イベント恒例のサプライズは新色発表!?

「軽井沢ミーティング」の恒例企画であり、多くの来場者が楽しみにしているのが、マツダ関係者によるトークショーだ。

軽井沢ミーティングの恒例企画のひとつが、午前と午後に行われるマツダ関係者によるトークショー。なんとロードスター開発チームからは最新情報のポロリなんてサプライズもあるのだ。しかも今年のステージには、ファンの期待を膨らませるベールに覆われたロードスターらしき存在が飾られていた。さらに参加者に配布されるイベントステッカーは、ちょっと落ち着いたグリーン色。その上、関係者も、やたらと緑色の服やアクセントを身に着けている。その動向に、ついにあの色の登場ではないかというファンの心のざわめきが聞こえるようだった。

アンベールを行う開発主査の齋藤茂樹さん(右)とチーフデザイナーである岩内義人さん(左)。

アンベールは、午前のトークショーでのこと。現在、NDの開発主査である齋藤茂樹さんとチーフデザイナーである岩内義人さんによって行われた。それが以下のグリーンを纏ったモデルである。

アンベールで姿を現したロードスターは、やはり、緑色だった!

世界初公開となる新色の名は「ジンクグリーンメタリック(ZINC GREEN METALLIC)」だ。
会場からは、予想外の緑色の登場にビックリしていた様子。最新マツダ車の印象的なボディカラー同様、洒落ており、深みを感じさせる仕上がり。早速、岩内さんから新色の解説が行われた。

世界初公開された新色の緑色を纏ったロードスターに、ファンの心は釘付けに。

新色は、ジンククロメートプライマーをイメージして、作られたもの。そう聞いてもピンとこない人も多いのではないだろうか、私もさっぱり。岩内さんによると、「ZINC」の意味は、亜鉛のこと。「ジンククロメートプライマー」とは、クロム酸亜鉛を主成分とする下塗り専用の防錆塗料のことだそう。飛行機や船の内部、建築等に使われる錆止めとなる緑色の塗料といえば、ピンとくるかもしれない。

新色「ジンクグリーンメタリック」の解説をする岩内チーフデザイナー。

新色も、砂色である「ジルコンサンドメタリック」の仲間ともいえるマニアックかつワイルドな色味ともいえる。つあり、ロードスターファンが望むブリティッシュオープンスポーツの系譜ともいえるVスペシャル専用の「ネオグリーン」とは全く異なるグリーンなのだ。

テント下では落ち着いた色味に感じるジンクグリーンメタリック。光によって変化する色味なのだ。

さて、ジンクグリーンメタリックは、黄色みが強いフレッシュな緑色とは異なり、青味が強いそう。この新色にも、特徴的なマツダ色である「ソウルレッドクリスタルメタリック」と「マシーングレープレミアムメタリック」の2色同様、「匠塗TAKUMINURI」の技術が使われているという。一見、マット感もあるが、自然光の下では色味の明るさも感じられるため、シーンにより変化する。まさに平成の緑とは決別した令和ならではのグリーンといえるかもしれない。

ジンクグリーンメタリック(ZINC GREEN METALLIC)

年次改良と特別仕様車の告知も

同時に年次改良の実施も公表。新色を使った特別仕様車も用意されるという。特別仕様車の名前は秘密だそうだが、ジンクグリーンメタリックに、2019年の年次改良で設定された特別仕様車「シルバートップ」のグレー色の幌との組み合わせになるという。

新たな特別仕様車のために、2019年に設定された「シルバートップ」が復活する!

さらに装備面では、足元にRAYSと共同開発した軽量な鍛造16インチアルミホイールを艶やかなブラック塗装とし、装着。さらにフロントブレーキには、ブレンボ製4ポッドブレーキキャリパーを装着するが、こちらも初のシルバー塗装仕様を採用している。つまり、シルバーがキーとなる特別仕様車なのだ。

既にRAYSの軽量な鍛造アルミホイールとブレンボ製4ポットブレーキキャリパーの組み合わせは採用済みだが、特別仕様車ではどちらも色味が異なる。

内装の仕様は、Sスペシャルパッケージがベースだが、エアコンのルーバーの外側をブラック仕上げとし、内側にもシルバー加飾を追加することで、内装にもシルバーをアクセントに取り入れている。逆にエアコン操作ダイヤルとスタートボタンからは、シルバー加飾が配されているが、これは全車共通仕様なのだろう。

