GLC 250エレクトリックは354ps/505Nm、GLC 300 4MATICエレクトリックは421ps/800Nmを発揮

GLC初の電気自動車となるエレクトリックGLCは、新世代の電気自動車専用プラットフォーム「MB.EA-M(Mercedes-Benz Electric Architecture Midsize)」を採用したプレミアムミドルサイズSUV。ボディサイズは全長4845×全幅1890×全高1650mmで、ホイールベースは2970mm。最低地上高は180mmだ。

電動パワートレインは、リヤアクスルに自社開発の永久磁石式同期モーター(PSM)を含む電動ドライブユニットを搭載。長距離走行におけるバッテリーから車輪へのエネルギー変換効率は93%を誇る。駆動ユニットは、ダブルV配置のローター磁石を採用し、ステーター巻線にはいわゆるコードコイルを使用。こうした設計により、極めて静粛でありながら効率的な駆動を実現している。

また、リヤアクスルには2速トランスミッションが組み込まれており、ダイナミズムと効率性を両立。1速は11:1という低いギヤ比を採用しており、発進直後から優れた加速性能を発揮するほか、市街地走行時での優れた効率性を実現している。そして2速は5:1という高いギヤ比によって、高速走行時の優れたパワー供給と高効率性を追求して設計されており、長距離走行においても高効率な走りを披露する。

四輪駆動モデルのGLC 300 4MATICエレクトリックでは、フロントアクスルにも高出力のドライブユニットを搭載。必要に応じて DCU(ディスコネクトユニット)が瞬時に接続・切り離しを行うことで、駆動性能とエネルギー効率を高次元で両立。また、前後のドライブユニットには、シリコンカーバイド(SiC)インバーターを備えた高性能パワーエレクトロニクスを採用し、エネルギー効率の向上に貢献している。

GLC 250エレクトリックは354ps/505Nm、GLC 300 4MATICエレクトリックは総合で421ps/800Nm を引き出す。

リチウムイオンバッテリーの容量は85.5kWhで、一充電航続距離はGLC 250エレクトリックが642km、GLC 300 4MATICエレクトリックが618kmを実現。交流電力量消費率はそれぞれ155Wh/km、162Wh/kmと発表された(数値はいずれもWLTCモード)。バッテリーは6.0kWまでの交流普通充電と、最大100kWの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応しており、急速充電器を使用した場合、10%から80%までの充電時間は45分と発表された。なお、新型エレクトリックGLCは、別途、充放電器を用いれば車外へ電力を供給できる外部給電機能(V2L)が可能だ。

ブレーキシステムは新開発のワンボックス式を採用。回生ブレーキによる減速時も、油圧ブレーキによる制動時も、自然なブレーキフィールを実現し、ドライバーに高い安心感をもたらす。このシステムは、従来は個別に搭載されていたブレーキブースター、マスターシリンダー、ESP制御ユニットをコンパクトなモジュールとして統合したもの。効率性の観点から、日常的な減速の大部分は回生ブレーキによって行われる。最大約300kWの回生能力を備え、車両を停止直前まで電気的に減速させると同時に、運動エネルギーを電力として回収する。

回生レベルは「D-(最大回生)」「D(標準回生)」「D+(回生なし)」、「D AUTO(インテリジェント回生)」の4つから選択できる。また、ブレーキペダル操作時にも回生機能が常に作動する。「D-」モードでは、いわゆるワンペダルドライビングに近い走行を体験できる。アクセルペダルから足を離すと、車両は最大3m/s²の減速度で電気的に減速し、多くの場面で油圧ブレーキを使用することなく速度をコントロール可能だ。強い回生によってより多くのエネルギーを回収できるため、効率向上と航続距離の拡大に寄与する。

「D AUTO」を選択すると、前走車の速度変化や道路状況、ナビゲーションデータなどに基づいて回生ブレーキの強さを自動で調整。また、エネルギー効率を高めるため、駆動力や減速力が不要な場面では惰性走行となる。これにより、ドライバーは自然で快適な運転操作と高い効率性を両立できる。なお「D AUTO」モード時は、先行車の減速・停止状況に応じて回生ブレーキを制御し、先行車が停止した場合には自車両も自動的に停止する。

新型エレクトリックGLCには、AIRMATICサスペンションやリヤ・アクスルステアリングをオプションで設定。AIRMATICサスペンションは車速や走行条件に応じて、ばね定数、減衰力、車高を自動的に調整する電子制御式のエアサスペンション。これによりSクラス譲りの快適なドライビングを実現する。そしてリヤ・アクスルステアリングは、車速約60km/h以下では、後輪が前輪と逆方向に最大4.5°操舵し、最小回転半径が非装備車の5.6mから5.2mへと縮小され、駐車時や市街地での取り回しが大幅に向上する。100km/h未満では、走行状況に応じて後輪が前輪と同じ方向または逆方向に最大2.5°操舵。逆位相操舵時にはホイールベースが仮想的に短縮され、より軽快で俊敏なハンドリングを実現する。100km/h以上では後輪が前輪と同じ方向に最大2.5°操舵。これによりホイールベースが仮想的に延長され、高速走行時や急な回避操作時の走行安定性と安全性の向上に貢献する。

