Q.「止めるブレーキ」と「曲がるブレーキ」の違いがわかりません

A.「止める」区間と時間を誤解しているケースが大半
即、「曲げる」に移行するコーナーが意外と多い

最近のF1を観ると、昔に比べてブレーキでタイヤから白煙が上るシーンが少なくなりました。

タイヤの性能が飛躍し、コーナリングスピードも高くなり、クルマを「止める」強いブレーキが少なくなり、最初から「曲げるブレーキ」つまり弱いブレーキでコーナーに進入しているからだと考えています。

速度を落とす「止めるブレーキ」と、前荷重からハンドルを切りつつ横荷重に移行していく「曲げるブレーキ」は別物です。

「止めるブレーキ」と「曲げるブレーキ」は連携させ、だらだらと「止めるブレーキ」を続けない。コーナー入口のギリギリまで「止めるブレーキ」を続ける人を見掛けます。残念ながら誤りで、それではクルマが曲がりません。

僕のブレーキのイメージは、仮にコーナーの150m手前から掛け始めたら、コーナー入口の50m手前までが止めるブレーキです。50mからは、操作は曲げるブレーキに切り換えます。

止めるブレーキをコーナー入口の0mまで掛け続け、急にハンドルを切ってもクルマは曲がりません。

よくドラテクではタイヤの摩擦円を指標に使います。止めるブレーキを当てはめると、タイヤのグリップは、縦の制動方向です。

そのため曲げるブレーキへ、操作を切り替える。「曲げる」ですから、ハンドルも並行して操作します。

徐々にブレーキを戻しながら、ハンドルをゆっくり切り始める。曲げるブレーキの後半は、ブレーキペダルの遊びの範囲を踏む程度までリリースしている感覚です。

すると、摩擦円のグリップが円周上をだんだんと横方向へ移動し、旋回モードへ、タイヤの能力に逆らうことなくいけます。ブレーキを戻すにつれ、ハンドルを切る速度も上げられる。舵角を無理なく増やせます。

止まる、曲がるブレーキの連携ができていれば、摩擦円の推移はコーナリングのライン取りをなぞったイメージになります。

だから「スイッチのような操作」「強いブレーキの持続」「舵角一定」では、ポイントが円周から飛び出すか、円の中をジグザグに移動したり、どの性能も低いレベルしか使えない。クルマの姿勢も挙動も不安定になります。

曲げるブレーキには、繊細な操作が必要です。止める段階で、止める終了地点を凝視すると、曲げる操作が遅れます。

そこで視線は先へ。つねに自身が数秒後にいる場所を予測し、移動させます。そして、ハンドル操作を意識したブレーキ操作に徹します。

舵角一定かつ少ないほうが
速い走り方と思っている人が多い

その切り方と踏み方は、摩擦円のところで話したとおりです。上手くいかないならブレーキを強く残しているか、離し過ぎています。ハンドルも早くから、多く切ろうとしているかもしれません。


次回ドラテクQ&A Part1-⑪ 『ライン取り』はどんなふうに考える?

10月29日 19:10~配信予定 お楽しみに!


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