McMurtry Spéirling PURE
プロトタイプから大幅なアップデート

英国出身の起業家、デイビッド・マクマートリー卿によって2016年に設立されたマクマートリー・オートモーティブは、フル電動シングルシーターハイパースポーツカー「スピアリング」を2021年に発表。2023年にはトラックカー仕様の「スピアリング ピュア」プロトタイプを公開した。
スピアリング ピュアは、開発当初から「純粋なドライビングの興奮と楽しさ」を追求して設計。市販仕様はプロトタイプと比較して、95%のコンポーネントが刷新された。新しいエクステリアとインテリアデザインは、オリジナルのスピアリングの哲学を継承しながら、ヘッドライトの追加やリヤのファン吸気ダクトの形状をより空力を意識したデザインに変更している。
マクマートリーが独自開発した「ダウンフォース・オンデマンド・システム」は、ファン駆動方式のグランドエフェクトシステムにより、停止状態から最大2000kgものダウンフォースを発生。特に中低速セクションにおいて、最大3Gを超えるコーナリングが可能になった。
新開発の100kWhリチウムイオンバッテリーをホイールとドライバーの脚の間のスペースにU字型で搭載。リヤアクスルに配置された強力なモーターは1000PSもの最高出力を発揮し、0-60mph加速は1.55秒、最高速度は190mph(約306km/h)というスペックを実現した。
スピアリング ピュアは7月9~12日のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて特別展示。完全な市販仕様は、8月14日にカリフォルニアで開催される「ザ・クエイル」で初公開される。価格は99万5000ポンド(約1億9000万円)、英国コッツウォルズに新設されたマクマートリーの最先端工場で設計・生産され、デリバリーは2026年後半から開始される予定だ。
100kWhの大容量バッテリーを搭載

リチウムイオンバッテリーは、プロトタイプで採用されていた60kWhから容量を100kWhへ拡大し、連続走行時間が大幅に向上。マクマートリーが独自開発したモジュラー式バッテリー設計を導入したことで、将来的な性能向上やアップグレードにも対応できるよう設計された。
回生ブレーキのエネルギー回収性能が向上したことで、充電状態(SOC)にかかわらず、最大200kWの回生能力を発揮。新開発のヘリックス(Helix)製ドライブモーターを搭載し、トルク性能も大幅に強化された。これにアップグレードされたギヤボックスを組み合わせられている。
パワートレイン冷却システムを車両後方から前方へと移設したことで、クーリング効率とエアロダイナミクス性能が改善。スピアリング ピュア市販仕様は、100kWhバッテリー搭載のため車体サイズがわずかに拡大したものの、車体全体とリヤトンネル内部を流れるエアフロー効率が改善することになった。
ヘッドライトや新形状のリヤウイングを採用

オリジナルのスピアリングのデザイン哲学を忠実に継承しながら、エクステリアとインテリアデザインを刷新。新設計のカーボンファイバー製モノコックを導入し、世界的なモータースポーツ安全基準に適合させた。大型化したバッテリーへの対応に加えて、ドライバーの肘まわりや足元スペースが拡大。また、ドア開口部を大型化したことで乗降性を改善し、Aピラー位置の見直しによって視界も改善している。
ホイールベースは新しい100kWhバッテリーを搭載するため、2000mmから2200mmに延長。セカンダリードアはヒンジ式へと変更され、ヒンジ間隔も広げられたことで優れた乗降性を実現した。リヤセクションにはスワンネック式リヤウイングを採用。その下部にはヘルメットやHANSデバイスを収納できるラゲッジスペースも設けられている。
ヘッドライトを搭載したことで、夕方や夜間のサーキット走行にも対応。ウインカー、ハザードランプ、ブレーキランプ、パッシング機能など、トラックデイ向けの安全装備も標準装備される。
「ダウンフォース・オンデマンド・システム」は、耐久性を向上させた新設計のファンブレードを採用。新型ファンモーターと冷却システムを導入し、システム全体の搭載位置を変更した。車体下面のダウンフォーススカートは耐久性とストローク性能を向上し、数千kmにわたる走行にも耐えられる強度が確保されている。
ダウンフォーススカートの一部として、車載エアコンプレッサーを搭載。これにより、スカートを独立して格納できるようになり、トレーラーへの積載時やピット内での低速走行時の操作性が大幅に向上した。プロトタイプでは、システムを作動させるために外部エアボトルによる事前加圧が必要だった。
「マクマートリー スピアリング ピュア」市販仕様を動画でチェック!

