次期型ではZ12E1.2L直3を軸に電動化をさらに一段進める可能性
スズキのコンパクトトールワゴン「ソリオ」に、次期型へ向けた動きが見えてきた。現行型は2020年12月に登場しており、モデルサイクルから考えれば、次のフルモデルチェンジは2027年後半から2028年にかけて行なわれる可能性がある。

現行ソリオは2025年1月に大規模なアップデートを実施したばかりだ。フロントマスクを刷新しただけでなく、パワートレーンにはスイフトで先行採用されたZ12E型1.2L直列3気筒エンジンとCVTを導入。さらに全車をマイルドハイブリッド化した。

Z12Eは従来のK12C型1.2L直列4気筒から大きく設計を変更した新世代エンジンであり、現行ソリオでは2WD車でWLTCモード22.0km/Lを実現している。
つまり2025年の改良は、単なるモデル末期のテコ入れとは少々意味合いが異なる。次世代スズキ車へ展開する新しいパワートレーンを、ソリオにも先行して与えた形だからだ。そして次期型では、このZ12Eを軸に電動化をさらに一段進める可能性が浮上している。
現在のマイルドハイブリッドは、ISG(モーター機能付発電機)がエンジンを補助する比較的シンプルなシステムだ。一方、次期型ではモーターの役割を拡大し、発進や低速域を含めて電動アシストを強化した新世代ハイブリッドが設定される可能性がある。
スズキ自身も小型・軽量という自社の強みを生かした電動化技術の開発を進めている。重量やコストを大幅に増加させず、燃費と走行性能を引き上げられるシステムを採用できれば、次期ソリオの大きな武器となりそうだ。
ボディサイズについては、5ナンバー枠を維持することが基本線となるだろう。現行型は全長3790mm×全幅1645mm×全高1745mm、ホイールベース2480mm。次期型では全長を3800~3820mm程度まで拡大する一方、全幅は1650mm前後に抑えるという情報もある。
ホイールベースもわずかに延長されれば、後席居住性を確保しながら直進安定性を高めることができる。全幅をむやみに拡大しないことは、日本の道路環境で使われるソリオにとって重要なポイントとなる。
今回制作した予想CGでは、こうした次期ソリオの姿を大胆に表現した。基本シルエットはソリオらしいスクエアなフォルムを維持する一方、フロントには左右へ大きく伸びる薄型LEDデイタイムランニングライトを配置。大型グリルと縦型LEDユニットを組み合わせ、現行型よりもワイド感を強調した。
ブラックアウトしたAピラーからルーフ、Dピラーまでを連続させることでフローティングルーフ風の処理とし、バンパー両端には大型のブラックパーツを配置。コンパクトトールワゴンの実用性を残しながら、SUVにも通じる力強さを与えている。
シャシーについても進化がありそうだ。次期型では軽量プラットフォーム「HEARTECT」をさらに改良し、ボディ剛性や操縦安定性を向上させることが考えられる。
背の高いトールワゴンでは重心高に起因するロールをどう抑えるかが走りの質を左右する。電動化による低速トルクの向上とシャシー性能の底上げを組み合わせれば、次期ソリオは単に「広くて便利なコンパクトカー」から、走りの質まで重視したモデルへ変化する可能性がある。
安全装備もさらにアップデートされるはずだ。現行型はすでにデュアルセンサーブレーキサポートII、車線維持支援機能、全車速追従ACCなどを採用しているため、次期型では検知能力や高速道路での運転支援機能の高度化が焦点となる。
ライバルのトヨタ「ルーミー」も次世代モデルへの移行が注目されており、今後はコンパクトトールワゴンでも電動化競争が本格化する可能性が高い。
ソリオが守ってきた「5ナンバーサイズ+広い室内+スライドドア」という基本パッケージは変える必要がない。その強みに新世代ハイブリッドと走りの進化を加えられるか。次期型最大のポイントは、そこになりそうだ。



