
後席を倒したスペースは驚くほどフラットに!
世界的な人気を誇るトヨタのミドルサイズSUV「RAV4」が、2025年12月にフルモデルチェンジ。6代目となった新型は、ボディサイズを大きく変えることなく、エクステリアからインテリア、パワートレイン、先進安全装備まで中身を大幅に刷新した。
車中泊の相棒に選んだのは、そんな新型RAV4の「Adventure」。最新トヨタ車らしいハンマーヘッドデザインを採用しながら、タフでラギッドなイメージを強調したスタイルが特徴で、いかにもアウトドアフィールドが似合いそうな1台。パワートレインには2.5L直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドを搭載し、駆動方式は4WD。WLTCモード燃費も22.9km/Lと、遊びの相棒として遠出するときにうれしい性能を備えている。
そして今回、車中泊目線で何より注目したかったのが荷室。新型ではラゲッジ容量が先代の733Lから749Lへと16L拡大され、積載性をさらに高めている。しかも単純に荷物をたくさん積めるようになっただけではなく、後席を倒した際の床面にも手が加えられた。後席背面から荷室へと続く傾斜を緩やかにすることで、よりフラットな空間を実現。資料上でも6対4分割可倒式の後席を格納すると「ほぼフラットなフロア」とされている。
カタログ等では「長尺物を積みやすくするための進化」とうたっているが、これって車中泊にもかなり効くのでは? ということで、実際に車中泊してみました。
先代RAV4と寝比べたわけではないものの、過去の取材写真などを見る限り、後席を倒した部分にはそれなりの傾斜がある。もちろん「これじゃ車中泊は無理でしょ!」というほどではないが、新型の荷室を実際に目の前にすると違いは明らか。後席を倒すと床面がかなりフラットで、見るからに寝やすそう。
実際にマットレスを敷いて横になってみても、身体が傾斜でズルズルと下がっていくような感覚はなく、姿勢も自然。クルマの中で寝ることを考えると、この“ほぼフラット”は想像以上にありがたかった。
一方で、少々気になったのが寝床の長さ。今回実測した荷室から後席背面先端(ヘッドレスト含む)までの床面奥行きは約1750mm。身長170cmの筆者なら数字上は収まるものの、頭上や足元まで余裕たっぷり、というわけではない。まさにジャストサイズといった感じで、リアゲート内側のパネルを足で蹴飛ばしてしまうことも……。
だから「大人が余裕たっぷり、快適に寝られます!」と言い切るには少々無理があるかもしれない。それでも身長170cm程度であれば、身体を伸ばして大人ひとりが車中泊できるだけのスペースはしっかり確保されている。何より床面のフラットさが優秀なので、厚手のマットレスを組み合わせればリラックスして過ごせる空間を作りやすい。
さらに今回の車両には、チルト&スライド電動タイプのパノラマムーンルーフが装備されていた(オプション設定)。一緒に取材したSUBARUトレイルシーカーのパノラマムーンルーフより開口部が大きく感じられ、寝転がったときの開放感も抜群だった。昼間なら青空、夜なら星空を寝床から眺める。そんな車中泊ならではの楽しみ方にも期待したくなる。
ただし、実際に何度も乗り降りして気になったポイントもある。それが地面から荷室床面までの高さ。リアゲート開口部は路面から約670mmとやや高めに設定されている。 荷物を積むだけならそれほど気にならないものの、後席を倒して寝床を作った状態でバックドア側から身体ごと乗り込もうとすると、「よいしょ!」とひと踏ん張り必要。車中泊では出入りする回数も多いだけに、ここは少々億劫に感じた部分だった。
それでも、荷室容量を拡大しただけでなく、後席格納時のフロアをよりフラットに仕上げたことは、車中泊目線でも大きな進化。 アウトドアが似合うAdventureのルックスに加えて、実際に寝られるだけの空間もしっかり用意されている。新型RAV4、遊びの相棒としての実力もかなり高そうです。

通常時/奥行き:980mm 高さ:790mm 幅:1000mm

後席格納時/奥行き:1870mm
先代よりも16L拡大されたラゲッジ容量。さらに後席を倒した際の奥行きは1870mm(荷室最後部から前席のセンターコンソールボックス後端まで)と長尺物の積載も楽々。







