SL63 /SL65
先代を踏襲したスタイリング

2001年から10年近いモデルライフを誇ったR230型「SL」は、2011年7月のデトロイト・ショーで6代目となるR231型SLへとフルモデルチェンジを果たした。
その最大の特徴はシャシーにオールアルミ製のスペースフレームを採用したことで、ボディサイズが全長4612mm、全幅1877mm、全高1315mmと若干ながら大型化したにも関わらず140kgもの軽量化と、20%以上のねじれ剛性向上を達成。デザインを担当したのはフランク・フィステラーとマーク・フェザーストンで、全体的に洗練されながらも電動ハードトップのバリオルーフを含めたスタイリングは先代を踏襲したものとなっていた。
スタンダード・モデルのラインナップとしては3.5リッターV6の「SL350」、4.7リッターV8ツインターボの「SL550」を用意。いずれもブルーダイレクトテクノロジーと呼ばれる直噴エンジンで、7速ATの7Gトロニックプラスが組み合わされる。
5.5リッターV8ツインターボを搭載

フロント4リンク、リヤマルチリンクのサスペンションには軽量化とバネ下重量軽減のためにアルミを多用。またSL350にはセミアクティブのアダプティブダンピングシステム、SL550にはフルアクティブのABC(アクティブボディコントロール)が標準で装備されている。
そのほか、日差しの強いときにはダークに、寒いときなどはクリアになるマジックスカイコントロールパノラミックバリオルーフ、ワイパーブレードに設けられた多数の穴からウォッシャー液を噴射するマジックビジョンコントロール、足元に低音用スピーカーを設置したフロントバスシステム、リヤバンパーに足を近づけるとトランクが開閉するハンズフリーアクセス、自動ブレーキのレーダーセーフティパッケージなど、様々な先進技術を搭載しているのもR231型の特徴といえた。
そのAMGバージョンたる「SL63 AMG」はSL350、SL550と同時にデビュー。エンジンは最高出力537PS/5500rpm、最大トルク800Nm/2000〜4500rpmを発生する5.5リッターV8ツインターボM157型ユニットで、大トルクを受け止めるためトランスミッションはトルクコンバーターの代わりに多板クラッチを用いる7速AMGスピードシフトMCTが組み合わされている。
AMGパフォーマンスパッケージもオプションで用意

サスペンションにはSL550のABCをベースに専用チューンしたAMGスポーツサスペンションを採用。また専用装備としてカーボンファイバー製のトランクリッド、チタングレーのハイグロス仕上げの5ツインスポークAMGライトアロイホイール、フロント255/35R19、リヤ285/30R19のタイヤ、専用のフロントバンパーなどのエアロパーツ、ナッパレザーAMGスポーツシート、AMGカーボンファイバートリムなどを装着していた。
加えてオプションで用意されるAMGパフォーマンスパッケージ装着車はエンジンの出力が564PS、トルクが900Nmに引き上げられたうえ、カーボンファイバー製エンジンカバー、専用のスポイラー、LSDなどが奢られている。
最大トルク1000Nmを発生する「SL65 AMG」が登場

続く2012年には最高出力630PS/4800〜5400rpm、最大トルク1000Nm/2300〜4300rpmを発生する6.0リッターV12 DOHCツインターボのM279E60型ユニットを搭載した「SL65 AMG」が登場。トランスミッションがより効率を高めたAMGスピードシフトプラス7Gトロニック7速ATとなり、専用のフロントグリルやエキゾーストエンドを採用したほかは、タイヤサイズを含めSL63 AMGに準じる内容となっている。
その後SL65AMGは2018年の生産終了まで特に変更は加えられていないが、SL63AMGは2014年に最高出力を585PS、最大トルクを900Nmへとアップ。ところが2018年モデルの本国仕様では最高出力が571PSにダウンして、2019年に生産を終了している。

