【80’sスクーター・ホンダ タクト】東京限定モデル、”TOKYOCUSTOM”を ミラノ風仕上げにカスタマイズ

多くのボディバリエーションやオプションパーツ 装着車、特別仕様車が存在する初代タクト (AB07)の中でも、東京地区だけで数千台のみ が販売された超希少な特別モデルをベースに、「東京」らしくおしゃれ?に仕上げた1台を紹介!

PHOTO:山内潤也
REPORT:橘 祐一

やりすぎない感じが東京カスタムなのだ!?

タイヤサイズの変更によっ て少しだけ車高アップ。武 骨な片持ちフロントフォークがスパルタンだ。

77年にヤマハパッソルが発売。それまでのソフトバイクとは異なり、 足を揃えて乗るステップスルーを採 用し、スカートのままでも乗れると 大ヒット。翌年にはひとまわり大きなパッソーラが発売された。

そんな ヤマハの独走を止めるべく、80年9月にホンダが投入したスクーターが、「タクト」だ。最高出力を3·2 ps/6000rpmで発生する2ス トローク強制空冷エンジンを搭載。 駆動系には遠心分離クラッチ&Vベルトの無段変速を採用。セル付きモ デルを用意するなど、ライバルより ワンランク上のモデルとして発売された。翌年にはリヤ周りをフルカバードにしてトランクを装備したフルマークも追加している。

ハンドル周りはフルカバード 、メーターには燃料計を備えるなど、ライバルより豪華。
マフラーは当時物のオクム ラ製チャンバーを装着。サウンドも元気で侮れない加速を披露してくれた。ン入力欄
ユニークなデザインのこのホイールを装着したくて、片持ちのジェンマフォークを移植。ハブを特注で製作して5本のボルで装着。タイヤは☆マーク が 可 愛 い ダ ンロップKIRARA 。

ベースマシンはこれ!

初代タクト AB07

80年9月発売の初代モデル。81年のマイチェンで出力が3.6psに。82年には外観を大幅に変更して同形式のまま2代目にモデルチェンジ。

こだわりの80’sスタイル

そんな初代タクトは、オプションパーツも豊富で、特別仕様車もいくつか発売された。なかでもTOKYOCUSTOMは東京販社地区のみ数千台が販 売されたという希少車。カタログには載っていないブラックのボディにゴールドのデカールとメッキモール、メッキホイールカバー、フェンダーマスコットなどが装着されている。オーナーの小林さんはこの限定車をベースに、正体不明のアルミホ イールを装着するため、フロントフォークに初代ジェンマ用を移植。前後のハブは特注で製作し、ベスパっぽい雰囲気をプラスした。「やっぱり東京仕様はおしゃれじゃないと(笑)」という動機だけでここまでやるとは恐れ入りました。

やっぱりナポミラー!

80年代の定番といえば、クルマのサイドミラー風デザインで大型のナポレオン・クロスミラー。スクーター には不釣り合いな大きさだけど、これがよかった?

タックロールも多かった!

シートは張り替えてタックロールに。段付きやあんこ抜きにはせず、ノーマルのまま上品に。先端部分の表皮はクロコダイル風の型押しを使用する。

レンズはクリアでしょ!

これも当時の定番クリアレンズ。もちろん電球は赤に塗装されたタイプに変更。ついでにウインカーもクリアレンズに。モノトーンだから似合うね。

フロアにはカーペット!

当時の純正オプションパーツで、フロアマットはゴム製ではなく、ちょっと豪華なカーペット。スクーターなのに土足厳禁にしている車両もあったなぁ。

IMPRESSION

40年以上前のスクーターだから遅いと思いがち だが、ライバル車とは異なり現代のスクーターと 同じく遠心クラッチとV ベルトの無段変速機構を 採用しているので、出だしこそ多少モッサリしているものの、2ストらしくグイグイ加速。オクムラチャンバーのおかげで中間からの加速はなかなか。 クラッチは DIO用に換装されているので、これでもスタートからの加速は改善されているのだとか。

取材協力 サブアーム

ビルダーとしてモトコンポマニアの世 界で有名なサブアーム代表の小林さん。小さくて古い車両が大好きで、このタクトも小林さんの愛車なのです。

http://www.subarm.com/ ☎090-6294-7241

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