フォードの第一世代のV2Hシステム(F-150 Lightning等に採用)では、高価な壁掛けインバーター(Home Integration System)と充電器(Charge Station Pro)の双方が必要であり、V2Hの導入におけるコストが普及の大きな障壁となっていた。新しいV2Hシステムでは、家屋の壁面側に設置していた高価な外部DC/ACインバーターを廃止し、車両側を構成する5つの主要電気モジュールのひとつである「E-box」内にインバーター機能を直接統合するコンセプト。2027年投入予定の新型トラック型BEV「Fathom」への搭載を予定している。

Fathomではインバーターを車両側のE-boxに集約したことで、外部インバーターなしで10kW以上のAC電力を家庭へ直接供給可能にする見込み。フォードは2023年にAuto Motive Power社を買収しているが、ゼロからバイダイレクショナル・ハードウェア/ソフトウェアを再設計。UL 1741要件およびIEEE 1547相互接続規格に準拠。充電通信にはデラウェア大学が開発したSAE J3068通信規格を採用している。

Fathomユーザーは、V2Hをふたつの方法で用いることができるという。ひとつは[ホームパワーマネジメント機能]で、電気料金が安い時間帯に車両のバッテリーを充電し、電気料金が高い時間帯にはその電力を家庭の電力として利用することで、電気料金の削減を図る使い方。もうひとつが[ホームバックアップ電源]で、停電時に顧客の自宅に電力を供給できる機能。専用充電設備「Home Power Station」とホームバックアップ電源パネルが必要となるものの、第一世代ホームバックアップ機器よりも少なくとも60%低価格になる見込みだ。


Fathomは、メーカー希望小売価格が3万ドル未満の米国自動車メーカー製電気自動車としては初めて、家庭に10kWを超える交流電力を供給するために別途壁掛け式インバーターを必要としないモデルとなる。
【主要スペック/数値】
AC給電出力:10kW以上(外部インバーター不要)
家庭側ハードウェアコスト:従来比で約60%削減(Home Power Stationは従来比約半額)
車両主要モジュール:5つの主モジュールのうち「E-box」にインバーターを内蔵
通信規格:SAE J3068 (with LIN-CP)
準拠規格:UL 1741、IEEE 1547
提携電力会社:5社(American Electric Power、BC Hydro、Consumers Energy、Exelon、Pacific Gas and Electric Co.)と作業部会を2026年7月に形成

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