涼しい車内から野生に近い動物を見よう!
夏のレジャーにオススメしたい『富士サファリパーク』

8月に入り、いよいよ夏本番。みなさんは夏休みの予定を立てておいでだろうか? まだという人に自信を持ってオススメする観光地が、静岡県裾野市須山にある『富士サファリパーク』だ。

サファリゾーンを見学する一般車両。『富士サファリパーク』では、約60種類・800頭以上の動物が動物が富士山麓でのびのびと過ごしており、自然に近い彼らの姿を間近で見学できる。

首都圏や中京圏、東海地方に住む人なら串田アキラさんが歌うTVCMを見たことがあるだろう。富士サファリパークはクルマで東京から約1時間30分、名古屋から約2時間40分という立地に恵まれていることから、クルマ好きが家族を連れてドライブがてら訪れるのにも適している。電車で行く場合はJR御殿場駅でおりて、路線バスを使って約34分(運賃は片道880円)で到着するので、マイカーを持っていない人でも行きやすい。

富士サファリパークのTVCM。力強い歌声からときどき和田アキ子さんが歌っていると勘違いする人がいるが、CMソングの歌手は『キン肉マン』や『宇宙刑事ギャバン』『戦闘メカ ザブングル』などのアニソンや特ソンでお馴染みの串田アキラさんだ。

富士サファリパークの敷地面積は約74ヘクタールと、東京ドーム16個分の広さがあり、そこには約60種類・800頭以上の動物が暮らしている。この施設の目玉である1周約4.5kmのサファリゾーンには、ライオンやアムールトラ、アメリカグマ、アジアゾウ、キリンなどの動物が放し飼いにされており、車中から自然環境に近い彼らの姿を見学することができる。

筆者が富士サファリパークを訪れたこの日は、天気は薄曇りで気温も30度まで上がらず過ごしやすい日だったが、雲のためあいにく富士山を望むことができず。快晴ならば園内から富士山が見える最高のロケーションにある。(写真:富士サファリパーク)

「すっごーい!」「たーのしー!」だけじゃない
リアルな動物を体感し、学べるエデュテインメント施設

なぜ、夏の富士サファリパークをオススメするかというと、この場所が富士山の南麓、海抜約850mの場所にあることから比較的過ごしやすい環境であることに加え、サファリゾーンでは冷房の効いたマイカーの中から間近で迫力ある野生動物の姿を見られるところにあるからだ。

サファリゾーンの車道をキリンが悠然と歩き、その後ろを来場者の軽自動車が続く。富士サファリパークで生まれ育った動物たちは、子どもの頃からクルマに慣れており、一般車両には興味を示さない。

遊園地や動物園などのレジャー施設の多くは、夏休みともなると炎天下のなかを人混みでごった返した園内を歩き続けなければならず、人気のアトラクションともなれば、数時間にも及ぶ長蛇の列に並ぶことも覚悟しなければならない。

こうした状況は大人でも厳しい。まして体温調整能力が低い子どもや高齢者は急激に体力を消耗し、熱中症のリスクも高まる。もちろん、適時水分を補給し、休憩を増やしながら施設を回ることになるのだろうが、その分時間を消費してしまい、観光に使える時間が思ったよりもずっと少なくなってしまう。それならば「暑さ」というストレスのない環境のなかで、老若男女問わず家族全員が楽しめるサファリパークのほうがずっと楽しめると思うのだ。

木の上から車列を見下ろすチーター。タイミングが良いとこのようなベストショットを撮影できる(もちろん、撮影時も窓ガラスを開けることは禁止だ)。マイカーでのサファリゾーン見学は何周してもOK。そのときどきで表情を変える動物の姿を見られるので、何回サファリゾーンを走っても飽きることはない。

それにサファリパークは、単に動物を見るレクリエーションの場というだけでなく、子どもたちにとっては教育(Education)と娯楽(Entertainment)を組み合わせた、遊びながら楽しく学べる体験型のエデュテインメント施設でもある。

この日は夏にしては過ごしやすい日であったが、夜行性であり、暑さが苦手なトラは木陰でおとなしくしていた。彼らは寒い日や雨の日が好きなので、活発なトラの姿を見たい人は、冬や雨天時を狙って富士サファリパークを訪れると良いだろう。

