ハイパースポーツセダン「S209」の登場から7年
ファンの声に応えるカタチでついにMT車を投入!!

2019年に北米市場で販売された「S209」は、VAB型WRX STIをベースとしたSTIコンプリートカー。パワーユニットはEJ25で出力341hpを誇るハイパワーマシン。STIコンプリートカーとしては、エンジン内部までに手を入れる最高峰のSシリーズで、日本での発売もかなり期待されていたが、残念ながら未発売だった。

国内では、その後、現行のVBH型WRX S4をベースとした「S210」が2025年に発売。いまの時勢に合わせたSシリーズ最新のコンプリートカーということでエンジンチューンはもちろん、Sシリーズ初のスバルパフォーマンスミッション(CVT)車として、いろいろな意味で話題になった。「S210にマニュアルをなぜ搭載しないのか?」そんな声も多くあがっていた。

そして2026年。満を持してのマニュアル車を投入。それが現在、600台限定の抽選結果報告が続々とされている現行WRXのコンプリートカー「WRX STI Sport♯」だ。マニュアルミッション好きが多いスバルファンの中でも非常に話題になっている。そんないまだからこそ、EJエンジン+マニュアルミッションで最後のSシリーズとなった「S209」をあらためてみていこう。
※2019年スバルスタイルVOL.2より

歴代「Sシリーズ」最高レベルの出力を持つ至高のコンプリートカー「S209」

STIは、2019年1月北米デトロイトで行われた北米国際自動車ショーで、米国専用モデルWRX S209を発表した。STIが考える「速さ」の究極の形である『ドライバーの意のままに操れる〝速さ”』を実現すべくベースモデルに対して大幅な性能向上が図られたチューンドモデルだ。

米国向けのSTIチューンドモデルは2018年に発表したWRX STI TypeRAとSUBARU BRZ tSに次ぐ第3弾で、STIコンプリートカーの最高峰であるSモデルとしてはこれが初となる。スバルでは中期経営ビジョンである「STEP」で強固なブランドの構築を謳っており、商品投入の方向性の一つとして「スポーツモデルの充実・STIモデルの進化」を掲げている。WRX S209の投入はこのビジョンに則したもの。

その内容は非常に魅力的だ。搭載するエンジンはE J25型 2.5L水平対向4気筒DOHCターボをべースに、鍛造ピストン、鍛造コンロッドなどで強化を図ったうえで大容量ターボチャージャーに換装して最高出力を341hp(≒346ps)までチューンアップ。これに合わせて足回りも強化され、STIが目指すドライバーが意のままに操れる「速さ」に向けたトータルチューンが施されている。

エクステリアでは、STIコンプリートカーのアイコンとなっているチェリーレッドストライプ入りのメッシュタイプフロントグリル(S209オーナメント付き)が組み込まれるのはもちろん、フロントおよびリアのワイドフェンダーが目を引く。これはBBS製19×9.0J鍛造アルミホイール+ダンロップ製265/35R19タイヤを収めるため。結果的にアグレッシブなエクステリアデザインとなっている。また空力性能に優れるフロントアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、リアサイドアンダースポイラー、バンパーサイドカナード、ドライカーボンリアスポイラーが装備されている。

インテリアでは、コックピット周りにSTIロゴ入りメーターのほか、ウルトラスエード巻きステアリングホイールや、STI製本革巻きMTシフトノブが採用されるほか、STI+S209ロゴ入りでシルバーステッチアクセントのレカロ製フロントシート、同配色のリアシート、シルバーステッチ付きドアアームレストが装備。さらにS209ロゴ入りサイドシルプレートや、コンソールにシリアルナンバープレートが貼られSTI Sモデルのスペシャル感を演出している。

SUBARU S209
■エンジン型式:EJ25/水平対向4気筒
■最大出力:346ps
■全長×全幅×全高:4620×1839×1476mm
■トレッド:前1544mm/後1554mm
■最低地上高:1245mm
■車両重量:1581kg
■車両価格:6万3995ドル(当時のレートで約680万円)

