低コストでハイパワーを狙え!
FA20/24の弱点を克服する腰下強化術
86/BRZの楽しさをさらに引き上げるにはパワーアップが不可欠と考え、FA20/24のチューニングに意欲的に取り組んできたのが、岡山県の“リボルバー”だ。

これまで主軸としてきたのは、低中速トルクが圧倒的に物足りないFA20を搭載するZ♯6。データ入りフルコンとのセットでボルトオン装着を可能にした4スロキットを皮切りに、「令和のシルビア/180SX」をコンセプトに掲げたターボ仕様の中古コンプリートカーまでプロデュースし、乗り出し400万円という価格を実現してきた。最近ではFA24の熟成にも力を注ぎ、フルコン制御による4スロ化を進めている。

さて、今回注目したいのは、中古コンプリートカーの製作で培ったエンジン強化のノウハウをフィードバックした「強化ショートブロック」だ。
もともとリボルバーでは、400psオーバーに対応できる心臓部を確保しながら手頃な乗り出し価格を実現するため、走行距離10万〜15万kmのベース車を使ってエンジンをオーバーホール。その際、純正パーツの流用加工によるコンロッド強化なども施してきた。

そして最近、走行距離が伸びてオーバーホール時期を迎えるFA20/24が増えてきたことから、これまで蓄積してきたノウハウを単体メニューとして展開。コンロッド強化を軸に、重量合わせやメタルクリアランスの最適化など、要点を押さえた純正流用の強化ショートブロックを用意した。将来的な過給機チューンまで見据えた450psオーバー対応の腰下を、コストパフォーマンス良く手に入れられる環境を整えたのだ。

「エンジンをオーバーホールしてコンディションを取り戻すついでに、モアパワーや将来的な過給機チューンへの下準備もしておこう……という使い方を想定して、ノーマル腰下を後送りできる下取り設定にしています。エンジン本体がノーマルだとコンロッドに不安があるので、頑張っても400ps止まり。でも、強化ショートブロックと同じメニューで仕上げたデモカーは465psのターボ仕様で、タイムアタックからドリフトまで走らせてもトラブルフリーです。チューニングメーカー製の強化エンジンパーツまでは予算的に厳しい……という人に打って付けの高コスパメニューですよ」とは、リボルバーの今田さん。



そんなリボルバーが新たに用意した強化ショートブロックは、中古ブロックをベースに純正流用のコンロッド強化や各部のオーバーホールを施し、リーズナブルさと高性能を両立させたものだ。
中古ベースという点に不安を感じる人もいるだろう。しかし、シリンダーブロックは同じ岡山を拠点とする戸田レーシングにボーリング&ホーニングを依頼。再利用するクランクシャフトもラッピングを済ませてコンディションを整え、メタルは新品に交換する。さらに、純正ではばらつきのあるメタルクリアランスも最適化するなど、しっかりとリフレッシュしたうえで組み上げられる。

なお、ボーリングしたシリンダーには、0.5mmオーバーサイズの新品ピストンを組み合わせる。FA20はレスポンスとパワーを両立する純正オーバーサイズを採用。一方、ボア径が大きく、ノッキングやデトネーションへの配慮が必要なFA24では、NA&スーパーチャージャー仕様に好レスポンスな純正オーバーサイズを、ターボ仕様には純正流用のローコンプピストンを用意。チューニング内容に応じて仕様を選択できる設定とした。


そして、500ps対応の要となるのが、純正流用加工による強化コンロッドだ。流用元は非公開となるが、ターボエンジン用だけに強度は十分。FA20/24ともに共通のコンロッドを使用する。一見するとノーマルと大差ないように思えるが、比較すれば断面部のリブや小端部の首周りが明らかに肉厚になっている。
トルク変動が少なく、エンジンへの負担も比較的小さいとされるスーパーチャージャーのポン付け仕様でさえ、スポーツ走行を重ねるうちにノーマルコンロッドが徐々に曲がってしまうケースもあるという。それだけに、このウイークポイントを強化できるメリットは、過給機チューンを楽しむユーザーにとって見逃せない。

さらに、気筒間の重量合わせやメタルクリアランスの最適化など、86/BRZに精通するパワーチューナーが要点を押さえて精密に組み上げる点も魅力。作業時の不動期間を短縮できるよう、完成品の先送りにも対応するほか、店頭ではエンジン脱着から組み上げ、オーバーサイズピストン投入に伴うECUリセッティングまで含めたトータルオーダーも受け付けている。

気になる価格は、FA20用が55万円、FA24用が68万円。いずれもノーマル腰下の下取りを前提とした価格設定で、完成品の先送りにも対応する。オーバーホールを機に将来のパワーアップまで見据えた強化を施せるのは大きな魅力。450〜500ps対応のタフな腰下をリーズナブルに手に入れられる、86/BRZユーザー注目のメニューと言えるだろう。
●取材協力:レーシングファクトリーリボルバー 岡山県岡山市北区高柳東町9-23 TEL:086-367-4495
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