エクステリアデザインの中心は、鋼が本来もつ張りと強さを示す筋肉質なフェンダー
ヒョンデのツーソンは、2004年に初代が登場したSUVだ。日本でも一時、初代が「JM」の車名で販売されていたのを覚えている方もいらっしゃるだろう。そのツーソンが5代目に生まれ変わり、2026年10月1日にニューヨークでグローバル公開された。

ツーソンはヒョンデのSUVで世界販売台数が最も多い主力モデルだ。累計販売台数は、中国専用モデルを含めると1110万台を超える。新型は、デザイン言語「Art of Steel」にもとづいて内外装を一新した。その考え方はボディの面の扱いからライト類、そして室内のクッションにまで及んでいる。

新型ツーソンを横から見ると、まず目に入るのはフェンダーの張り出しだ。ヒョンデによれば、新型のエクステリアはこのフェンダーを中心に組み立てたのだという。鋼がもつ張りと強さをフェンダーのボリュームで表現し、抑えたドアの面と対比させる。こうして構造的な強さと路上での存在感を両立させることが、「Art of Steel」の狙いだ。

ボディは従来型より長く、幅広く、背も高くなった。ロングホイールベース(LWB)モデルのサイズは全長4700mm、全幅1905mm、全高1685mm(ルーフラック装着車は1700mm)、ホイールベース2785mm。従来型に対して全長が60mm、全幅が40mm、全高が20mm、ホイールベースが30mm拡大している。フロントオーバーハングは915mm、リヤオーバーハングは1000mmで、フロントは歩行者保護のために20mm延長された。ホイールは17〜20インチが用意され、最大タイヤサイズは235/50R20となる。
建築照明から着想したライティング「H-Edge」が印象的なフェイスをつくり出す
新型ツーソンの正面に回ると、横長のスリムなセンターランプと左右両端の縦型デイタイムランニングライトが目を惹く。これは「H-Edge」ライティングと呼ばれ、建築照明から着想したもの。縦と横の光を組み合わせることで水平方向の伸びを強調し、ワイドで安定した印象をつくり出している。
センターランプは光源が外から直接見えない間接照明となっており、柔らかな光でフロントの立体的な面を浮かび上がらせる。

後ろ姿も、同じ考え方でまとめられている。左右に縦型のリヤコンビネーションランプを置き、その間を横長のスリムなセンターテールランプでつなぐことで、フロントと統一感のあるライティングを実現している。
ランプの名称は「Prism Rear Lamps」。レンズは3次元的に突き出した構造で、透明なレンズの縁に光がとどまっているように見せ、点灯するとレンズ内部の精巧なパターンが浮かび上がる。

また、ヘッドライトにはオプションでマイクロピクセルライティング(MPL)を設定。2万5600個のLEDピクセルで構成され、配光パターンを細かく制御するだけでなく、雨天時のガイド表示、乗降時のウェルカム/フェアウェルアニメーションに対応する。
インパネは上下を分けた「フローティング構造」とし、視覚的な開放感を表現
インテリアを見てみよう。インストルメントパネルは、上下ふたつの層に分かれたデザインが特徴だ。左右のエアベントを結ぶ水平線を境に、上段と下段を分離して見せる「フローティング構造」で、その狙いは視覚的な開放感にある。

水平に伸びる上段は、視覚的な落ち着きとわかりやすさを受け持つ。その下には深いオープントレイを設け、収納にあてた。形と機能を、上下で分けたのである。
そのうえで、インストルメントパネル上部、ドアトリム、コンソールアームレストには、ボリュームのある柔らかなクッションを用いた。写真では、助手席側の上段に沿ってアンビエントライトが走り、その下に縦に区切られたクッションが並ぶのが見える。ヒョンデはこの室内を「furnished space(家具を備えた空間)」と呼ぶ。家庭の家具のような快適さを、クルマに持ち込んだというわけだ。

運転席まわりは、操作系をドライバーの自然な視線の範囲に収める考え方でまとめた。ステアリングホイールは上下をカットした「ダブルDカット」で、その奥のステアリングコラム上に9.9インチのスリムディスプレイを置く。
センターのタッチスクリーンは17インチまたは12.9インチ。空調やオーディオなどよく使う機能は、その下に並べた物理ボタンで操作する。
シフトレバーはセンターコンソールからなくなった。シフトバイワイヤ式のレバーを、ステアリングコラムに設けたためだ。空いたコンソールではアームレストを延長し、タッチスクリーンを操作しやすくした。さらに15Wのワイヤレス充電パッド2基と、小物を隠して収納できるトレイも組み込み、ミニマルな見た目としている。

室内寸法は前席ヘッドルームが1036mm、後席レッグルームが1064mm、前席ショルダールームが1470mm。後席ヘッドルームは従来型より29mm増えて1031mmとなった。後席ドアは従来型の73度から83度まで開くようになり、乗り降りもしやすくなっている。
ラギッドな「XRT」もラインナップに用意。「XRT PRO」はリカバリーフックも装備
ラインナップには、オフロードを意識したトリムの「XRT」も用意される。フロントまわりでは、標準モデルのグリルが横桟基調なのに対して、XRTは銀色の枠で囲んだメッシュ状のグリルを左右に分けて配置。ホイールアーチや下部のクラッディングにはフォージドカーボン風のモチーフを施し、バンパーとスキッドプレートの造形でよりラギッドなイメージを強調している。

XRT PROは、さらにオフロード志向に寄せたモデルだ。フロントにはリカバリーフックを備え、最低地上高は標準モデルより30mm高い210mmとした。さらに、ヒョンデとして初めて「スマートテレインアシスト(STA)」を搭載するのもトピック。路面状況から走破の難易度を判定し、グリーン、オレンジ、レッドの3色で表示する機能だという。


パワートレインはガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドの3種類を設定
パワートレインは、ガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドの3種類を設定する。ガソリンは1.6L直噴ターボと2.0Lの2種類で、韓国仕様の最高出力は150〜193PS。トランスミッションは仕様により6速MT、7速DCT、8速AT、6速ATを組み合わせる。
ハイブリッドは2基のモーターを組み合わせ、韓国仕様のシステム出力は236〜245PS。一部市場に設定するプラグインハイブリッドは292PSを発生し、EV走行距離は81km(推定値)とされる。
なお、スポーティなキャラクターをもつ新型ツーソンの派生モデルが、10月12日に開幕するパリモーターショーで公開される予定だ。

