての相棒だったAW11に戻ったのはある意味、当然と言える。その理由としては、「ボディが軽くてコンパクト。パワーがないから目一杯アクセルを踏んでいける」というところにあるようだ。

ナンバー付きながら、ジムカーナ参戦マシンでもあるAW11はレストアに留まらず、各部に走りのパフォーマンスを高めるモディファイも加えられる。

リヤミッドに搭載される4A-GZE。ルーツ式スーパーチャージャーの搭載によって、圧縮比はAW11前期4A-GEの9.4:1から8.0:1に落とされる。カタログスペックは145ps&19.0kgmとされ、グロス値とネット値の違いを差し引いてもAW11前期4A-GEに対して約25ps、4.5kgmアップを達成。最大トルクの発生回転数も5200rpmから4400rpmに低下し、中間域の加速性能を高めている。

マフラーは排気効率の向上を狙ってフジツボレガリスに交換。トラクション性能アップのため、デフにはTRD機械式が組まれる。

車高調は戸田レーシングのファイテックス。バネレートは現状フロント5kg/mm、リヤ8kg/mmだけど、「リヤはもう少しレートを上げてもいいかな」とスペックD代表の土居さんは言う。ブレーキはキャリパー、ローター共にノーマル。パッドのみ、ジムカーナやダートラで高い装着率を誇るウィンマックスitzz(イッツ)に交換される。

本来ノンアシストのステアリングはアルト用電動ユニットを流用することでパワステ化が図られる。それは、右に左にステアリングを切り返すジムカーナでは強力な武器になると同時に、ほぼ据え切りとなる車庫入れ時の操舵力軽減など日常ユースでもメリットをもたらす。

運転席はブリッドエクサスⅢスポーツCを装着。武政さんいわく、「ショルダーサポートが大きく張り出してるのは嫌いなので」とのこと。

武政さんがエントリーするのは、年間7戦で争われるJAF四国ジムカーナ選手権のR3クラス。B車両規定に則り、ナンバー付きでラジアルタイヤの使用が義務付けられる。一方で改造範囲は広く、NSXやS2000、Z32フェアレディZ、ケータハムスーパーセブン、アバルト124スパイダーなどバラエティに富んだ車種によって争われる。

その中でAW11は異色とも言える存在だけど、ジムカーナ歴がもう40年近くになる武政さんにとっては勝手を知り尽くし、乗り慣れた一台。自分の手足のように扱えるマシンで今シーズンも熱く戦っているのだ。

⚫︎取材協力:スペックD 高知県高知市一宮西町3-2-25 TEL:088-826-5001

「売れなかったのに愛され続ける理由…」生産4409台のAZ-1が今も“伝説”扱いされるワケ

バブル期に誕生した軽スポーツ『ABCトリオ』の“A”、AZ-1。ガルウイングとミッドシップを備えた尖ったパッケージングは、30年以上経った今も唯一無二だ。販売面では苦戦し、生産期間はわずか2年、総生産台数は4409台。しかし、その濃すぎる個性は色褪せるどころか、今なお熱烈なオーナーを惹きつけ続けている。

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