動物園のような檻がなく、自然に近い環境で暮らす動物たちを間近で観察できることから、動物たちの鳴き声、匂い、実際の大きさや動きを体感でき、映像や図鑑では得られないリアルな驚きを得られる。それによって生物多様性や環境問題へ関心を高め、生命の尊さを学ぶことができる。子どもたちの情操教育に役立つことは間違いない。これが「楽しさ」だけで終わる一般的なアミューズメント施設との違いでもある。

車窓から迫力あるアジアゾウの姿を見学。基本的におとなしい性格の彼らだが、そのパワーは乗用車を簡単にぺちゃんこにできる。安全性を考慮してクマやライオン、一般草食動物のゾーンとは異なり、安全のため彼らが車道に出ないようなレイアウトになっていた。なお、9月下旬までの期間限定で透明なアクリル越しに泳ぐ彼らの姿を見学することができるゾ。(写真:富士サファリパーク)

サファリゾーンへ入場できるクルマ・できないクルマ
マイカーで富士サファリパークを訪れる際の注意点

百獣の王・ライオンのすぐ近くをゆっくり走行する一般車両。動物園のような檻がなく、野生に近い環境で過ごす彼らの姿が見られることがサファリパークの醍醐味だ。

サファリゾーンへのアクセス方法はさまざまだ。マイカー以外にはライオンやクマへの餌やりができる『ジャングルバス』や『スーパージャングルバス』、マイカーでは入れないオフロードコースを走れるパーク専用レンタカーの『ナビゲーションカー』でサファリゾーンを巡ることができる(これらの富士サファリパークのなかでしか乗れないクルマは次回詳しく紹介する)。

サファリゾーンはマイカー以外に、『ジャングルバス』や『スーパージャングルバス』、オフロードコースを走れるパーク専用レンタカーの『ナビゲーションカー』でまわることができる(利用する場合、別途料金が発生)。マイカーとは違い、動物へのエサあげ、スタッフやナビゲーションによる動物解説が楽しめる。

入園料金にはマイカーでのクルーズ料が含まれており、営業時間内なら何周回っても構わない。パーク内の動物は刻々と行動が変わるため、時間を置いて回ると彼らの異なる生態を見ることができる。すなわち、富士サファリパークは1日たっぷり楽しめる施設でもあるのだ。

運転免許を持たない人やマイカーで来場しなかった人でもサファリゾーンを楽しめるように富士サファリパークでは『ジャングルバス』や『スーパージャングルバス』が用意されている。両者の違いはキャビンの金網が両サイドのみか、上面も金網になっているかの違いで、後者は天井に登ったクマやライオンを観察できるのが特徴だ。なお、これらの車両については次回以降に詳しく紹介する。

マイカーでアクセスする場合の注意点としては、サファリゾーンは動物が放し飼いになっていることから、安全のためオープンカー(トップを閉めていてもNG。ただし、メタルトップ車は入場可)やキャンバストップ車、トラック(FRP製のハードトノカバーやシェルの装着車はOK)、サイドオープニング付きのキャンピングカー、車高10cm未満のクルマ、オートバイなどは残念ながらサファリゾーンに入ることができない。

安全上、サファリゾーンに入場できる車種には制限がある。マツダ・ロードスターのようなオープンカーは残念ながらNGだ。ただし、禁止されているのはソフトトップ車なので、ロードスターRFやダイハツ・コペンのようなメタルトップ車は入場できる。
オープンカーと同じ理由でキャンバストップもサファリゾーンへの入場は禁止されている。エアコンを備えないシトロエン2CVのような旧車は、上記の理由に加えてサファリゾーンでは窓を閉め切る必要があることから、夏は車内が高温になるためとてもではないがオススメできない。

また、サファリゾーンではクルマから降りることが厳禁とされているのは当然として、クルマのドアロックをかけ、窓を閉め切っておく必要がある。そのため、ルールとして明確に禁止されているものではないが、夏場は熱中症の恐れがあるため、エアコンのない旧車などは入場を遠慮したほうが良さそうだ。そのような入場できない車種で来場した場合は、ジャングルバスやスーパージャングルバス、ナビゲーションカーを利用することになる。

