
ロングボディ×5人乗りが生み出す圧倒的な荷室は、車中泊と好相性!
イタリア生まれのミニバン、フィアット「ドブロ」。現在は5人乗りの標準ボディ「ドブロ」と、3列7人乗りのロングボディ「ドブロ マキシ」という2タイプを基本に展開しているが、これまで様々な特別仕様車が登場しているのもドブロの面白いところ。今回車中泊の相棒に選んだ「ドブロ マキシ 5 ビアンコ ジェラート」は、そんな特別仕様車のひとつだ。
まず目を引くのが「ビアンコ ジェラート」と呼ばれる真っ白なボディカラー。最近のアウトドア系カスタムではアースカラーが人気で、クルマもギアもベージュやカーキ系を目にする機会が多い。それだけに、この潔いほどの白が逆に新鮮! 緑いっぱいのキャンプサイトに置いてみると、その白さが思いのほか映えて、アウトドアシーンにもかなり似合っている。
そして「マキシ 5 ビアンコ ジェラート」最大のポイントが、そのネーミング通りロングボディのドブロ マキシをベースにしながら、あえて5人乗りとしていること。通常のマキシは3列7人乗りだが、その3列目があったスペースをまるごと荷室として使えるのだから、積載性ではかなりのアドバンテージになる。
もちろん荷物がたっぷり積めるだけではない。車中泊で使ってみると、この広さがとにかくありがたかった。
専用ラゲッジボードが装備されているため、3列目シートを取り外したロングボディでありがちな床面の凸凹もなし。荷物をスライドさせながら積み込むのもスムーズだし、寝床として使う場合にも都合がいい。後席を倒せば荷室からシート背面まできれいにつながり、見るからに「ここなら寝られそう!」と思わせる広大なスペースが完成する。
実際に2列目シートを前倒しして実測してみると、床面の奥行きはなんと約2010mm! 2mを超えるスペースが確保されているので、大人が足を伸ばして寝ても頭や足がリアゲートに当たるような窮屈さはまったくなし。横方向にも余裕があり、大人ふたりで寝ることだって十分現実的だ。
さらに車中泊で効いてくるのが室内高。約1190mmあるため、寝転がったときに天井が迫ってくるような圧迫感がほとんどない。身体を起こして過ごすのも楽だし、車内で着替えるときも窮屈さを感じにくい。これまでいろいろなミニバンやSUVで車中泊してきたが、床面が広くても天井が低いと意外と閉塞感を感じるもの。その点、もともとミニバンとして背の高いドブロはやっぱり強い。広い寝床と頭上空間のおかげでストレスも少なく、朝までぐっすり眠ることができた。
しかも「マキシ 5 ビアンコ ジェラート」の場合、単に「大人ふたりが寝られる」というだけではない。ロングボディならではの余裕があるため、キャンプ道具などを積んだ状態でも荷物の置き場所を工夫すれば、きちんと就寝スペースを確保できるのがうれしいところ。車中泊のたびに荷物を全部車外へ出す必要がないのは、実際に使うとかなり便利だ。
約2mの奥行きを生かせば、スノーボードのような長尺物も車内に積みやすい。キャンプ、スキー、スノーボード、自転車など、遊び方に合わせてまだまだいろいろアップデートできそうで、「次は何を積もう?」「どんな車中泊仕様にしよう?」と想像するだけでもワクワクしてくる。もしかしてアウトドアレジャーの相棒として最強かも!?
残念なのは、この「マキシ 5 ビアンコ ジェラート」が2026年2月に150台限定で発売された特別仕様車で、現在では新車で手に入れるのがかなり難しそう。ただ、ドブロはこれまでも個性的な特別仕様車を積極的に送り出してきたモデル。標準ボディの取り回しやすさも魅力だけれど、ロングボディ×5人乗りが生み出す圧倒的な荷室は、車中泊との相性が抜群! ぜひまた、こんな遊べるドブロの登場に期待したい。











見た目以上に軽快! 約300kmのロングドライブも楽々
今回のドブロでの車中泊は、東京から約300km離れた福島県・猪苗代湖へ。東北自動車道から磐越自動車道を経由するロングドライブで、その走りもしっかりチェックしてみた。
ドブロ マキシ 5のボディサイズは全長4770mm×全幅1850mm×全高1845mm、ホイールベース2975mm。ロングボディだけに全長はそれなりにあるし、車両重量も1620kgある。そこに搭載されるエンジンは1.5L直列4気筒ディーゼルターボで、最高出力130PS、最大トルク300Nmを発揮。8速ATとの組み合わせとなる。
正直、乗る前は「このサイズを1.5Lディーゼルで走らせると、少々重たさを感じるのでは?」と思っていた。ところが実際に走り始めてみると、その印象はいい意味で裏切られた。ディーゼルらしく低回転域からトルクがしっかり立ち上がり、街中から高速道路への合流まで想像以上にスムーズ。アクセルを踏み込んだ際にも車重を必要以上に意識させず、速度に乗ってしまえば気持ちよく巡航できる。
さらに好印象だったのがハンドリング。東北自動車道を抜けて磐越自動車道に入ると、直線だけでなくカーブが連続する区間も増えてくる。背の高いロングボディだけに、こうした場面では車体の大きさを意識するかと思いきや、ステアリングを切ったぶんだけ素直に向きを変えてくれる感覚。操舵に対する反応も正確で、スムーズかつ気持ちよくコーナーを抜けていけたのが印象的だった。
そして約300kmの移動でありがたかったのが、充実した運転支援機能。衝突被害軽減ブレーキをはじめ、ブラインドスポットモニターや標識認識、車線逸脱警報などを備え、高速道路では全車速追従式のアダプティブクルーズコントロールがロングドライブをサポートしてくれる。今回のモデルではミリ波レーダーが追加されたことでACCの性能も向上しており、前走車への追従もより使いやすくなった。
実際、高速道路ではACCを積極的に活用。速度調整をクルマ側に任せられるだけでも右足の負担が大幅に減り、長時間運転での疲労感はかなり少ない。約300km走ったあと、そのまま車中泊の準備に取り掛かっても「もう何もしたくない……」とならなかったのはうれしいところ。
WLTCモード燃費は22.9km/L。ロングドライブが中心となる車中泊やアウトドアでは、ディーゼルならではの燃費性能と力強さも大きな武器になる。
2mを超える寝床が作れる圧倒的な荷室に目が行きがちな「ドブロ マキシ 5 ビアンコ ジェラート」だけれど、遊び道具をたっぷり積み、目的地まで気持ちよく走って、到着したらそのまま寝る。 そんな使い方を無理なくこなせる走りの良さも、このクルマが“遊べるミニバン”と呼びたくなる理由のひとつだった。




















| 車両 | DOBLO MAXI 5 BIANCO GELATO |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4770×1850×1845 |
| ホイールベース(mm) | 2975 |
| トレッド(mm)前/後 | 1550/1570 |
| 車両重量(kg) | 1620 |
| 乗車定員(名) | 5 |
| 最小回転半径(m) | 5.8 |
| エンジン種類 | 直列4気筒DOHCディーゼルターボ |
| 最高出力(kW[PS]/rpm) | 96[130]3750 |
| 最大トルク(Nm/rpm) | 300/1750 |
| 駆動方式 | FF |
| WLTCモード燃費(Wh/km) | 22.9 |
| タイヤサイズ | 205/60R16 |
| 車両価格 | 437万円 |