「同じヘルメットなんだから、工事現場用のドカヘル(安全帽)や自転車用ヘルメットでもいいんじゃない?」と思っているアナタ。それは大きな間違いです! バイクに乗る時は、『国内で使用できるバイク用ヘルメット』を被らなきゃダメ。日本の公道で使用できるヘルメットには、「PSCマーク」や「SGマーク」等のステッカーが貼付。バイク用ヘルメットに貼付された「安全規格」に関するステッカーの種類や意味をチェックしてみましょう。 REPORT:北秀昭(KITA Hideaki) 参考: アライヘルメット http://www.arai.co.jp/ SHOEI https://www.shoei.com/

バイク乗車時に「工事現場用のドカヘル(安全帽)」や「自転車用ヘルメット」はNG!下記ステッカーの有無を要チェック

▲工事用の安全帽。1000円前後とリーズナブルなものも揃うが、素材が薄く、バイク用としては心もとない。
▲自転車用ヘルメット。バイク用とくらべてはるかに軽い。

上記は工事用の安全帽と自転車用ヘルメット。でも、バイク乗車時(運転者はもちろん、同乗者も)は、これらの着用はNG。規定の強度や安全性をクリアした、下記のシールが貼付された“バイク専用のヘルメット”を被らなくてはいけません。 バイクの乗車用ヘルメットは、道路交通法により以下のように定められています。 【もしも違反した場合】 違反名:乗車用ヘルメット着用義務違反 違反点数:1点 反則金:なし 仮にヘルメットを被らないで、事故を起こすor事故に遭った場合、身体的にも金銭的にも、被害を被るのは、基本的に運転者のみ(他の車両や歩行者が被害を被る確率が極めて低い)。そのため、道交法では、反則金=なしと規定されているのだと思われます。

●道路交通法 第七十一条の四 1. 大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。 2. 原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで原動機付自転車を運転してはならない。 (3〜5.省略) 6. 第1項及び第2項の乗車用ヘルメットの基準は、内閣府令で定める。

●内閣府令(道路交通法施行規則第九条の五)乗車用ヘルメットの基準 1. 左右、上下の視野が十分とれること。 2. 風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。 3. 著しく聴力を損ねない構造であること。 4. 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。 5. 衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。 6. 重量が二キログラム以下であること。 7. 体を傷つけるおそれがある構造でないこと。

バイク乗車用ヘルメットは『消費生活用製品安全法』によって特定製品に指定。なので「PSCマーク」がないと販売は不可

市販の半キャップヘルメットに貼付された「PSCマーク」と「SGマーク」。

上記の「内閣府令(道路交通法施行規則第九条の五)乗車用ヘルメットの基準」を満たしていれば、バイクの乗車に使っていいのか? といえば、答えはNO。 その理由は、日本でバイクの乗車用ヘルメットは、『消費生活用製品安全法』によって特定製品に指定されているから。つまり…… 日本では、製造者や事業者が検査を行い、強度等の基準をクリアさせる必要があります。基準に合格すれば、「PSCマーク」が貼付されます。 国内のバイク乗車用ヘルメットには、「PSCマーク」を付けることが義務づけられています。「PSCマーク」のないヘルメットは、国産品・輸入品にかかわらず、国内ではバイク乗車用ヘルメットとして販売できません。 ヘルメットを購入する場合は、この「PSCマーク」を確かめることが、とっても重要です。

「SGマーク」とは、「PSCマーク」の“製造物賠償責任”を明示したもの

「SGマーク」は、製品安全協会が規定。『PSCの基準を満たし、PL法に基づく損害賠償保険が付保されている製品』という意味があり、「PSCマーク」とセットで貼付されているのが定番です。 両マークは、 ・PSCマーク=公的に安全性が認められた証 ・SGマーク=PSCマーク付きの製造物に関する賠償責任を明示 という関連性を持っています。

◆その他のマークをチェック!

国家規格の定番「JIS規格(日本工業規格)」

「JIS規格(日本工業規格)」とは、日本の工業標準化の促進を目的とする『工業標準化法』に基づき制定される国家規格。バイク用ヘルメットだけでなく、様々な製品の標準化に用いられています。 国内のバイク用ヘルメットの場合、「JIS規格」のマークは、一般的にヘルメットの内側に貼付されています。 バイク用ヘルメットには、「衝撃吸収性試験」「耐貫通性試験」「あごひも試験」「ロールオフ(回転離脱性)試験」などを実施して安全性を徹底している。 2017年4月、上記「PSCマーク」のPSC安全基準が改正。現行のJIS規格の基準と同等になり、すべてのヘルメットが、「JIS規格」レベルの安全性を要求されるようになりました。

最上級の国際規格「SNELL(スネル)規格」

国内では「JIS規格」と並び、広く知られている「SNELL(スネル)規格」。 「SNELL(スネル)規格」は、ヘルメットの安全性確保のために活動を行っている、アメリカの「スネル財団」という民間の試験機関によって定められている任意の規格で、国が定める強制規格(取得しなければ販売できない規格)ではありません。 「SNELL(スネル)規格」は、“世界で最も信頼できる、最上級の国際規格”として有名。衝撃吸収性試験では、他規格よりも高い位置からヘルメットを落下させるほか、「JIS規格」と同様に、同一ポイントに対して2回衝撃を加えるなど、比較的高いエネルギーに対して厳しい試験となっているのがポイントです。 この「SNELL(スネル)規格」の特徴は、「5年ごとに規格が見直され、その度に厳しくなる」という、他にはない制度を設けていること。 これは、「最大可能な防護こそ、望ましい最終的なゴールである」という前提の下、「テスト条件を設定する際にも、最もシビアな条件を採用する」というフィロソフィー(原理)に則ったもの。

国内のレース出場には必須ともいえる「MFJマーク」

サーキットでの競技者(レーサー)の安全に寄与する事を目的に、「財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)」が定めた、競技用ヘルメットの公認に関する規定。 MFJの公認レースに参加するには、それに適合していることを示す「MFJマーク(公認または特選)」が表示されたステッカーが貼り付けられたヘルメットを着用することが義務付けられています。 「公認」の安全基準は「JIS」に準拠しており、ロードレースに関しては、さらに「3kgの鋼製ストライカを300cmの高さから落下させ、ストライカ先端が人頭模型に接触してはならない」という内容が追加で課せられているのが特徴です。

正しい知識を得て、ヘルメットを選ぼう

一口に「バイク用ヘルメット」といっても、様々な規格や要件があり、目的や用途によっても、必要となる機能や性能に違いがあります。 しかしもっとも重要なのは、ライダー自身が安全のため、正しい知識を持って、自分に合った製品を選ぶことが大切。 正しいヘルメット選び=自分自身を守ることなのです。

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