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カワサキZ 125PRO……345,600円〜(消費税込み)
全体的にゴツく塊感のある立派なフォルムのZ125PROだが、人がまたがるとちょこんと可愛い。このデフォルメ感がなんともユニーク。それでいて、ヘッドランプや同カウル、倒立式フロントフォーク部までカバーするフェンダーデザイン等の雰囲気は立派にZシリーズ一連の流れを感じさせてくれる。
一見ガッチリと骨太なフレームに見えるのは、サイドの樹脂カバーデザインによるもので、実際のフレームはパイプバックボーンタイプ。空冷の2バルブSOHC前傾単気筒エンジンを搭載。ブラックアウトされた小さなアンダーカウル後方に同じく黒いアンダーマフラーを配し、右側に排出する。一見それがマフラーであるとは気付かせない、溶け込んだデザインが斬新だ。
バイクビギナーに優しい102kgの軽量ボディ
780mmのシート高は、股がった瞬間に窮屈感のないライディングポジションを覚える。足つき性はとても良く、膝にゆとりを持った上で両足は楽に地面を捉えることができた。車体やシートはサイズ的に十分な厚みがあり座り心地もシッカリした感じ。車両重量は102㎏。近頃人気のスーパーカブ110とくらべると3kgほど重いが、全高と全幅はカブを凌ぐレベルで取り回す感覚は見た目よりも軽快に扱え、不安感の無い乗り味はビギナーライダーのための入門用としても適している。もちろんベテランライダーにとっても、コンパクトな車体の気楽な乗り味は魅力的。さらに車庫や駐輪場の省スペース化に貢献できるサイズは日常的な足として活用した時も痛快な機能性を発揮してくれることは間違いない。
ラフに走れるワイドレンジな出力特性
さて、右手のセルボタンを押すと、スルッとクランキングされて始動性は良好。操作系は左手レバーによるマニュアルクラッチ操作が必要。もちろんシフトもマニュアルで左足操作のリターン式。ミッションはギヤレシオがワイドに設定された4段式が採用されている。
走り始めると各ミッションと出力特性との相性がとても良いことがわかる。指針式アナログ表示のタコメーターは9750rpmからがレッドゾーン。そこまで回そう(回したい)とは思わないが、大体3000~9000rpmまでのワイドレンジで発揮される頼れるトルクはとても柔軟。一旦走り始めてしまえば、例えばシフトダウンを不精するような走りも難なく耐えてくれる粘り強さがある。
つまりライディングにシビアな操作を要求されない寛容な乗り味があるのだ。12インチのタイヤは街での安心感も高い。時おり遭遇する大きなギャップでは、突き上げの厳しさにビックリさせられることもあったが、操縦性に対する不安はない。
125ccというカジュアルな排気量でありながらも、十分にバイクらしさを楽しめてしまう。Zの名を引き継いでいるのは伊達ではないなと、ヘルメットの中で自然と頬が緩んでいる自分に気付く愉快な乗り味に魅力を覚えた。