新世代のライダーに向け、F450シリーズを拡充

BMW Motorradは、イタリア・ミラノで開催されるEICMA 2026で、新型「F450R」「F450RR」と「M1000RS」を発表した。扱いやすさを重視したモデルから、レース由来の技術を投入した高性能車まで、幅広いライダーに向けたラインアップを披露している。

今回の発表で柱となるのが、F450ファミリーの拡充だ。GSにネイキッドのR、スーパースポーツのRRが加わり、異なる用途や好みに応える3モデルがそろった。欧州のA2免許に対応する48馬力のカテゴリーで、BMWの世界に初めて触れる人や、久しぶりにバイクに乗る人にも選択肢を広げる。

BMW Motorradは、技術革新や高性能の追求とともに、新しい世代がバイクを楽しみやすい環境づくりを重視する。今回の新型車は、その方向性を具体化したものといえる。ブランドの入り口を広げながら、上級モデルでは走りの可能性を追求する構成だ。

F450RとRR、共通のエンジンで異なる走りを提案

F450Rは、軽快さと直感的な扱いやすさを目指したスポーツネイキッドだ。走行可能状態での重量は175kg、シート高は790mm。乗車姿勢を含め、幅広いライダーが親しみやすい設計としている。

搭載するのは、135度のクランクシャフト構成を持つ420cc並列2気筒エンジン。最高出力は48psで、滑らかな作動と特徴的なサウンドを両立するという。新しい「Easy Ride Clutch」も採用し、操作のしやすさを追求した。

装備面では、3つのライディングモード、ABS Pro、トラクションコントロール、グリップヒーター、フルLEDライト、6.5インチTFTディスプレイなどを標準装備する。小排気量クラスでも電子制御や快適装備を充実させた点が特徴だ。

一方のF450RRは、同じ420ccエンジンをベースに、RRシリーズのスポーツ性を取り入れたモデル。最高出力48馬力、最大トルク43Nmを発生し、走行可能状態での重量は177kgとなる。

専用の車体設計や17インチホイールに加え、S1000RRを思わせる外観、ウイングレット、非対称のフェアリングを採用。標準のRaceモードに加え、オプションではRace Proモードとラップタイマーも用意する。日常のライディングからサーキットへの関心まで、スポーツバイクを楽しむ入り口を担う一台だ。

218psのM1000RS、レース技術をネイキッドへ

発表のハイライトとなったのが、世界初公開のM1000RSだ。BMW M RRで培った技術を取り入れ、ハイパーネイキッドの領域で高性能を追求する。

最高出力は218馬力、車両重量は196kg。公表値によるパワーウエイトレシオは約1.11ps/kgで、BMWは世界最強クラスのハイパーネイキッドとして位置づける。名称のRSは「Rennsport」を意味し、RS255やRS54といった歴史的なレーシングマシンとのつながりも示している。

M RR由来のエンジンに加え、カーボン製ウイングレット、フルチタン製エキゾースト、表面にブラッシュ加工を施したアルミ製燃料タンクを採用。各部にもカーボンファイバー製部品を用い、出力だけでなく素材や構成からも特別なモデルであることを表現する。

F450シリーズが親しみやすさを担うのに対し、M1000RSはブランドの技術力を示す存在だ。異なる方向からライディングの魅力を伝える3台が、今回の出展の中心となっている。

限定車とコンセプトモデルで伝統と未来を提示

会場では、新型車に加えてニュルブルクリンクとの結びつきを記念した3つのM限定モデルも展示する。M1000R、M1000RR、M1000XRを通じ、モータースポーツの伝統と特別なデザインを紹介する。

さらに、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで披露された「K18Concept」も登場。存在感のある車体と彫刻的な造形、ボクサーエンジンの新たな表現によって、ツーリングモデルのデザインの可能性を示す。

レース分野では、FIM世界耐久選手権のタイトル獲得に貢献したM1000RRを展示。過酷な競技で得た経験を市販車の開発につなげる、BMW Motorradの取り組みを伝える。

今後の展開としては、次世代スーパースポーツモデルやGSファミリーの新たなモデル、コンセプトを基にしたR20の生産開始にも言及した。新しいライダーを迎えるモデルと、性能やデザインを追求するモデル。その両方を展開する姿勢が、EICMA2026の展示から見えてくる。

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