「ENDOPACK」は、従来のパワーモジュールやワイヤーボンディングによる実装とは異なり、1200V耐圧の車載用第2世代CoolSiC(Gen2p CoolSiC MOSFET)技術をプリント基板(PCB)の層内に直接組み込むプラットフォームコンセプト。チップを基板内に埋め込むことで、インバーター設計の柔軟性と再利用性を高め、開発期間の短縮を図るとともに、電力密度、効率、および半導体の利用効率を向上させることができる。

従来のアーキテクチャでは、アプリケーションや電力クラスごとに新しい設計を開発する必要があり、柔軟性が制限され、導入が遅れるという問題があった。ENDOPACK Cellは、標準化されたPCB設計プロセスと実績のある製造インフラを活用することで、これらの課題を解決し、従来のソリューションよりも最大3倍速い開発サイクルを実現する。さらに、設計に依存しない生産ラインにシームレスに移行できるため、製造プロセスを継続的に調整することなく、迅速な反復開発が可能になるという。

インフィニオンによれば、このアーキテクチャにより、インダクタンスを20nHから2nH以下に低減することができ、スイッチング損失を30%削減し、中国の試験サイクル規格であるCLTC(China Light-duty vehicle Test Cycle)条件下で約99.5%の効率を実現するという。また、プロトタイプおよびシミュレーションデータでは、最大200kW/Lのピーク電力密度が得られ、車両レベルでは航続距離を7%向上させる可能性を見出している。

従来の低電圧向けチップ埋め込み技術を高電圧パワーエレクトロニクスへと拡張し「PCB統合用に設計された、業界初(同社発表)の車載認定済み高電圧チップ埋め込みソリューション」を確立した格好。すでにENDOPACK CELLは量産体制に入り、搭載車両は2027年に量産開始予定。