トラックは動物が荷台に乗ってしまう恐れから、動物の脱走防止のためにサファリゾーンへの入場はNG。ただし、FRP製のハードトノカバーやシェルの装着車はOKだ。ほかにもサイドオープニング付きのキャンピングカーは動物がイタズラする可能性があるため入場は禁止されている。
もちろん、オートバイやサイドカーのサファリゾーンへの入場は禁止だ。サファリゾーンへの入場ができない車両で来場した際は、『ジャングルバス』や『スーパージャングルバス』『ナビゲーションカー』を利用しよう。

なお、サファリゾーンに暮らす動物たちのほとんどはパーク内で生まれ育ったそうだ。そうしたことから彼らは一般車にはほとんど興味を示さず近寄ってこない。

動物たちが関心を示すのは、エサやり体験ができるジャングルバスやスーパージャングルバス、ナビゲーションカーだけだ。したがって大切な愛車を傷つけられる心配はほとんどない。ただし、長時間同じ場所に止まっていると動物の興味を引いてしまい、近づいてくる恐れがあるため、少しずつクルマを進ませながら見学する必要がある。

サファリゾーンの要所要所には安全管理のためクルマに乗ったレンジャーが常時待機している。彼らが使用するのは2代目ランドクルーザー・プラドの前期型3ドアや3代目ジムニーなどで、MT車だけでなくAT車も運用している。

サファリゾーンの至る所にはクルマに乗ったレンジャー(専任スタッフ)が待機している。万が一のクルマの故障や、乗車中に気分が悪くなった場合には、安全な場所にクルマを止めてハザードランプを点灯し、クラクションを軽く鳴らしてレンジャーを呼ぶことで適切に対応してくれる。そのようなトラブルの場合でも窓を開けたり、下車することはもちろん禁止されている。

サファリゾーンをクルマで巡るだけではない!?
散歩感覚で歩きながら動物を見学できるコースや施設も充実

サファリゾーンは車両から動物を見学するだけでなく、外周フェンス沿いのコースを徒歩で一周する『ウォーキングサファリ』の設定もある。四季折々の花や野鳥などが楽しめる森林に囲まれた約2.5kmの遊歩道を1時間半~2時間かけてゆっくりまわる。このコースをスタッフと一緒に巡る『アドベンチャーツアー』は土・日・祝日限定で開催されている(夏休み期間中は毎日開催・季節により開催しない可能性あり)。(PHOTO:富士サファリパーク)

富士サファリパークはクルマに乗って動物を見学するサファリゾーン以外にも、外周フェンス沿いの一周2.5kmのコースを森林浴を楽しみながら動物たちをじっくり観察できる『ウォーキングサファリ』もある。木陰が続くコースなので、気温が高い日でもハイキング感覚で楽しめる。

『ウォーキングサファリ』の受付は入場ゲートを潜って100m先、駐車場の左側にある(『アドベンチャーツアー』も同様)。受付時間は9時15分~15時30分まで(季節変動あり)。料金はひとり600円(3歳以下は無料)。参加する場合は歩きやすい靴と動きやすい服装、簡単な雨具(標高が高い位置にあるため天気が変わりやすい)、帽子や水分、虫除けスプレーなどを用意しておこう。

また、このウォーキングサファリコースをスタッフと一緒に巡る『アドベンチャーツアー』も1日2回開催される。スタッフによる動物解説のほか、ライオンやキリンへのエサあげ体験ができるので好評を博している。

『ウォーキングサファリ』や『アドベンチャーツアー』も動物へのエサやり体験が可能だ。写真はキリンと同じ目線でエサあげができる「キリンテラス」の様子。

『アドベンチャーツアー』は通常は土・日・祝日のみの開催だが、8月中は毎日実施されている。日頃、運動不足を感じている人にはウォーキングサファリやアドベンチャーツアーへの参加がオススメだ。

ふれあい牧場ではポニーやカピバラなどの大人しい草食動物とふれあえる。エサあげも楽しめるほか、子どもを対象にポニーへの乗馬体験もできる。
カピバラに興味津々の男の子。動物たちの鳴き声、匂い、実際の大きさや動きを体感でき、生命の大切さを学ぶことができる。

