基本設計は共通だが細部に違いあり

それぞれ外装はソルテラ/bZ4Xに準ずるデザインとなるが、ホイールベースもタイヤサイズもまったく同じであり最小回転半径も同じ5.6mだ。ボディ全長は15mm違うがこれはデザインの違いに由来したもので、後席の居住性にも差はない。

内装も基本造形は同じであるものの、両車の内装色や細部は異なる。また、トレイルシーカーは四角形に近いオーバル型のステアリングを採用するのに対し、bZ4Xツーリングはスタンダードな円形だ。加えてシート表皮はトレイルシーカーの最上級グレードがナッパレザーであるのに対し、bZ4Xツーリングは合成皮革となる。

荷室寸法の公称値はトレイルシーカーが長さ1094mm×幅1007mm×高さ926mm、bZ4Xツーリングは1094mm×1001mm×850mm。荷室最大長は1905mmと1850mmだ。数値の違いは計測位置の差と思われ、実用上の違いはないはずだ。

2段階で高さ調整可能なラゲッジフロアボードも共通であり、荷室側から後席を倒せるスイッチも両者ともに備わる。100Vコンセントの装備も共通だ。両車の床面には荷物固定用のフックも追加されるが、トレイルシーカーには天井の後端にも耐荷重3kgのユーティリティフックが2個装備される。

なお、ソルテラとbZ4Xはどちらもトヨタが製造しているが、トレイルシーカーとbZ4Xツーリングはどちらもスバルが製造する。パワートレインや運転支援システムなどはトヨタからの供給だが、内外装部品などはスバルの調達だ。

スバル トレイルシーカー ET-HS
ボディサイズ=全長4845mm×全幅1860mm×全高1675mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=2020kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)

トヨタ bZ4Xツーリング Z(4WD)
ボディサイズ=全長4830mm×全幅1860mm×全高1675mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=2030kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)

パワートレインは全く同じ! 各システムも共通だが名前が違う

トレイルシーカーとbZ4Xツーリングのパワートレインは全く同じだ。両車に搭載されるパワートレインは、シリコンカーバイド半導体を用いることでエネルギー損失を低減させたトヨタの次世代eAxleであり、改良新型ソルテラ/bZ4Xとも共通の仕組みだ。

ただし、ソルテラ/bZ4Xのリヤモーターのスペックが最高出力120ps/最大トルク169Nmであるのに対して、トレイルシーカーとbZ4Xツーリングは227ps/268Nmに強化され、増大した後輪駆動力を活かす駆動制御が組み込まれる。

どちらも4WDモデルの0-100km/h加速性能は4.5秒であり、航続距離も690kmで同じだ。FFモデルも航続距離は734kmで共通となる。

ただし、最低地上高はトレイルシーカーが210mmで、bZ4Xツーリングは180mmとなっていることから、サスペンションセッティングにはそれぞれのキャラクターが反映されていることだろう。

そのほかに違いと呼べる箇所は各機能の名称くらいのものだ。カメラ機能自体はどちらもトヨタの呼び名に準ずる“パノラミックビューモニター”であり機能も共通だが、床下透過機能の名称はトレイルシーカーが“マルチテレインモニター機能”、bZ4Xツーリングは“床下透過表示機能”となる。

その一方で、悪路支援システムはbZ4Xツーリングにもスバルの名称である“Xモード”が用いられる。また、トレイルシーカーの運転支援機能は“アイサイト”ではなく“トヨタセーフティセンス”に準じた“スバルセーフティセンス”であり、駐車支援機能“アドバンストパーク”も全グレード標準装備だ。

スバル トレイルシーカー ET-HS
エンジン形式=交流同期電動機
排気量=-
最高出力=F:227ps/-rpm R:227ps/-rpm
最大トルク=F:268Nm/-rpm R:268Nm/-rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=AWD

トヨタ bZ4Xツーリング Z(4WD)
エンジン形式=交流同期電動機
排気量=-
最高出力=F:227ps/-rpm R:227ps/-rpm
最大トルク=F:268Nm/-rpm R:268Nm/-rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=AWD

装備の細かい仕様やグレードラインアップにも違いが

トレイルシーカーの最上級グレード“ET-HS”の新車価格は638万円、bZ4Xツーリングの“Z(4WD)”は640万円だ。CEV補助金はトレイルシーカーが129万円、bZ4Xツーリングが130万円であり、両車の価格差はほとんどない。

どちらもフロントウィンドウとフロントドアが遮音ガラスになっており、前席にベンチレーション機能が備わる点も共通だ。ただし快適装備の名目は共通だが、細かな仕様に違いが設けられている点は見逃せない。

両車に備わる前後シートヒーターは、トレイルシーカーの方がヒーター面積が広く、bZ4Xツーリングは面積が狭いものの足元に遠赤外線輻射ヒーターが備わる。また前席の電動シートは、トレイルシーカーが運転席10Way/助手席8Wayとなるが、bZ4Xツーリングは運転席/助手席ともに8Wayだ。

もっとも大きな違いはパノラマルーフの扱いだろう。トレイルシーカーのパノラマルーフは13万2000円のオプションであるのに対し、bZ4Xツーリングは標準装備となる。そのほかオーディオシステムはトレイルシーカーが11スピーカーのハーマンカードン製、bZ4Xツーリングは9スピーカーのJBL製だ。

加えて両車はグレード構成も異なる。トレイルシーカーは4WDが2グレード、FFが1グレードの合計3グレードであるのに対し、bZ4Xツーリングは“Z”の単一グレードで装備は共通だが駆動方式のみが異なる2グレード構成となる。

こうした違いによりグレードの選択幅はトレイルシーカーの方が広く、選択グレード次第では大きな価格差が生じることになる。

両車の違いを端的に言い表すなら、bZ4Xツーリングが快適性を重視したEVステーションワゴン、トレイルシーカーはより幅広いシーンに活用できるEV版アウトバックだ。用途や装備に応じて選び分けるとよいだろう。

車両本体価格

スバル トレイルシーカー ET-HS:638万円

トヨタ bZ4Xツーリング Z(4WD):640万円