新型「GR SPORT」に新色のマットカラー「オニキスグレー」を追加

日本では2023年に販売を終了したトヨタC-HR。しかし海外では、その名前は消えるどころか、現在も進化を続けている。

トヨタ C-HR GR Spirts EU

欧州では2023年に2代目へフルモデルチェンジし、ハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)を展開。そして初代登場から10周年、世界累計販売210万台突破という節目を迎え、スポーティグレード「GR SPORT」に新たなアップデートが施された。

世界販売のうち120万台以上を欧州が占めており、C-HRがいかに欧州市場で支持されてきたかが分かる。

今回のGR SPORTで目を引くのが、新色のマットカラー「オニキスグレー」である。ルーフからボディ後部にかけてブラックを組み合わせる「bi-tone+」とし、足元には専用デザインの20インチ・マットグレーホイールを装着。より精悍なスタイルとなった。

インテリアにはヘッドアップディスプレイを標準装備し、パノラマルーフやJBLプレミアムサウンドシステムなどもオプションで設定されている。

GR SPORTは見た目だけのスポーティ仕様ではない。

周波数感応型のFSCショックアブソーバーを採用し、走行状況に応じて減衰特性を自動的に調整。フロントストラットにはロードノイズや振動を低減するダイナミックダンパーも備える。

パワートレーンは1.8L HEVがシステム最高出力140ps、2.0L HEVが180ps、そして2.0L PHEVが223ps。PHEVはWLTP複合モードで最大66kmをEVのみで走行でき、市街地モードでは約100kmのEV走行が可能とされている。

さらに、走行ルート上の低排出ガスゾーンなどを考慮してバッテリー残量を管理し、必要に応じてEV走行へ切り替えるジオフェンシング機能も採用する。

ここで気になるのが、日本市場である。

初代C-HRは2016年12月に日本で発売され、個性的なクーペSUVとして人気を集めた。しかし2023年7月下旬に国内向けの生産を終了。その後、欧州で登場した2代目は日本へ導入されていない。

ところが現在、欧州にはもうひとつ「C-HR」の名を持つモデルが存在する。それがBEVの「C-HR+」である。

C-HR+は単にC-HRを電気自動車化したモデルではない。BEV向けのe-TNGAをベースとする独立したモデルで、全長4530mm、ホイールベース2750mmと、2代目C-HRよりひと回り大きなボディを持つ。

バッテリーは57.7kWhと77kWhの2種類。57.7kWhのFWDは167ps、77kWhのFWDは224psを発揮し、後者はWLTPモードで最長607kmの航続距離を実現する。

そして注目なのがAWDである。

77kWhバッテリーを搭載するAWDは前後モーターによってシステム最高出力343psを発揮。0-100km/h加速は5.2秒で、航続距離は仕様によって最大548kmに達する。従来のC-HRとは大きく異なる、高性能BEVとしてのキャラクターを持つ。

では、C-HRが日本で復活するとしたら、どちらになるのか。

初代C-HRの正統な後継という意味では、欧州型の2代目C-HRがわかりやすい。日本で需要の大きいHEVを用意し、223psのPHEVやGR SPORTまでラインアップするため、商品構成としても日本市場との親和性は高い。

一方、トヨタが国内のBEVラインアップをさらに拡充するなら、C-HR+という選択肢も考えられる。

C-HRという日本でも認知度の高い車名を持ちながら、343psのAWDまで用意するBEVというキャラクターは、従来のC-HRとはまったく異なる。HEV/PHEVの2代目C-HRと、BEV専用モデルのC-HR+。同じ名前を冠しながら、その役割は明確に分かれている。

ただし、2026年9月時点で2代目C-HR、C-HR+ともに日本導入は正式発表されていない。

日本からC-HRが姿を消している間にも、世界累計販売は210万台を突破した。そして欧州では2代目GR SPORTが進化する一方、343psを発揮するBEV「C-HR+」まで登場している。

2023年に途絶えたC-HRの名前が日本で再び復活するのか。HEV/PHEVの2代目か、それとも343psのBEV「C-HR+」か。海外で広がったC-HRファミリーの行方は、日本にとっても無関係ではない。