ライディングスクール講師として豊富な実績を持つケニー佐川が、楽に楽しく安全にバイクを操るためのコツを記事と動画で分かりやすくアドバイス!バイク初心者はもちろん、リターンライダーからベテランまで目からウロコの楽ネタ満載です。今回はクラッチレバーの調整について! REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro) PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kousaku)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke) MOVIE●倉田昌幸(KURATA Masayuki)

クラッチにはワイヤー式と油圧式がある

クラッチはエンジンとトランスミッションの間に取り付けられた「動力伝達装置」で、発進や停止、変速時にエンジンの力をトランスミッションに伝えたり遮断したりするものです。最近のミッション付きバイクにはクラッチレバーに調整機構が付いているモデルが増えましたね。 バイクのクラッチにはワイヤー式と油圧式があります。小型モデルやスポーツモデルなどはワイヤー式が多く、大型バイクなどクラッチ容量が大きく操作に力が必要なモデルには油圧式が多いようです。 また、ワイヤー式はクラッチの遊び量とともにレバーの近さ・遠さを調整できますが、油圧式の場合は遊び量が一定に保たれているため調整できるのは基本的にレバーの近さ・遠さのみとなっています。

新型カタナのクラッチはワイヤー式を採用している。アジャスターとロック機構が一緒になったシンプルな構造で、ダイヤルを回してワンクリック毎に「遊び」を調整しつつ固定もしてくれる。信号待ちの間でも手で回せて一発完了できる便利な仕組みだ。
ちなみにこちらはZX-25R用。ワイヤー式で「遊び」調整はオーソドックスなダブルナット方式だが、レバー自体に近さ・遠さを5段階で調整できるダイヤル式アジャスターが付いている。最近では油圧式クラッチも含めてレバー調整機構付きが主流になっている。

「遊び」は多すぎても少なすぎてもダメ

ワイヤー式のクラッチの場合、クラッチレバーの根元付近にあるアジャスターを回すことで遊びの量を調整することができます。また、同時にレバーの近さ・遠さも変えられるので自分の手のサイズや操作しやすさに合わせて調整してみてください。 注意点としては、遊びが少なすぎるとクラッチ滑りを起こしたり、ハンドルを切ったときにクラッチワイヤーが引っ張られて半クラ状態になってしまったり。逆に遊びが多すぎるとレバーを引いたときにクラッチの切れが悪く、シフトチェンジがしづらくなったり、とトラブルの原因になることも。適正な遊び量としては、好みもありますが10mm前後が良いでしょう。特にワイヤー式の場合は新車では初期伸びがあり、さらに時間の経過とともに伸びてくるので時々調整するようにしましょう。簡単な調整だけで劇的にクラッチ操作がやりやすくなるので、ぜひ試してみてください。

調整する場合は、右手でアジャスターを回しながら、左手でクラッチレバーの「遊び」を確かめると分かりやすい。従来のダブルナット式など手で回すのがしんどいときは小さなプライヤーがあると便利。グローブを着けるだけでも力が入りやすくなる。
レバーを引いて「遊び」をとった状態で、人指し指と中指の第1関節がレバーに引っかかるぐらいに調整するのがベスト。人によって指の長さも異なるので一概には言えないが、ひとつの目安として。最終的にはグローブを着けた状態でチェックしてみてほしい。

佐川健太郎(ケニー佐川) 早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。 株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。