パイピング分解、その中には…

新たな助っ人を迎えて更なる分解作業に着手!

シリンダー内部への浸水はなかったと見られ、ひとまず安心。しかし、エンジンの前後に配置されたパイピング内部がどうなっているのかは、まだ確認できていない。

今回助っ人として登場してくれたのは、関東工業自動車大学校1年生の左からヅカちゃん、コーキ君、ココロちゃん。

今回の作業をサポートしてくれているドリフト系チューニングショップ「ガレージミサイル」の宮本さん。その息子であるコーキ君が、関東工業自動車大学校の仲間たちを引き連れ、エンジンまわりのさらなる分解作業に取り掛かってくれた。

もちろん、お題となっているD21は現物合わせで製作された改造車。整備要領書なども存在しないため、目で見て構造を把握しながら作業を進めるしかない。フロントバンパーを取り外すだけでも試行錯誤を繰り返していたが、着実に分解を進めていく若者たちの姿を見て、良い教材を与えられたと勝手に満足感に浸っていたのはナイショの話だ。

ようやくフロントバンパーを取り外し、続いてインタークーラーの撤去に取り掛かる。タイヤハウス側からアクセスしてホースバンドを緩め、コアサポートに固定されているステーを取り外せば、車体から切り離すことができる。

この段階ですでに、内部に水が溜まっていることがわかるほど、チャプチャプと音が鳴っていた。そこでバケツを用意して水を排出してみると、なんと1Lを超える量の水が出てきた。インタークーラーだけでこれほどの水が溜まっていたのだから、ほかのパイピング類にも水が残っていることは容易に想像できる。

続いて、タービンへとつながるインテークパイプを取り外していく。ステーを固定しているボルトを外し、エアフロセンサーのカプラーを抜く。あとはタービンにつながるシリコンホースのバンドを緩めれば、取り外すことができる。作業に行き詰まると、その都度、宮本さんからレクチャーが入るが、基本的には若手の助っ人たちが主体となって作業を進めていく。

サクションパイプを取り外してみると、予想どおり、内部に溜まっていた水が流れ出してきた。パイプ内にこれだけの水が残っているということは、タービン内部にも水が入り込んでいると考えられる。そこで、取り外したインタークーラー側からエアブローを行うと、タービンのハウジング内に溜まっていた大量の水が吹き出してきた。

水をすべて排出したところ、この時点ではタービンの固着などは見られなかった。しかし、今後の乾燥過程でサビが発生する可能性もある。念のため潤滑スプレーを吹き込み、わずかながら防錆対策も施しておく。

続いて、ファンシュラウド上に配置されていたオイルキャッチタンクも取り外す。ホースクランプを緩めれば簡単に外せると思いきや、ラジエターのブラケットやステーを使ってしっかりと固定されていた。そこで、固定箇所を確認しながらボルトを取り外していく。大気開放式のキャッチタンクだけに、こちらも内部にはたっぷりと水が溜まっていた。

サクションパイプからタービン、インタークーラーに至るまで水が溜まっていたことから、スロットル側も分解し、水の侵入状況を確認していく。スロットルにつながるシリコンホースを引き抜くと、やはり内部に水が入り込んでいた。

浸水から時間が経過していたこともあり、一部にはアルミの白サビが発生。さらに、バタフライの軸部分にもわずかなサビが見られた。もう少し長期間放置されていたら、スロットルが使用不能になっていた可能性もある。

続いてスロットル本体を取り外してみると、サージタンク内にもたっぷりと水が残っていた。オイルフィラーからの確認ではシリンダーヘッド側への浸水は見られず、さらにS13エンジンはサージタンクが下側に配置されているものの、今回確認された浸水量を考えると、ヘッド側にも水が入り込んでいた可能性は否定できなくなってきた。

溜まっていた水は、石油ポンプを使って排出する。ちなみに、エンジンをオーバーホールする前提であれば、インマニやエキマニ、タービンなどもすべて取り外して確認するのが基本だ。

しかし、今回は最小限の作業で路上復帰を目指しているため、エンジンに残せるパーツはできるだけ残したまま作業を進めていく。もちろん、作業の過程で取り外すべきだと判断したパーツは、必要に応じて取り外しや交換を行う予定だ。とはいえ、どこまで再使用できるかは、まだわからない。

シリンダー内に水が入り込んでいないことが確認でき、ひと安心したのも束の間。補機類やパイピングには、想像以上の量の水が残っていた。この状態でエンジンを始動していたら、間違いなく深刻なダメージを与えていただろう。

冠水車を復旧させるには、まずエンジンにつながる各部に溜まった水を徹底的に取り除くこと。そして、十分に乾燥させることが重要だ。今回の分解作業によって、冠水車の復旧には、目に見えない部分まで入念に確認する必要があることが改めてわかった。

PHOTO&REPORT:渡辺大輔(Daisuke WATANABE)

●取材協力:ガレージミサイル 埼玉県さいたま市西区島根623-1 TEL:048-621-0007

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