アドレスV100とはキャラが違う! 大柄で落ち着いた“兄貴分”

SUZUKI アドレス110|1998年発売
大人気だったアドレスV100と併売する形で登場した110ccモデル。コンパクトで軽快なV100に対し、アドレス110はゆとりのある車体と乗車ポジション、快適性を重視した装備を与えられ、しっかりとキャラクターを分けていた。
ボディは張りのある曲面で構成され、スポーティさを残しながらも全体の雰囲気は落ち着いている。全長1855mm(アドレスV100は1745mm)、ホイールベース1265mm(アドレスV100は1240mm)という車体は原付二種スクーターとしても堂々としたもの。それでも乾燥重量は90kgに抑えられており、見た目ほど重々しくないのもポイントだった。
ゆったりした着座スペースを確保しながら、停止時に足を降ろす部分のフロアボードを絞り込み、シート形状も工夫することで足つき性にも配慮(シート高735mm)。このフロアボードの絞り込みは、その後のスズキ・スクーターの特徴として多くのモデルに採用された。肉厚なシートと合わせて、近距離を飛び回るだけでなく、少し距離のある通勤にも向いたスクーターだった。
ヘルメット+雨具も入る! 27Lのシート下収納

実用性で注目したいのが、大容量27Lのシート下収納スペースだ。ヘルメットだけでなく、雨具などの小物まで収納できる容量を確保。内部には暗い場所でも使いやすいパーソナルスペースランプを備え、純正オプションのU字ロックを固定できる専用ホルダーまで用意されていた。
さらに、シートを開けずに給油できる独立給油リッド、インナーラック、コンビニ用フック、シャッター付きメインキー、センタースタンドロックなど、日常で効いてくる装備も充実。後席用のピリオンフットレストは格納式となっており、2人乗りにも対応する原付二種らしい使い勝手を備えていた。
フロント周りには2種類を設定。走行風や雨を抑えるウインドシールド仕様と、小型でスタイリッシュなメーターバイザー仕様が用意され、用途や好みに合わせて選ぶことができた。通勤・通学を強く意識した、かなり実戦的なパッケージだった。
排気量113ccで10ps! 12インチホイール採用で安定感もしっかり
エンジンは、113cc空冷2ストローク単気筒。最高出力10ps/6000rpm、最大トルク1.3kgm/5500rpmを発揮し、スムーズで力強い走りを狙った。見た目は大柄でも乾燥重量は90kg。排気量と車重のバランスを考えれば、走りには十分な余裕がある。
さらに、前後にはこのクラスとして大径となる12インチタイヤを採用。フロント90/90-12、リヤ100/80-12という組み合わせで、軽快さを残しながら安定感の高い乗り味を実現していた。
アドレスV100のようなコンパクトさを武器にするのではなく、パワー、安定感、収納力、快適性をひと回り上へ。落ち着いたフォルムも含め、V100とはファン層をキッチリ分けた1台だった。その後「アドレス110」の車名は2015年に4ストロークの世界戦略車として復活するが、1998年型はその名を最初に掲げた、2ストローク時代ならではの充実スペックモデルだった。
【SPECIFICATIONS】
総排気量:113cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:10ps/6000rpm
最大トルク:1.3kgm/5500rpm
全長×全幅×全高:1855×630×1120mm
ホイールベース:1265mm
重量:90kg(乾)
タイヤ:90/90-12・100/80-12
発売当時価格:25万950円(税込)
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】