スバルが長年国内ラインアップで空白としてきた3列シートモデルが、いよいよ復活する可能性が高まってきた。

SUBARUは2026年6月、北米で販売する大型SUV「アセント(ASCENT)」の日本導入を検討していることを明らかにした。入手した情報によると、2026年11月頃の発売が有力なスケジュールとして検討されているという。正式発表はまだ行われていないものの、長らく3列シート車を待ち望んできたスバルファンにとっては大きなニュースと言える。

かつてスバルには「エクシーガ」、そしてSUVテイストを強めた「エクシーガ クロスオーバー7」がラインアップされていた。しかし両車の販売終了以降、国内市場から3列シート車は姿を消している。


現在はクロストレックやフォレスター、レヴォーグ レイバックなど魅力的なSUVが揃う一方、家族構成の変化を機に3列シート車を求めて他メーカーへ乗り換えるユーザーも少なくなかった。そうした意味でも、アセントは長年埋めることができなかったラインアップの空白を補う存在として期待される。

もっとも、アセントはエクシーガの後継車というより、スバルにとって新たな市場を担うモデルと捉えるべきだろう。
最大の違いはボディサイズである。北米市場向けに開発されたアセントは全長約5000mm、全幅約1930mmという堂々としたサイズを誇り、日本で販売されるスバル車としては最大級のSUVとなる見込みだ。エクシーガのようなミドルサイズワゴンとは、商品コンセプトそのものが大きく異なる。
その大柄なボディには明確な理由がある。室内には7人乗りと8人乗り仕様を設定し、大人でも無理なく座れる3列目シートと十分なラゲッジスペースを確保。パワートレインには2.4L水平対向4気筒ターボエンジンとシンメトリカルAWDを組み合わせ、悪路走破性と高速巡航性能を両立した北米仕込みのパッケージを採用している。

つまり、低重心パッケージを生かしながらミニバンに近い実用性を追求したエクシーガとは異なり、アセントはマツダCX-80などと競合する本格3列シートSUVという立ち位置になる。
一方で、「日本には少し大きすぎるのではないか」という声があるのも事実だ。全幅約1.9mというサイズは、狭い住宅街や立体駐車場では取り回しに気を使う場面も少なくないだろう。
それでも、スバルがアセントの日本導入を検討する背景には、市場環境の変化がある。
近年はミニバン一辺倒ではなく、3列シートSUVを選ぶユーザーが着実に増えている。マツダCX-80のように、多人数乗車とSUVらしい走行性能を両立したモデルへの関心は高く、アセントもそうしたニーズを見据えた戦略車と考えられる。

スバルにとっては、既存ユーザーの受け皿という意味合いも小さくない。これまでフォレスターやアウトバックなどに乗っていたユーザーが、家族構成の変化を理由に3列シート車を求め、他メーカーへ乗り換えるケースは少なくなかった。アセントが加われば、そうしたユーザーをスバルブランドにつなぎ留める新たな選択肢となる可能性がある。
さらに、北米生産車を日本へ導入しやすくする認証制度の見直しも追い風になりそうだ。これまで国内導入が難しかった海外専売モデルにも道が開かれつつあり、アセントもその流れを受ける1台となる可能性が高い。
もちろん、日本仕様の詳細はまだ明らかになっていない。価格やグレード構成、安全装備などについては正式発表を待つ必要がある。
ただ、アセントはエクシーガの後継というより、スバルがこれまで手薄だった大型3列シートSUV市場へ本格参入するための新たなフラッグシップと捉えた方が分かりやすいだろう。国内ラインアップに不足していたカテゴリーを補完するとともに、ブランド全体の商品力を底上げする役割も期待される。

約四半世紀にわたり国内で3列シート車を展開してきたスバルにとって、その空白を埋める意味は決して小さくない。大柄なボディという課題はあるものの、スバルらしい走行性能や安全性能に加え、多人数乗車という新たな価値を提供できれば、有力な選択肢として受け入れられる可能性は十分ある。
正式発表までにはまだ時間があるが、日本仕様がどのような装備や仕様で導入されるのか。そしてスバルの国内SUV戦略の中でどのような役割を担うのか。アセントは久々に登場する3列シートモデルとして、その動向から目が離せない存在となりそうだ。
スバルは3列シートSUV「アセント」を日本で売るのか!? 米国で生産される左ハンドル仕様の導入を検討中 | Motor Fan|自動車情報のモーターファン