長距離から悪路まで、走ってわかったRAV4の頼もしさ
今回の車中泊取材の舞台は、長野県の平谷高原スキー場。他の編集スタッフにも協力してもらい、SUBARUトレイルシーカーとの2台体制で取材を敢行。東京から約300km、往路はBEVのトレイルシーカー、復路はハイブリッドのRAV4 Adventureを担当した。パワートレインの異なる2台を同じルートで乗り継いだことで、それぞれのキャラクターの違いを体感できたのも面白かった。
RAV4 Adventureが搭載するのは、2.5L直列4気筒エンジンに前後モーターを組み合わせたハイブリッドシステム。システム最高出力は240PSで、駆動方式には前後輪の駆動力を緻密に制御するE-Fourを採用する。
BEVであるトレイルシーカーから乗り換えても、動力性能に物足りなさを感じなかったのがまず好印象。モーターアシストによるアクセル操作へのレスポンスは鋭く、踏み込めばグッと力強く加速する。特にその恩恵を感じたのが平谷高原周辺の山道。勾配がきつくなってもグングン登っていくため、アクセルを必要以上に踏み込むような場面も少なく、ストレスなく走ることができた。
そして復路の高速道路では、安定感の高さも印象に残った。 カーブが連続する区間でも車体の動きは落ち着いており、狙ったラインをスッと走っていける感覚。約300kmのロングドライブでも安心してハンドルを握っていられた。
さらにRAV4らしさを感じたのが、平谷高原スキー場内での移動。宿泊したキャンプサイトはゲレンデのかなり上の方にあり、そこへ向かう道中には凸凹した箇所や路面が柔らかい場所も多かった。ところが「結構揺れそうだな」と身構えて走り始めたものの、想像していたほど路面の悪さを感じない。荒れた路面でもスムーズに駆け上がっていく姿にはちょっと驚かされた。新型では荒れた路面での乗り心地も磨き込まれているというが、まさにそれを実感できた場面だった。
そして、これだけ力強く走れて燃費性能にも優れているのがうれしい。AdventureのWLTCモード燃費は22.9km/L。 同クラスのSUVと比べても優秀な数値で、長距離を走る車中泊旅では燃料代や給油回数を抑えられるのも大きなメリット。
高速道路を使ったロングドライブから勾配のある山道、さらにゲレンデの荒れた路面まで。今回の約300km+αの移動を通して感じたのは、RAV4 Adventureはアウトドアが似合うだけじゃなく、実際にアウトドアフィールドまで気持ちよく連れて行ってくれるSUVだということ。車中泊の寝床としてはもちろん、そこへ向かう道中もしっかり楽しめる1台だった。





合成皮革を採用した前後シート。前席シートのステッチはオレンジで、標準車の「Z」とは異なる仕様。またプライグインハイブリッドはしーと形状も異なりスポーティタイプとなっている。










| 車両 | TOYOTA RAV4 |
| グレード | Adventure |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4620×1880×1680 |
| 室内長×室内高×室内幅(mm) | 1880×1525×1220 |
| ホイールベース(mm) | 2690 |
| トレッド(mm)前/後 | 1620/1635 |
| 車両重量(kg) | 1710 |
| 乗車定員(名) | 5 |
| 最小回転半径(m) | 5.7 |
| エンジン種類 | 直列4気筒DOHCモーター |
| 総排気量 | 2487 |
| エンジン最高出力(kW[PS]/rpm) | 137[186]6000 |
| エンジン最大トルク(Nm[kgm]/rpm) | 221[22.5]3600-5200 |
| モーター最高出力(kW[PS]/rpm) | 前:100[136] 後:40[54] |
| モーター0最大トルク(Nm[kgm]/rpm) | 前:208[21.2] 後:121[12.3] |
| 燃料タンク容量 | 55(レギュラー) |
| 駆動方式 | 4WD |
| タイヤサイズ | 235/55R18 |
| WLTCモード燃費(km/l) | 22.9 |
| 車両価格 | 450万 |