アメリカで人気のSUV 2車種が国内導入へ!




トヨタの『ハイランダー』は2代目までは『クルーガー』の車名で日本でも販売されていた過去がある。現行型ハイランダーは2019年11月にアメリカで発売された4代目だ。日産『ムラーノ』も同じく2代目まで日本でも販売されており、現行型は2025年1月発売の4代目となる。
先代RAV4やハリアーと共通プラットフォームを用いた大型SUVとなるハイランダーは、デザインもRAV4によく似ている。デザインに関してはムラーノの方が新しいだけあって先進的な印象だ。ムラーノの外観はキックスに似た最新のデジタルVモーションデザインを採用。インテリアにはアリアに見られるインパネの化粧板にスイッチを配置した意匠が組み込まれる。
両車のボディサイズは同じくらいだが、ハイランダーが7人乗りであるのに対して、ムラーノは5人乗りだ。また、ムラーノは左ハンドルだが、ハイランダーは右ハンドルとなる。最小回転半径はハイランダーが5.7m、ムラーノは5.6mでほぼ同じと言ってよいだろう。
ボディサイズが大きな両車は、とくに後席と荷室が広い。7人乗りとなるハイランダーの2列目にはスライド&リクライニング機構が備わっており、最後端位置にした状態での膝まわり空間はムラーノと同等となる。
両車の後席膝まわりは、トヨタ ハリアーと比べても拳1〜2個ぶん余裕があると聞けば後席の広さが想像しやすいはずだ。ただしハイランダーの3列目シートは狭く、小柄な人であっても短距離用か緊急用と割り切る必要がある。荷室はどちらもほぼフラットな状態になり、日本では持て余すほどの広さが確保されている。
シートが大きい点も両車の特徴と言えるだろう。後席座面もバックレストもアメリカンサイズとなっており、広い室内空間も相まって後席は大柄な成人男性でもくつろげる空間になっている。
しかし、そのぶんシートも厚く重いため後席格納時や展開時は相応の腕力を必要とする点は覚えておきたい。加えて、両車は荷室地上高もフロア高も高いため、子どもや高齢者の乗り降りは少々大変かもしれない。
トヨタ ハイランダー Limited ZR Hybrid
ボディサイズ=全長4950mm×全幅1930mm×全高1730mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=2060kg
タイヤサイズ=235/55R20(前後)
日産 ムラーノ SV
ボディサイズ=全長4900mm×全幅1980mm×全高1725mm
ホイールベース=2825mm
車両重量=1945kg
タイヤサイズ=255/55R20(前後)
燃費はHVのハイランダーが優位! ムラーノはVCターボで直接駆動


ハイランダーのパワートレインは、日本でも馴染み深い2.5L 直列4気筒のA25A-FXS型エンジン+THS-II+E-Fourの組み合わせだ。モーターのスペックは公表されていないがフロントに5NM型、リヤに4NM型を搭載していることからパワートレインの構成はトヨタ アルファードとほとんど同じと言ってよいだろう。
フロントモーターの5NM型は最高出力182ps/最大トルク270Nm、リヤの4NM型が54ps/トルク121Nmだ。ハイランダーのエンジンスペックはアルファードよりやや高く、ハイランダーのシステム出力は243psとなる。
一方、ムラーノに搭載されるエンジンは可変圧縮比ターボ(VCターボ)の2.0L 直列4気筒 KR20DDET型エンジンであり、言わばエクストレイルに搭載されるエンジンの4気筒版だ。ただしパワートレインはe-POWERではなく、VCターボエンジンの動力を9速ATを介して直接前後タイヤに伝える純ガソリン車の4WDだ。
ムラーノのエンジン最大トルク値はハイランダーのモータースペックを大きく上回る。しかし、発進加速性能は回転初速から最大トルクを発揮できるモーター駆動のハイランダーが高い。
燃費性能はもちろんハイブリッドとなるハイランダーが圧倒的に優れる。アメリカ本国の燃費性能値を換算すると、EPAレーティングで35mpgのハイランダーの燃費は約14.9km/L、23mpgのムラーノは約9.8km/Lだ。
ただし、日本とアメリカでは燃費の計測方法が大きく異なる。ハイランダーのスペックに近いアルファードのWLTCモード燃費が17.4km/L(ハイブリッドZ E-Four 7人乗り)であることから、ハイランダー、ムラーノともに実際は単純換算の燃費より良い数値となるだろう。なお、使用燃料は両車ともレギュラーだ。
トヨタ ハイランダー Limited ZR Hybrid
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=193ps/6000rpm
最大トルク=242Nm/4400rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
日産 ムラーノ SV
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1997cc
最高出力=245ps/5600rpm
最大トルク=352Nm/4400rpm
トランスミッション=9速AT
駆動方式=4WD
どちらも趣味的要素が強めな実用大型SUV


両車の新車価格はハイランダーの“リミテッド ZRハイブリッド”が860万円、ムラーノの“SV”が796万4000円となる。それぞれワングレード展開であるうえ、メーカーオプションの設定もないため価格は実にシンプルだ。
価格は3列シートのハイブリッドカーであるハイランダーの方が高い。その上、装備の面でもハイランダーの方が充実している。
どちらもディスプレイオーディオが標準装備であり、もちろんアダプティブクルーズコントロールも備わっている。快適装備に関しては両車とも前席はシートヒーター付きパワーシートとなるが、ステアリングヒーターはどちらにも備わらない。しかし、ハイランダーの前席にはシートベンチレーション機能が備わるのに対し、ムラーノは非搭載となる。ハイランダーはチルト&スライド機能付きパノラマルーフも標準装備だ。
細部の優劣はあるものの、どちらも現代のクルマとして標準的な装備は一通り揃っているため、大きなボディサイズによる取り回しの悪さを除けば国産車の延長として使えるだろう。
ただし、両車の細部は本国北米仕様のままである点に注意したい。メーターはマイル表示ではなくキロメートルだが、インフォテインメントシステム等は日本語非対応となる。ナビに関しては“Apple CarPlay”と“Android Auto”使用時はスマホの言語が用いられるため問題ない。しかし、コネクテッドシステムやラジオは搭載されているが使用できない。
そのほか、日本向け車両ほど塗装品質が高くない点や、故障時には部品納期が長いなどのデメリットもある。なにより、価格には輸入コストがプラスされているためコスパに優れたクルマとは言いがたい。しかし、両車は日本では希少な5m級のクロスオーバーSUVであり、同じくらいのサイズのオフロードSUVよりも室内空間が広いうえ、使い勝手や乗り心地でも優れる。
両車を端的に言い表すなら“趣味的要素を多分に含む実用車”と言えるだろう。ハイランダーは発売中だ。2027年初頭発売のムラーノは、すでに受注が始まっている。
車両本体価格
トヨタ ハイランダー Limited ZR Hybrid:860万円
日産 ムラーノ SV:796万4000円
