BMWの走る楽しさをコンパクトな車体に凝縮

BMW Motorradは2026年10月1日、新型ネイキッドバイク「F 450 R」を発表した。最高出力35kW(48馬力)、走行可能状態での車重175kgという構成で、欧州のA2免許区分に対応する。軽量な車体と扱いやすいエンジンを組み合わせ、幅広いライダーが楽しめるモデルを目指した。

F 450 Rは、F 450モデルファミリーの一員として、ネイキッド専用に開発された。F 450 GSの技術を基礎としながら、車体の設定やエンジンの特性をロード走行に合わせて調整。軽快なハンドリング、ライダーへの明確な反応、親しみやすさを重視している。

外観には、高性能ネイキッド「S 1000 R」に通じるデザインを採用した。コンパクトな車体にもBMWのスポーティーな表情を与え、走りへの意欲を視覚的にも表現する。BMW Motorradのマルクス・フラッシュCEOは、同社が長年培ったネイキッドの伝統を、より身近なサイズに落とし込んだモデルと位置づけている。

420cc並列2気筒とクラッチ操作を支援する新機構

エンジンは、F 450 GSで初採用された新開発の420cc並列2気筒を搭載する。最高出力は8750rpmで35kW、最大トルクは6750rpmで43Nm。3000rpmの時点で最大トルクの約80%を発生し、低回転域から力強く加速できる特性を持つ。

135度のクランクピン位相とバランサーシャフトを組み合わせ、滑らかさと個性を両立させた。F 450 R向けにはロード走行に適した調整を施し、車体下部のステンレス製マフラーとともに特徴的なサウンドを生み出す。排出ガス規制のユーロ5+にも適合する。

公表燃費は100km当たり3.8リットルで、14リットルの燃料タンクにより350km以上の航続距離を確保するという。整備間隔は1万km。軽快な走りだけでなく、日常の移動やツーリングでの使いやすさも意識した仕様だ。

注目の装備が、オプションの「イージー・ライド・クラッチ(ERC)」である。エンジン回転数に応じてクラッチを接続し、発進や停止時の操作を支援する。「シフト・アシスタント・プロ」と組み合わせれば、クラッチレバーを操作せずに発進、停止、変速が可能になる。レバー自体は残され、必要に応じてライダーが操作できる。

トランスミッションは6速で、後輪へはチェーンで駆動力を伝える。クラッチ操作なしのシフトアップとシフトダウンを支援するシフト・アシスタント・プロは、ベース仕様を除いて標準装備となる。

専用の車体設定と充実した電子制御

車体には、エンジンを構造部材として組み込んだ鋼管製フレームを採用する。ネイキッド向けの専用設定と短いホイールベースにより、軽快な旋回性を追求。車体の軽量化と合わせて、ライダーが進路を変える際の扱いやすさを重視した。

フロントには直径43mmのKYB製倒立フォークを装備する。スポーツサスペンション仕様では、伸び側と圧側の減衰力を調整できる。リアは中空鋳造アルミニウム製の両持ちスイングアームとKYB製ショックを組み合わせ、スプリングのプリロードと伸び側減衰力を調整可能とした。

ホイールは前後17インチのアルミ鋳造製で、タイヤサイズは前110/70、後150/60。フロントブレーキには310mmディスクとブレンボ製4ピストン・モノブロックキャリパーを採用する。リアは240mmディスクとByBre製シングルピストンキャリパーを備える。

電子制御も充実している。車体が傾いた状態での制動を支援するABS Proに加え、ブレーキング時の意図しないスロットル操作を抑えるDBC、トラクション制御のDTC、エンジンブレーキに伴う後輪の挙動を制御するMSRを標準装備。「Rain」「Road」「Dynamic」の3つの走行モードで、状況や好みに応じた設定を選べる。

790mmのシート高、装備に応じて選べる4仕様

標準シート高は790mmとし、ライダーに近い位置へ配置したアルミ製ハンドルとともに、操作しやすい乗車姿勢を目指した。アクセサリーのシートを使えば、775mmまたは810mmへ変更できる。シート下の細身な形状も、足を地面へ伸ばしやすくする要素となる。

メーターには6.5インチのTFTディスプレイを採用する。スマートフォン連携による通話、音楽再生、ナビゲーションに対応し、コックピットにはUSB-C端子も用意した。灯火類はLEDで、グリップヒーターも標準装備となる。

ラインアップは「Base」「Exclusive」「M Sport」、そしてイノベーションパッケージ付きの「M Sport」の4仕様。Exclusiveはシフト・アシスタント・プロとスポーツサスペンションを追加する。M Sportはさらに、個別設定が可能な「Dynamic Pro」を含むライディングモードProを備える。

イノベーションパッケージ付き仕様にはERCを装備し、そのほかの仕様にもアクセサリーとして後付けできる。F 450 Rは、軽量な車体と低回転域から使いやすいエンジンに、電子制御や快適装備を重ねた一台だ。

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