イルミネーションを備えたフロントグリルはブランドの新たな時代の幕開けを象徴するとともに、メルセデス・ベンツのフロントマスクを再定義

エクステリアデザインは、メルセデス・ベンツのミドルサイズSUVの普遍的なプロポーションを踏襲しつつ、徹底的にモダンな解釈を加えた新世代のデザインを採用。

300SELなどに代表される歴史上もっとも象徴的なデザイン要素のひとつであるフロントグリルを再解釈した新しいデザインは、ブランドの新たな時代の幕開けを象徴するとともに、メルセデス・ベンツのフロントマスクを再定義する存在でもある。内燃機関車の時代の機能的な要素であったフロントグリルは、電気自動車となったエレクトリックGLCにおいて、イルミネーションを備えた先進的な芸術作品へと進化を遂げた。メルセデス・ベンツの本質を保ちつつ、ミニマルなデザイン、クリーンなライン、そして高度なテクノロジーを通じて、威信とステータスが表現された。

合計942個のポリカーボネイト製バックライト付きドットを備えたイルミネーテッドパネルは、ピクセルグラフィックによるアニメーション表示にも対応。中央のスターの輪郭やグリルフレーム部とともに点灯することで気品に満ちたエレガントな雰囲気を生み出している。標準装備のLEDハイパフォーマンスヘッドライトおよびオプションのデジタルライトは、フロントデザインとシームレスに融合。特徴的なスターモチーフに加え、デイタイムランニングライト、ウインカーによって構成されるデザインが、昼夜を問わず印象的なフロントマスクを演出する。

サイドではGLC内燃機関モデル比でホイールベースを80mm、全長を120mm拡大したことでより伸びやかでスポーティなプロポーションへと進化。メルセデスのデザイン哲学「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」による面の抑揚と際立つホイールアーチ、後方に向けて緩やかに上昇するキャラクターライン/ウインドウラインが、流麗な美しさとSUVの力強さを表現している。また、ルーフレールやサイドシル、ウインドウラインに配されたクロームトリムや大開口の「スカイコントロール」パノラミックルーフがプレステージ性をさらに強調。ボディと一体化するシームレスドアハンドルも最新のメルセデスならではの洗練されたスタイリングを形成するデザイン要素のひとつだ。

リヤビューは、ワイドなフェンダーとフラッシュサーフェスデザインを採用したリヤバンパー、そして革新的な2ピースデザインのLEDリヤコンビネーションランプが特徴。ヘッドライトと同様に印象的なスターモチーフは昼夜を問わずメルセデス・ベンツならではの個性を演出し、リヤエンドに先進的な輝きを与えている。また、ブラックのサイドスポイラーを備えた2ピース構造のルーフスポイラーも、よりスポーティな造形に仕立てるとともに、SUVらしい力強いプロポーションを強調する。

そんな新型エレクトリックGLCは、ステータス性を感じさせる洗練されたエクステリアデザインと、メルセデスならではの優れた空力性能(Cd値0.26)を高次元で両立させている。

オプション設定された新開発の39.1インチMBUXハイパースクリーンはメルセデス史上最大となるディスプレイユニット

まるで我が家に帰ってきたかのような安心感とくつろぎをもたらす空間体験「Welcome home」を表現するインテリアは、現代的なエレガンスと洗練されたデジタルテクノロジーが融合した、没入感のある空間を乗員に体験させる。シームレスに統合された大型のウッドインテリアトリムは、ダッシュボードとセンターコンソールを視覚的にひとつの調和した造形にまとめ上げ、アナログのラグジュアリーを体現。同時にインテリア全体に広がる MBUXスーパースクリーン、または MBUXハイパースクリーン(オプション)を際立たせるデザインとなっている。

インテリア全体を縁取り、広々とした空間を心地良く照らし出すアンビエントライトは、スクリーンのフローティングデザインを一層印象的に演出し、未来的な雰囲気を高めている。

インストルメントパネルを一体化するようにデザインされた大型のセンターコンソールには、ワイヤレスチャージング用の充電トレイをふたつ装備。その後方にはハザードランプボタンを含むハードキーを備えた新設計のコントロールストリップが配置されている。また、カップホルダーは充電トレイから分離され、使い勝手を向上させた。

