連載

編集部員がリアルに寝てみた!【車中泊テスト】
SUBARUトレイルシーカー

後席を倒すだけで奥行き1900mm超えの広々スペースに

スバル初のBEVとして登場したソルテラをベースに、よりSUVらしいタフなキャラクターと使い勝手をプラスした「トレイルシーカー」。ソルテラと同じBEV専用プラットフォームを採用し、ホイールベースも2850mmで共通するが、大きく違うのがボディ後方。トレイルシーカーはリアオーバーハングを155mm延長し、そのぶんを荷室スペースの拡大に活用。さらにラダータイプのルーフレールや専用デザインのアルミホイール、ブラックのホイールアーチモールなどによって、ソルテラ以上にSUVらしいタフな雰囲気に仕立てられている。

そして車中泊目線で何より気になるのが、155mm延長されたリアオーバーハングがもたらす広大な荷室だ。通常時でも十分な奥行きが確保されているが、後席を倒せば一気にロングな空間が出現する。しかも後席はシート肩口のレバーだけでなく、荷室左右のトリム上部に備わるレバーからも格納可能。わざわざリアドア側へ回り込む必要がなく、バックドアを開けたまま寝床をサッと作れるのはかなり便利だった。ちなみにこの荷室側レバーは、ベースとなったソルテラにはないトレイルシーカーならではの装備だ。

そんなトレイルシーカーでの車中泊、格別だったのが就寝スペースの確保のしやすさ。後席を格納して今回実測した床面の奥行きは約1920mm。これだけあれば大人が横になっても余裕たっぷり。幅も約980mmあり、ひとりで寝るなら寝返りを打つのも楽々。SUVの車内というより、ちょっとした個室感覚で使える広さだ。

気になったのは、後席を倒した部分が若干斜めに持ち上がっていること。ただし実際に横になってみると、それほど気になるレベルではなく、感覚的にはほぼフラット。シート背面そのものは少々硬めなので、そのまま寝るのはさすがにツラそうだが、厚手のマットレスを敷いてしまえば問題なし。ちなみにこれまでは、空気を入れて膨らますインフレーターマットを利用していたが、今回は4つ折りタイプのマットレスを新導入。某ショッピングモールのプライベートブランド商品で価格がお手頃なうえ厚みも約30mm厚のウレタンを採用しているので寝心地も抜群。これからの車中泊に欠かせない存在になりそうな予感です。

そして、実際に一晩過ごして改めて感じたのが「室内高って大事!」ということ。寝るスペースというと、つい床面の長さや幅ばかりに目が行きがちだが、頭上に余裕がないと想像以上に圧迫感があり、長時間過ごすほどストレスになる。その点トレイルシーカーは比較的頭上にも余裕があり、今回の撮影車にはオプションの「パノラマムーンルーフ」も装着されていたため、さらに開放的。

残念ながら今回の車中泊では空模様に恵まれず、その恩恵を存分に味わうことはできなかったが、天気の良い夜なら寝転んだまま星空を眺める、なんて楽しみ方もできそう。これは普通のルーフでは味わえない、車中泊でのちょっとした贅沢だ。

ソルテラより155mm長いボディは、車中泊では数字以上に大きなアドバンテージだった。 普段は荷物をたっぷり積めるSUV、遊びに出掛ければ大人が余裕を持って眠れる寝床に。トレイルシーカーの広い荷室は、アウトドアや車中泊との相性、かなり良さそうです。

様々なシーンで利用できるカーゴフック。LEDランタンなどを吊るすのにも最適。天井左右にそれぞれ1個装備している。
メーカーデータでの荷室容量は633L。アウトドアギアをたっぷり積み込んでもまだまだ余裕がある。後席を倒さずにこれだけ積めるのはかなり優秀。
SUBARUトレイルシーカー

長距離移動も疲れ知らず! EVならではの静かさと安心感も魅力

今回、車中泊の舞台に選んだのは長野県の平谷高原スキー場。東京からの距離は約300kmで、中央自動車道を使った高速道路での移動に加え、現地に近づけば急勾配やカーブが続く山道も走る。トレイルシーカーのロングドライブでの実力もチェックするには、なかなかいいルートだった。

まず高速道路でありがたかったのが、全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロール。一定速度で巡航する場面はもちろん、前走車に合わせた速度調整もクルマ側がサポートしてくれるため、とにかく運転が楽々。さらにカーブが連続するような場面ではレーントレーシングアシストも心強く、約300kmを走ったあとでも「疲れた〜」という感覚が少なかった。

そしてもうひとつ感じたのが、クルマに乗っているときの安定感の高さ。今回試乗したグレード「HS-ET」は前後に最高出力167kW、最大トルク268Nmのモーターを搭載するAWDで、車両重量は2020kg。 2tを超えるボディながら、モーターならではのスムーズな加速で速度を上げていき、高速道路でも山道でもどっしりとした安心感がある。BEVだからエンジン音がなく走行中も静かで、ロードノイズもしっかり抑えられているため、長時間乗っていても疲れにくい。 車中泊では目的地に着いてからが本番だけに、移動で体力を使わずに済むのはかなりうれしいポイント。

そしてEVで遠出するとき、どうしても気になるのが航続距離。HS-ETは74.7kWhのバッテリーを搭載し、一充電走行距離はWLTCモードで690km。 東京から平谷高原まで約300kmであれば、数字上はかなり余裕がある。

しかも取材したのは7月末。かなり暑い時期だったため、高速道路ではほぼエアコンを使いっぱなし。それでも航続距離を過度に気にすることなく、余裕を持って現地までたどり着くことができた。EVだからといって遠出を必要以上に心配する必要はなさそう、というのが今回の率直な印象。

さらに、せっかくEVで車中泊するなら「エアコンをつけたまま寝てみたい!」とも考えていた。エンジンを掛ける必要がないBEVならではの使い方だけに、ひと晩エアコンを使ったらバッテリーがどれくらい減るのかも気になるところ。

ただ平谷高原は標高約1000m。夜になると想像以上に涼しく、早朝に至っては「エアコン、いらないじゃん」というほど快適で、結局エアコンを使わずに朝までぐっすり。今回は試すことができなかったが、「真夏のEV車中泊でエアコンを使ったら、電気はどれくらい減る?」という疑問はかなり気になるところ。これはぜひ、次の機会に試してみたい!

車両SUBARUトレイルシーカー
グレードET-HS
全長×全幅×全高(mm) 4845×1860×1675
室内長×室内高×室内幅(mm) 1935×1500×1160
ホイールベース(mm) 2850
トレッド(mm)前/後 1600/1610
車両重量(kg) 2020
乗車定員(名) 5
最小回転半径(m) 5.6
モーター種類 交流同期電動機
 定格出力(kW) 64
 最高出力(kW[PS]/rpm) 167[227]
 最大トルク(Nm/rpm) 268
駆動方式 AWD
バッテリー種類 リチウムイオン電池
 総電圧(V) 391
 総電力量(kWh) 74.7
交流電力消費率 WLTCモード(Wh/km) 121
 市街地モード(Wh/km) 105
 郊外モード(Wh/km) 114
 高速道路モード(Wh/km) 135
一充電走行距離(WLTCモード) 690km
タイヤサイズ 235/60R18
車両価格 638万円

車両本体価格:
ET-SS(FWD) 539万円
ET-SS(AWD) 594万円
ET-HS(AWD) 638万円

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