ホンダ「パスポート」とは? ランクル250とも比較したい本格オフロード系SUV

国土交通省が創設した「米国製乗用車に関する認定制度」を活用し、日本市場での発売が正式に発表されたホンダのSUV「パスポート」。
アメリカのアラバマ工場で生産された車両が輸入され、日本仕様には最上級グレードの「TRAILSPORT ELITE」のみが設定される。今のところ2026年後半から順次発売とアナウンスされているが、現地アメリカで試乗する機会を得ることができたので詳細をレポートしていこう。

現在、パスポートを除き日米共通で販売されているホンダのSUVは、HR-V(日本名はZR-V)とCR-Vの2モデル。いずれも街乗りを重視したクロスオーバーSUVだが、パスポートは本格的なクロスカントリー性能を重視したオフロード系SUVだ。
駆動方式は全車4WDで、リヤアクスルにトルクベクタリング機構を採用したホンダ独自のAWDシステムであるi-VTM4を搭載している。

全幅2m超のワイドボディに3.5L V6エンジンを搭載、無骨でタフなスタイリングが魅力

ボディサイズは、現時点では北米仕様のホームページを元にインチからミリメートルに換算した数値となるが、全長が4864mm、全幅が2017mm、全高が1857mm。ホイールベースは2885mm。最低地上高は210mm、アプローチアングルは23度、ディパーチャーアングルは23.1度となっている。

パスポートはあくまでモノコックボディを採用するSUVだが、日本で大きさ的にもキャラクター的にもライバルとして比較しやすいのがトヨタのランドクルーザー250。全長と全高はランクル250の方が大きい一方、全幅はパスポートの方がワイドで、ホイールベースもパスポートの方が幾分伸びやかだ。
無骨でタフな外観ながら、クロスオーバー系を思わせる背の低さと、ワイドスタンスが際立つプロポーションがパスポートの持ち味、と言っていいだろう。

パスポートのような、クロスオーバー以上、トラック未満の走破性を商品性としてアピールする、あくまでアメリカの基準で「中型」に該当するSUVは、アメリカではポピュラーな存在だが、日本では少しイメージしにくい存在だ。実際のところ日本の道路環境では2mを超える全幅は、少々気になるところ。最小回転半径も決して狭くはないだろうから、ある程度は乗り手を選ぶSUVであることは気に留めておきたい。
エクステリアは、まさにラギッドという表現がピッタリで、街中の舗装路をしゃんしゃん走っているより、泥を被りながら道なき道を猛進する姿がお似合いだ。車体前後に大きく“PASSPORT”と彫り込まれたロゴもかっこいい。

「TRAILSPORT ELITE」はベルリナブラック塗装と切削光輝処理が施された専用デザインの18インチアルミホイールも装備。試乗車はアメリカンブランドGeneral Tireのオールテレーンタイヤ、Grabber A/T Sportが装着されていたが、日本仕様も同じ組み合わせになるのだろうか?
パワートレインは3.5リッターV6ガソリンエンジンと10速ATの組み合わせ。最高出力は285hp(289ps)/6100rpm、最大トルクは262lb-ft(355Nm)/5000rpmとなっている。

Google搭載の先進コクピットに7種類のドライブモード! オフロードで役立つ機能も充実

水平基調のインパネには12.3インチのタッチスクリーンが備わり、こちらも中央に“PASSPORT”のロゴが入っている。シフトセレクターは最近のホンダ車ではお馴染みとなってきている、ボタン式の電子制御式を採用。近くにパーキングブレーキやドライブモードの切り替えスイッチが備わる。

メーターは10.2インチのフルデジタルで、画面レイアウトの切り替え機能も搭載。車体のピッチ角やロール角、四輪のトルク配分など、さまざまな情報表示に対応。北米仕様にも速度や距離の単位をmph(マイル・パー・アワー)/マイルからkm/hとキロメートルに変更する機能が備わっていた。

車載OSはGoogleが供給するGoogle-built-inが採用され、ナビゲーションとしてGoogleマップがプリインストールされていた。メーター内に地図を表示する機能も備わっていたが、この辺りが日本仕様でどうなるかは気になるところ。ホンダは日本仕様でもGoogle搭載モデルを拡充してきているので、パスポートもナビゲーションなどがストレスなく利用できる仕様になっていることを期待したい。

センターコンソールにはスマートフォンのワイヤレス充電器が備わり、その周りが等高線を描いた地形図のようなデザインになっていた。USBは通信用と充電用のタイプCを各1個ずつ装備。

ドライブモードはノーマル、ECON(エコ)、スポーツ、スノー、トレイル、サンド、トー(けん引モード)の7種類を設定。これもそのまま日本仕様に受け継がれるかどうかはわからないが、日本でも使い勝手のいいスノーモードはぜひとも設定してもらいたいところだ。

また、「TRAILSPORT ELITE」にはマルチビューカメラシステムが標準装備されており、画面を呼び出すスイッチが右のワイパー操作用コラムレバーの先端に付いていた。これは他のホンダ車でも見られることのある装備だが、全幅が大きいパスポートは特にフロントカメラの映像を確認したいシチュエーションは多くあるはず。スイッチがインパネにあると「どこだっけ?」と少し探すのに手間が掛かりがちだが、コラムレバー先端だとすぐに使えて便利である。

予防安全装備のHonda SENSINGも当然採用されており、アダプティブクルーズコントロールも装備。ステアリング右側のスイッチで速度や車間距離の調整ができる。

広々とした後席に快適装備も充実! 最上級グレード「TRAILSPORT ELITE」の室内空間

シートはパーフォレーテッドレザーが採用され、ヘッドレストには“TRAIL SPORT”の刺繍が施されている。前席シートヒーターのほか、「TRAILSPORT ELITE」はリヤのシートヒーターと前席のシートベンチレーションも装備されている。

後席は膝前のクリアランスは約200mm、頭上は約160mmと、かなり広い。リヤ用の独立したエアコン操作パネルと送風口、USBタイプC×2個と、AC115V 150Wのアクセサリーコンセントも装備されていた。

と、前編はここまで。後編は試乗インプレッションとラゲッジスペースなどを中心にレポートする。