亜鉛メッキ仕上げのエア・アウトレットは、洗練されたハイテクな美学を表現。ドアパネルは不要な要素を削ぎ落としたシンプルなデザインとなっており、印象的なメタリック仕上げのドアハンドルやトリムがインテリアを上質に彩る。

インパネには10.3インチ(26.3cm)のコックピットディスプレイ、14インチ(35.6cm)のセンターディスプレイ、 14インチ(35.6cm)の助手席用ディスプレイを一体化したMBUXスーパースクリーンを標準装備。さらにオプション設定される新開発のシームレスな39.1インチ(99.3cm)のMBUXハイパースクリーンは、メルセデス史上最大となるディスプレイユニットだ。1000個以上のLEDを備えた革新的なマトリックスバックライト技術により、8Kの水平解像度と高コントラストを実現。ゾーンディミング機能により、スライダー操作でふたつの表示領域を同時に調整することが可能だ。また、憩いのひとときを演出するエモーショナルモードを搭載。39.1インチの圧倒的な大画面に、パチパチと燃える本物さながらの焚火が映し出される「キャンプファイヤーモード」、敏捷な魚や悠々と旋回するサメが生き生きと泳ぐ水族館の映像が楽しめる「水族館モード」など、没入型の体験が用意されている。例えば「キャンプファイヤーモード」選択時は運転席シートヒーターが起動するなど、コンフォート機能とも連動することで総合的な体験を提供する。

インフォテイメントシステム「MBUX」は第4世代版を搭載。人と車両とのより直感的でパーソナライズされたインタラクションを実現するもので、新しいUI/UXコンセプトのもと、必要な情報へよりスムーズにアクセスできる操作性を追求し、新しいデジタル体験をもたらす。

複数のAIをひとつのシステムに統合した新しいMBUXバーチャルアシスタントは、友人との会話のようなコミュニケーションを可能にし、会話の文脈を保持する短期記憶機能も備えている。ChatGPTやMicrosoft Bingの検索に基づく情報検索をサポートするとともに、Google CloudのAutomotive AI Agentにより、ナビゲーションや興味のある場所などに関する詳細を音声操作によってユーザーに提供。これにより、自然な会話形式で直感的な操作が体験できる。

MBUXはメルセデス・ベンツが自社開発したオペレーティングシステム「MB.OS」上で作動する。MB.OSは、毎秒最大254兆回の演算が可能な高性能チップを活用し、高度な運転支援機能を支える高い演算性能を備えている。さらに、メルセデス・ベンツ インテリジェントクラウドに接続された車両システムにより、運転支援機能を含む主要な車両ソフトウェアをOTA(Over-the-Air)で継続的にアップデートすることが可能だ。

新開発されたシートは、AGR(ドイツ脊髄健康推進協会)による認証を取得しており、長距離ドライブにおいても優れた快適性を提供し、ドライバーや乗員の疲労軽減に貢献する。標準仕様のコンフォートシートと有償オプションのスポーツシートは、それぞれの特長をさらに明確化している。スポーツシートはヘッドレスト一体型のスポーティなデザインを採用し、より高く張り出したサイドボルスターによって優れたホールド性を実現する。

ルーフには空との一体感を感じられる大型で開放的な「スカイコントロール」パノラミックルーフを標準装備。ガラス面の透明度を個別に切り替え可能な9つのセグメントに分かれており、取り込む光の量を自由に選択することが可能だ。断熱ガラスには、赤外線反射コーティングに加えて内側に極薄の低放射率(Low-E)コーティングが施されている。これにより、夏場の車内温度の上昇を抑えるばかりではなく、冬には Low-Eコーティングが車内の熱を車内に反射させることで、熱損失を低減する。ガラスルーフの透明度は車両設定メニューから簡単に変更でき、画面上のルーフアイコンを通じて9つのセグメントを個別に選択できるほか、「クリア」「マット」「モチーフ」の3種類のプリセットモードも用意されている。

このパノラミックルーフには、オプションでイルミネーション機能が設定可能。夜間にはガラス面に組み込まれた162個のスターが幻想的なイルミネーションを演出し、メルセデスならではの世界観を表現する。スターパターンはガラス内の基材に印刷されており、ルーフの内側にあるLEDモジュールから照射される。64色のカラーから選択できるほか、アンビエントライトのカラーテーマと連動する。

荷室容量は後席使用時が520Lで、標準的なゴルフバッグ3個を積める充分なスペースを確保。後席シートバック倒した最大時は1690Lに拡がる。さらに、フロントフード下にも容量128Lのトランクが備わり、ボンネット先端に備わるタッチセンサー式のスリーポインテッドスターエンブレムに軽く触れるだけで解錠できる。

●メルセデス・ベンツ公式サイト「エレクトリックGLC」