コクピットまわりのデザインは、従来同様。NDでは、ドアパネル上部もボディ同色となるので、車内でもジンクグリーンメタリックを満喫できる。
新たな年次改良モデルでは、エアコンのダイヤルとスタートボタンのシルバー加飾が無くなるようだ。

さらにサスペンションには、ビルシュタイン製ダンパーを装着する。今回、この”ビル足”にも手を加えた。そこには、2.0Lエンジンを搭載したマツダスピリットレーシング(MSR)で得られた知見も加えられており、あの走りの味わいが1.5Lエンジン車でも楽しめるようにしたと齋藤主査は語る。

ロードスター純正採用されるビルシュタインダンパーも再チューニングされたという。

具体的な違いだが、従来品ではコイルバネを柔らかくして、ダンパーの減衰を強くしてロール剛性を高めるという味付けだったが、新仕様ではコイルバネを硬くして、ダンパーの減衰をソフトにすることで、よりしなやかに動くサスペンションに仕上げているという。この味付けは、同じくビルシュタインダンパーを装着する「RS」も同様だそうだ。

新たなビルシュタインダンパーのセッティングには、あのマツダスピリットレーシングの開発で得た知見が取り入れられているというから楽しみ。

齋藤主査は「だまされたと思って試乗してみてください。まだ新たな世界がロードスターにはあったんだと感動してもらえると思います」と一押し。実際に、開発に携わった実験メンバーの3名が購入したいと話していることも付け加えた。

現代の「Vスペシャル」も可能?

渋さを感じるジンクグリーンメタリックだが、太陽光の下では明るさが増し、ボディサイドのラインも美しい。

さらに年次改良では、騒音規制対策も施されるという。社外騒音規制フェーズ3に対応するべく、エンジン音、排気音、タイヤからのロードノイズの3つを引き下げたという。タイヤに関しては、従来までの新車装着タイヤと同じ性能を維持しながら、ロードノイズを引き下げたという。ビジュアル面は、ほぼ同じで、新旧タイヤを並べると、パターンが少し違うことに気が付ける程度だそう。

シルバートップとジンクグリーンメタリックの組み合わせも良い感じだ。因みに、シルバートップは特別仕様車だけの装備となる。

さらに排気系ではマフラーのタイコの容量を拡大することで、1~2デシベル引き下げているそうだ。「静かで快適性になったことで、いつでも車内の会話もし易くなる。頑張って音を下げたのだから、社外マフラーに変更して音を大きくしないでよね」と齋藤主査が笑いを誘った。

年次改良では、タイヤパターンの変化とマフラーのサイズ変更を実施。その違いに気が付けたあなたは、ロードスターマニアだ。

このジンクグリーンメタリックは、全グレードで選択可能なカラーとのこと。ちなみに、タンの内装とソフトトップを持つ「SレザーパッケージVセレクション」を選ぶと、まさに令和の「Vスペシャル」ではないか。その点について、斎藤主査は「こちらはVセレクションなのでお間違いなく……」と念を押す。

岩内さんが「こんな仕様もできます」と紹介したのが、「SレザーパッケージVセレクション」とジンクグリーンメタリックの組み合わせ。Vセレクションだと、タン内装と幌となるので、「Vスペシャル」風にすることもできる。

うーん、その念押しに深い意味はあるのだろうか……。バリバリの技術屋さんの齋藤主査だが、最近はファンの心を揺さぶるのが得意に。でもジンクとタンの組み合わせも良さそう。歴代のVスペのファンは、検討すべきだろう。

主査就任後、990Sやマツダスピリットレーシングなどロードスターの楽しみを広げてきた斎藤さん。年次改良もイチオシしだそう。立て続けに人気モデルを投入した実績の話を振られ、斎藤さんは「私、失敗しないので」と某ドラマの名台詞で返す。「でも社内じゃ、誰も行ってくれないから自分で言っちゃいます」と続け、ファンからの笑いを誘った。

現時点で年次改良のタイミングは明かされていないが、マツダディーラーに出向くと、更なる情報が入手できるタイミングらしい。現在が、新旧のいずれのロードスターを選ぶか悩める最後のチャンスかもしれない。個人的には現仕様の味わいも好みなので、RSや特別仕様車狙いの人以外は、色や仕様の違いを確認して好きなモデルが手に入れられるように情報収集を急ぐべきだろう。ただジンクグリーンメタリックは、大人なロードスターを求める人には刺さること間違いなしと付け加えておきたい。

年次改良では、内装面の大きな変化はないようだ。