GRモデルへつながる5ドアハッチバックには独自の役割が

世界的にSUV人気が続くなか、トヨタ「カローラ」ファミリーでも存在感を増しているのが「カローラクロス」である。一方、低い車高とスポーティなスタイルを特徴とする5ドアハッチバック「カローラスポーツ」は、次世代でも生き残るのだろうか。

現行カローラスポーツは2018年に登場。日本仕様は現在、1.8Lハイブリッドに一本化されている。

トヨタ カローラスポーツ 次期型 予想CG

2026年7月13日には一部改良を実施するとともに、カローラ誕生60周年を記念した特別仕様車「G“Z・ACTIVE ELEGANCE”」を設定。G“Z”には切削光輝+ブラック塗装の18インチアルミホイールが標準装備され、ボディカラーも見直された。特別仕様車には60周年ロゴや専用内装などが与えられている。価格帯は253万1600円~343万8000円だ。 

とはいえ、現行型はすでに登場から8年。気になるのは、その先である。

次世代カローラを考える大きなヒントとなるのが、2025年のジャパンモビリティショーでトヨタが公開した「COROLLA CONCEPT」だ。

トヨタ カローラスポーツ 現行型

市販型そのものではないが、トヨタは同コンセプトで「世界の『道』に対応したバリエーション展開」と「技術革新で自由なパッケージの実現(Multi-Pathway)」を掲げた。つまり、次世代でもカローラをひとつのボディやひとつのパワートレーンに集約するのではなく、地域やユーザーに合わせて幅広く展開する考えが示されている。

そこでスクープ班では、入手している情報と最新のトヨタデザインをもとに、次期カローラスポーツの姿を予想CGで制作した。

フロントでは近年のトヨタ車に広がる「ハンマーヘッド」をさらに進化させ、横方向へ伸びるLEDデイタイムランニングライトと薄型ヘッドライトを組み合わせた。フロント中央はボディ同色面を大きく取り、バンパー下部にはワイドな開口部を配置。現行型が持つスポーティなキャラクターを、より低くワイドに見せる方向へ発展させている。

サイドでは、5ドアハッチバックらしい凝縮感を重視した。

現行型のボディサイズは全長4375mm×全幅1790mm×全高1460mm。次期型でもSUVのように車高を上げるのではなく、低いルーフと短いリアオーバーハングを生かしたスタイルを維持するとスクープ班では予想する。

リアについても、ワイド感を強調する薄型コンビネーションランプや大型のブラックガーニッシュを採り入れ、フロントと同様に低重心感を強調した。

もちろん、今回のCGは市販型のデザインを示すものではない。現時点でトヨタは次期カローラスポーツの存在そのものを正式発表しておらず、5ドアハッチバックが次世代でも継続されるかどうかも明らかになっていない。

では、SUV全盛の現在、それでもカローラスポーツが生き残るとすれば、その理由はどこにあるのか。

ひとつは、カローラクロスとの明確なキャラクターの違いだ。

カローラクロスが高い着座位置や室内空間、SUVらしい使い勝手を武器とするのに対し、カローラスポーツには低い着座位置と低重心を生かした走りという役割がある。SUVだけではカバーできない選択肢をカローラシリーズに残せることは、5ドアハッチバックを継続する理由になり得る。

さらに無視できないのが「GRカローラ」の存在だ。

現行GRカローラは、カローラスポーツと基本骨格を共有しながら、ワイドなボディや専用サスペンション、高性能パワートレーンなどを与えた本格スポーツモデルである。

もちろん、次世代GRカローラが現在と同じ成り立ちになる保証はない。ただ、現在のカローラファミリーにおいて、5ドアハッチバックとGRモデルが密接な関係にあることは確かだ。

パワートレーンについても変化がありそうだ。

トヨタは次世代カローラについて、Multi-Pathwayによる幅広い展開を示唆している。したがって次世代シリーズでは、HEVだけでなく、地域や用途に応じて内燃機関、PHEV、BEVなど複数のパワートレーンに対応する可能性がある。 

ただし、これはあくまで次世代カローラシリーズ全体について示された方向性であり、次期カローラスポーツにPHEVやBEVが設定されることが決まったわけではない。

現行カローラスポーツは2026年7月に一部改良を受けたばかりであり、次期型の発売時期を断定できる段階でもない。 

それでも、カローラクロスとは異なる低重心の走りを担い、さらにGRモデルへつながる5ドアハッチバックには独自の役割がある。

SUVのカローラクロスとは違う「走り」を求めるユーザーの受け皿として、次世代でもカローラスポーツが残る余地はありそうだ。