インテリアも専用装備が盛りだくさん
贅沢なスポーティ仕様に

インテリアでは、コックピット周りにSTIロゴ入りメーターのほか、ウルトラスエード巻きステアリングホイールや、STI製本革巻きMTシフトノブが採用されるほか、STI+S209ロゴ入りでシルバーステッチアクセントのレカロ製フロントシート、同配色のリアシート、シルバーステッチ付きドアアームレストが装備。さらにS209ロゴ入りサイドシルプレートや、コンソールにシリアルナンバープレートが貼られSTI Sモデルのスペシャル感を演出している。

熱烈なマニュアルミッション狂が多い(!?)スバルファン。そんな欲望を満たす6速MT。

VABチューンの総決算! STIのノウハウが各部に注入される

同系統である国内販売のVAB型WRX STIにはEJ20が搭載されているが、S209では排気量の大きいEJ25を搭載。最大出力は346psを発揮。歴代STIモデルで最高峰のパフォーマンスを誇る。ちなみにベース車になっている北米仕様のWRX STIにはEJ25ターボエンジンが採用されているので、それをベースにチューンナップされたということになる。

メカニズム系で気になるのはやはりエンジンだろう。先にも触れたが、エンジンはEJ25型2.5L水平対向4気筒DOHCターボをベースに鍛造ピストン、鍛造コンロッド、強化バルブスプリングを用いたうえでビッグタービンを採用しパワー&トルクアップが図られている。パワーアップに伴って、大容量インジェクター&燃料ポンプ、低圧損インテークダクト、大型エアクリーナー及び大型エアクリーナーボックス、大径吸気パイプ、低圧損ダクトブーツ、低背圧パフォーマンスマフラー、専用ECU、インタークーラーウオータースプレイを採用。つまりエンジンのパワー&トルクアップを安定して発揮させるために吸排気系をすべて見直し、高効率化が図られているのだ。またエンジンオイルとしてモチュール製5W‐40エンジンオイルが採用されていることでも、スペシャルなエンジンであることがうかがえる。

これらのチューニングによって、公表データによると最高出力は341hp≒346psを実現している。最高出力発生回転数や最大トルクは未公表だが、カタログデータはさておき、かつてフォレスターSTIに搭載されていた300馬力バージョンや、欧州向けインプレッサWRXのEJ25型、5代目レガシイにも採用されていたが、その排気量の大きさが最大のメリットで、これによってタービンを無理なく低回転域から回すことができ、いずれもトルクバンドの広い特性に仕上がっていた。その点から考えても、トルクバンドの広さが予想され、実戦性能の高さを実現している。

そんなパワーユニットを支える足回りにも注目だ。ダンパーはSTI製ビルシュタインでフロント倒立式ストラット+コイルスプリング、リアストラット+コイルスプリングに加え、STI製のフレキシブルタワーバーフロント、フレキシブルロードスティフナーフロント/リアシートバック)、STIピロボールラテラルリンク前・後)、STI製サポートフロントなどによって剛性アップや操縦性向上が図られている。操縦性に関しては、剛性パーツの採用だけでなく、アクティブトルクベクタリングを駆動制御に盛り込むことで、旋回性能の向上が図られている。

最高出力もさることながら、強力で幅広いトルクバンドが期待できるエンジン、文字通りボディ補強を含むチューニングによって整えられた操縦性、軽量カーボンルーフの採用による軽量化効果、そしてパフォーマンスアップに合わせて強化されたブレーキは、ブレンボ製で、ベンチレーテッドドリルドディスクローターに前モノブロック6ポットブレーキキャリパー、後モノブロック2ポットキャリパーを装備、ストッピングパワーのチューニングもきっちり行われている。

歴代モデル最強のパフォーマンスを誇るSモデルであることはもちろん、意のままに操れる速さを追求したスポーツカーとしても、高い完成度を持っている。

ホイールはBBS19×9.0J。タイヤはダンロップで265/35R19。このワイドタイヤを履くのにオバフェンは必須。ブレーキもブレンボが採用される。

※2019年スバルスタイルVOL.2より

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