他にもカピバラやアカカンガルー、ミニチュアホースと歩きながら出会える『ふれあい牧場』、ネコやイヌ、ウサギなどの身近な動物とふれあえる『ネコの館』や『イヌの館』『ウサギの館』などがあり、かわいい動物たちを間近で見学できることから子どもたちに人気の施設となっている。

ふれあい牧場では2026年2月に生まれたばかりのライオンの赤ちゃんを特別展示中(※特別展示は8月下旬まで開催)。

また、『どうぶつ村』ではヒョウやリカオン、カバ、リスザル、タテガミヤマアラシなど、サファリゾーンでは見られない動物たちを見学できる。こちらの一部の動物にも餌やり体験ができるのでぜひ訪れて欲しい。

ふれあい牧場で展示されているアカカンガルー。檻越しでなく間近でカンガルーを見るのは筆者も初めての体験。来園した子どもたちも大喜びだった。
どうぶつ村では写真のカバ以外にも、ヒョウやリカオン、ワオキツネザル、リスザルなどを見学できる。どうぶつ村も遊歩道は木陰になっており、夏でも涼しく動物たちを見学できる。

夜行性の肉食獣が活発に動く姿を見学できる貴重なチャンス
8月限定の『ナイトサファリ』を見逃すな!

さらに、富士サファリパークでは8月限定で夜のサファリゾーンを見学できる『ナイトサファリ』が実施中だ。涼しくなる夕方から夜にかけての時間は、夜行性のライオンやトラなどの肉食獣が活発に動く時間でもある。活動的な彼らの姿を間近で見られる貴重なチャンスなので、動物が好きな人はぜひ訪れてほしい。

『富士サファリパーク』では8月限定で『ナイトサファリ』を実施中だ。涼しくなる夕方から夜にかけての時間は、夜行性のライオンやトラなどを見学できる。事前に日付指定チケットを購入することで普段見ることのできない動物たちの姿が見られる。なお、ナイト入園チケットは大人1700円、子ども1200円と通常入園よりもリーズナブルな金額に設定されている。(PHOTO:富士サファリパーク)

ナイトサファリの入園受付は18時00分~19時30分まで(20時以降はマイカーでサファリ見学ができなくなる)で、入場には『ナイト入園チケット』が必要になる。サファリゾーンへはマイカー(1周のみ)のほか、園内バスで回ることもできる。サファリゾーン以外にも、イヌの館やネコの館、サファリレストラン、サファリショップ、ふれあいゾーンの一部エリアが営業している。

『ナイトサファリ』はマイカーでの見学のほかに、スタッフによる解説聞きながらジャングルバスで巡る『ナイトバスツアー』(料金:ひとり1000円)、天井まで金網ばりのスーパージャングルバスでまわりながら草食動物への餌やりも体験できる『ナイトプレミアムツアー』(料金:ひとり1500円)、スタッフの運転するナビゲーションカーで周遊し、草食動物へのエサあげ体験ができる『ナイトガイドツアー』(料金:1組5名まで1万5000円)などの設定がある。

なお、富士サファリパークの昼間の通常営業は事前予約なしで入園が可能となるが、8月は繁忙期となるため、ジャングルバスやスーパージャングルバス、ナビゲーションカー、ナイトサファリを利用する場合は前売り券の購入が必須となる。予約方法はWebによる事前予約と現地に到着してからの当日予約があるが、人気のツアーはチケットが完売となることが多く、Web予約サービスの『My SAFARI』を利用すると入園料金が割引になるため、こちらをぜひ利用してほしい。

『富士サファリパーク』の全域マップ。敷地面積は約74ヘクタールと、東京ドーム16個分の広さがあり、約60種類以上の動物が暮らしており、自然に近い彼らの姿を見学できることが、同施設の魅力だ。入園料は大人3200円、子ども2000円、シニア(65歳以上)2500円、幼児は無料。登録無料のMy SAFARI会員になると大人が500円引き、子どもが300円引きとなる。なお、『ジャングルバス』などの周遊バスの利用やエサあげ体験などは別料金となる。(PHOTO:富士サファリパーク)