足周りを中心に大きくアップデート

ホンダ・ライブDio ZX|1996年12月発売
ライブDio ZXは、1994年に登場したスポーツスクーター。7.2psを発揮するハイパー・エンジン、強力な制動力を誇るフロントディスクブレーキ、高い操安性を狙った油圧式フロントフォークなど、ZXらしい装備を継承しながら、1996年12月にさらに商品性を高めた。
見た目でわかりやすい変化がフロント周りだ。フロントフォークにはツーピースタイプのボトムケースを新たに採用し、金色の仕上げも相まって倒立フォーク風のスポーティな雰囲気を強調。前後アルミダイキャストホイールとの組み合わせも、ZXらしい足周りを演出していた。
ちなみにアルミダイキャストホイール自体は、1996年1月発売モデルですでに採用済み。この12月モデルでは、その足周りの構成を受け継ぎながら、フロント周りをさらにシャープに見せる方向へ進化している。
倒立風フォークやNSRを思わせるアルミホイールなど、グッとくる装備が満載。ジョグ系の軽快さとはまた違い、ライブDio ZXは安定感を重視したハンドリングも魅力だった。
6Lタンク&40Wハロゲンで実用性も向上

搭載するのは、49cc空冷2ストローク単気筒のハイパー・エンジン。最高出力7.2ps/6500rpm、最大トルク0.81kgm/6250rpmを発揮し、中・低回転域から伸びやかな加速を狙った出力特性となっている。
速さだけでなく、普段使いの部分にも手が入った。燃料タンクは5.3Lから6Lへ容量アップし航続距離を延長。ヘッドライトには40W/40Wのハロゲンタイプを採用している。またヘッドライトとウインカーは、一体型クリアアウターレンズでまとめられ、フロントフェイスもより精悍な印象となった。
ライブDioシリーズは燃料タンクをフロア下へ配置しており、重い燃料を車体の低い位置に置ける構成。横型エンジンによる高いスペース効率と合わせ、収納スペースを確保しながら低重心化にもつながっている。街中はもちろん、コーナーを含む走行時にも安定感を狙えるパッケージだった。
1994年型がライブDio ZXの“誕生”なら、この1996年型は熟成を進めたモデル。7.2psという数字は変わらなくても、足周り、灯火類、燃料タンクなど、着実に進化している。
【SPECIFICATIONS】
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:7.2ps/6500rpm
最大トルク:0.81kgm/6250rpm
全長×全幅×全高:1675×630×995mm
重量:75kg
タイヤ:90/90-10・90/90-10
燃料タンク容量:6.0L
シート高:700mm
発売当時価格:17万4070円(税込)
1998年にはホンダ創立50周年記念ZXも登場!

そして1998年7月1日には、ホンダ創立50周年を記念した「Dio ZX 50thアニバーサリースペシャル」が5000台限定で登場した。
ベースカラーは、1965年にF1初勝利を飾ったRA272をイメージしたクリーミーホワイト。そこへ前後ホイール、リヤスポイラー、リヤショックスプリングを鮮烈なレッドでコーディネートし、ひと目で通常モデルとの違いがわかる仕上がりとなっている。
細部も特別仕様だ。ヘッドライト下には赤い50周年スペシャルエンブレムを装着し、専用キーにも赤いエンブレムを採用。シート側面はカーボン織布風の表皮に変更され、ZXエンブレムも特別感のある仕立て。駆動系カバーはシルバーのポリッシュ仕上げとなり、黒塗装とは異なる雰囲気を見せていた。
7.2psという数字だけなら初代ZXと同じ。でも、1996年のマイナーチェンジで足周りや使い勝手を磨き、さらに50周年記念車では特別な装いまで与えられた。ライブDio ZXは、90年代スポーツスクーターを代表する1台として、完成度を高めながら進化を続けた。
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】
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